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「自民」コンプレックスvs「民主」コンプレックス

 師走も後半でもう何がなんだか分からない感じで東京中を駆け巡っているわけなのだけれど、訳がわからない状態で江川紹子女史と元切込隊長氏のやり取りを横目にした感想を書いてみることにする。

 江川紹子「気配があったらすぐ速報しないと、特定秘密保護法の二の舞になりますにゃ」 - Togetterまとめ

 個人的には、江川女史が共謀罪や特定秘密保護法に関する懸念を持つのは理解できるのだけど、懸念があるから飛ばし報道はアリ、という考えが支持されることなどないだろう。元隊長氏もいうように(参照)、憲法解釈や人権概念の変更は日頃から研究されていることだし。むしろ研究していないのならば(護憲という立場においても)超問題じゃん、と思う。

 それで。このような対立(?)を乱暴に切り分けるならば、「自民」コンプレックスと「民主」コンプレックスの差なのではないだろうか、みたいなことを考えた。

 江川女史が記者生活を開始した頃は自民党単独政権が盤石で、ロッキード事件やリクルート事件といった政治資金に関する汚職が多発していた。こういった「権力」の不正を指弾する役割をメディアが担い続けている。40代以上のジャーナリストやメディア関係者は、基本的に政府・省庁などは「ズルをするもの」という前提でいるし、実際に80~90年代に「政治不信」というアジェンダ設定が多くの読者に共感された、という感覚が色濃く残っているのではないだろうか。

 一方で、私を含めた30代以下の世代からしてみると、バブル経済の終焉による就職氷河期を経験して、細川・村山政権での「失政」を見てきた。もっというと、政治がまともな意思決定がされないと自分の生活が危ういと肌感覚で分かっている。また、対米・対露というシンプルな図式だった冷戦期に比べて、国際環境でも複雑さが増していることも身に沁みているから、左翼的な論者の反アメリカ的なスタンスも支持しづらい。ましてや、2009年からの民主党政権での「失政」は記憶に新しい。となると、自民党は「まだマシ」で民主その他のリベラル勢力は「絶対ダメ!」という判定をせざるをえなくなる。

 Parsleyの感覚では、現在の安倍政権や自民支持者で、特定秘密法や法案成立のプロセスに諸手を挙げて賛成しているひとばかりではないように思える。できれば慎重に議論した上で決定されるのがいいに決まっている。

 だが、今回の江川女史のように、「権力側に対してならばデマも許される」と捉えられかねないような言明が一度ならずなされると、比較対象として政府側の方が「ルールに沿っているし理屈に合っている」と感じてしまう。

 メディア関係者がしばしば無自覚なのは、今やその言説が政府・官庁・企業といった組織や公人の発言とフラットに比べられて、取捨選択されているということ。そして、「報道」も既得権益視されているということ。この二点を踏まえずに、いくら「権力が~」と吹かれても共感されないし、結果として本当の権力乱用が為された時に無力な存在になり果てるのではないのかしら?

 Parsleyが大好きな西炯子女史の『姉の結婚』の第四巻に、地元議員の女性問題を追っていた地方紙の女性支社長が、疑惑が晴れて「記者としての旬が過ぎたのかな」というセリフが超かっこいいのだけど。リベラル側のメディア関係者の方々も、彼女のようにキレイに引いてもらいたいものだなぁ、と思う今日このごろ。はい、作業に戻ります。

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