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ようやく回復し始めた機械受注と上昇幅が拡大する企業物価

本日、内閣府から10月の機械受注が、また、日銀から11月の企業物価指数 (CGPI) が、それぞれ発表されています。前者の機械受注では、船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注は季節調整済みの系列で8072億円、前月比+0.6%増を記録しました。後者の企業物価は前年同月比で+2.7%と前月から上昇幅を拡大しています。まず、統計のヘッドラインを報じた記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

10月機械受注、2カ月ぶりプラス 基調「緩やかな増加傾向」

内閣府が11日発表した10月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力除く民需」の受注額(季節調整値)は前月比0.6%増の8072億円だった。プラスは2カ月ぶりで、伸び率はQUICKが10日時点でまとめた民間予測の中央値(0.6%増)と同じだった。堅調だった製造業向けが減少に転じたが、非製造業の伸びが全体を押し上げた。

内閣府は「受注額が安定して8000億円台と高い水準を維持し、発注を増やす業種も広がっている」と説明した。機械受注の判断は9月の「持ち直している」を「緩やかな増加傾向がみられる」へ2カ月ぶりに上方修正した。

主な機械メーカー280社が船舶・電力を除いた非製造業から受注した金額は11.5%増の5095億円で2カ月ぶりのプラスだった。金融・保険業のシステム改修が活発でコンピューターの受注が伸びた。建設業から建設機械や運搬機械の需要が旺盛で、5月(5607億円)以来5カ月ぶりに5000億円台を回復した。

一方、製造業から受注した金額は0.2%減の3338億円と6カ月ぶりに減少した。電子部品業界向けの半導体製造装置や石油製品・石炭製品業界向けの化学機械の需要の伸びが一服した。

11月国内企業物価、5年1月ぶり高い伸び8カ月連続で上昇

日銀が11日発表した11月の国内企業物価指数(2010年平均=100、速報値)は102.6と、前年同月比で2.7%上昇した。上昇は8カ月連続で、08年10月(4.5%上昇)以来5年1カ月ぶりの高い伸びだった。外国為替市場での円安傾向が輸入品価格を押し上げた。

企業物価指数は出荷や卸売り段階など企業間で取引する製品の価格水準を示す。全820品目中、前年比で上昇した品目は390、下落した品目は302。3カ月連続で上昇品目数が下落品目数を上回った。上昇から下落を差し引いた品目数は88で11年11月(92)以来2年ぶりの多さだった。

内訳は製材・木製品が13.9%上昇と高く伸びた。米国の住宅市場の回復に加え、国内では消費増税前の住宅の駆け込み需要で引き合いが強まった。石油・石炭製品も12.6%上昇した。前月比での上昇に最も寄与したのは、鶏卵、牛肉を含む農林水産物。供給低迷や年末の需要期で需給が引き締まった。

一方、電子部品・デバイスが前年同月比1.8%下落した。スマートフォン向け需要が低迷した。電力・都市ガス・水道は上昇幅を縮めた。
円ベースの輸入物価は前年同月比16.9%上昇し、前月比では1.5%上昇した。輸出物価は前年同月比12.4%上昇し、前月比では1.2%上昇した。

いつもの通り、いろんなことをとてもよく取りまとめた記事だという気がします。それにしても、昨日もそうだったんですが、統計が2つ発表されると記事の引用だけでかなり長くなってしまいました。おなかいっぱいかもしれません。次に、機械受注のグラフは以下の通りです。上のパネルは船舶と電力を除く民需で定義されるコア機械受注とその6か月後方移動平均を、下は需要者別の機会受注を、それぞれプロットしています。影をつけた部分は景気後退期なんですが、毎度のお断りで、直近の景気の谷は2012年11月であると仮置きしています。

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上のグラフを見ても、機械受注は明らかに回復ないし増加の軌道に乗り始めたと考えてよさそうです。ですから、統計作成官庁である内閣府も、引用した記事にある通り、基調判断を前月までの「持ち直している」から「緩やかな増加傾向がみられる」へ上方修正しています。コア機械受注も増加の方向にあることは明らかで、かつ、水準も8000億円を超えて順調に増加を示しています。産業別に機械受注を見ると、下のパネルから明らかなように、増加の主役は製造業です。10月統計こそ6か月振りに前月比マイナスを記録しましたが、昨年のミニ・リセッション後は順調に回復・拡大を示しています。製造業における受注拡大には円高是正の効果が大きいんだろうと私は受け止めています。さらに、米国経済も来年の春ないし年央あたりから本格的な拡大軌道に戻るとのエコノミストの間のコンセンサスもあり、製造業の設備投資は拡大することが見込めます。ただし、受注水準としては製造業よりも船舶と電力を除く非製造業の方が大きくなっています。先行指標のコア機械受注を追うように、我が国の設備投資も緩やかながら増加に転じることが見込まれます。

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企業物価の国内・輸出入別の前年同月比上昇率と需要段階別の上昇率はそれぞれ上のグラフの通りです。国内物価の前年同月比上昇率は+2.7%まで拡大しています。円高是正による為替の効果が大きいと報じられていますが、少しずつ需給ギャップの縮小も物価の上昇に寄与していると感じ始めているエコノミストも少なくなく、私もそのうちの1人だったりします。アベノミクスに始まった円高是正に起因する素原材料や輸入品中心の物価上昇が、最終財の川下に波及しつつある姿が上のグラフからも読み取れます。しかし、企業物価はこのように順調に上昇率を高めていますが、どのくらい消費者物価まで波及するかというと、やや疑問に感じるエコノミストも少なくないと思います。消費者物価で測った日銀のインフレ目標2%の達成は、少なくとも2年後の時点では微妙かもしれません。

いうまでもなく、機械受注の増加や物価の上昇は歓迎すべき動向なんですが、忘れるべきでないのは、来年2014年4月からの消費税率引上げ前の駆込み需要が部分的ながらも含まれている可能性が強く、耐久消費財ほどではないせよ、投資財の駆込み需要と4月以降の反動も決して無視できない点は覚悟しておくべきです。

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