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アニメと広告の未来。「Xi AVANT」公開で、神山監督の舞台挨拶に行ってきた!

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2011年4月9日(土)、震災の影響で制作が遅れていた「Xi AVANT」(クロッシィ アバント)が、新宿バルト9にて「攻殻機動隊 S.A.C. SSS 3D」との同時上映作品として公開された。YouTubeでも見ることが出来るが、3D版は劇場のみ。なかなか飛び出ていましたよ。



ここまで作りこまれたアニメによるプロモーションは珍しい



このアニメは、NTTドコモが提供する次世代通信LTEサービス「Xi」のプロモーションの一環で作られたものだ。LTEとはLong Term Evolutionの略で、ざっくり言うと、これを採用するとより高速な通信が出来るようになる。海外ではすでに多くのオペレータがLTEの商用サービスを開始している。ソフトバンクもKDDIもいずれ採用しようとしているが、ドコモはそれに先駆けて、「FOMA」の次の通信規格として「Xi」という独自の名称を押し出し、既に2010年12月からサービスが開始されている。開発当初は「Super3G」という名称だったが、次世代感があるという点にはおいては「Xi」に名称変更して成功かもしれない。

さて、ドコモがこの「Xi」という新しいブランドを打ち出すのに「アニメ」を選んだのは、2年前にヒットした同じく神山監督の「東のエデン」がきっかけだろう。このアニメでは、「ノブレス携帯」という魔法のようなアイテムが重要な役割を果たしており、その突飛な機能とデザインが相まって、アニメだけではなくケータイ自体も話題になった。そうした背景を考えると、次世代技術をプロモーションするのにドコモと神山監督がタッグを組むのはとても自然な流れだ。



もしかしたら、先日博報堂が新しく立ち上げた、アニメーションの企画・制作ノウハウを生かしたクリエーティブ・プランニングを行う新会社「STEVEN’ STEVEN(スティーブンスティーブン)」に神山監督が参画しているのも、この流れなのだろうか。今回の舞台挨拶でこの会社についての話も聞けるかなと、淡い期待を抱いていたのだが、全く触れられなかった。それを伝える場ではないということなのだろう。もし別の機会があれば、今後具体的にどういった取り組みを考えているのかぜひ直接伺ってみたい。

アニメと広告の本格的なコラボレーションとしては、ここ数年のうちでは日清食品のカップヌードルの「FREEDOM-PROJECT」が印象に残っている。ただ、あれは商品のプロモーションという点ではプロダクトプレースメントに留まっている部分があった。今回の「Xi AVANT」は、作品そのものが「Xi」という次世代技術のブランドイメージの向上に直結することが意識されている。ここまでがっつりアニメ監督が関わるというのも珍しい。アニメの作品としての面白さを保ちつつ、いかに企業のマーケティング活動に絡めて行けるのか。今後の他業種でのプロモーション事例も期待したい。あと、もちろん「Xi AVANT」の続編も。

アニメは何を伝えられるのか



舞台挨拶では、「攻殻機動隊 S.A.C. SSS 3D」大ヒットの御礼と、「Xi AVANT」についての解説をされたあと、3月11日に起こった震災に対する支援活動についても触れられた。上映による収益やオフィシャルTシャツの収益を寄付に回すということ、また、いま上映を延期している東北地方でも、いずれ必ず上映させたい、と。

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写真:新宿バルト9に展示されていたタチコマ。中には入れません。

東日本大震災から1ヶ月が経つが、普段使っているネットを皆さんどう使われていただろうか。Google、Yahoo、Twitterなどを活用した人命救助や支援などがある一方で、デマの拡散や誹謗中傷に使っていしまった人も数多くいた。非常時こそ冷静に対処しなければ、便利な道具で人を傷つけてしまうこともある。それはたいてい道具のせいではない。

「攻殻機動隊 S.A.C. SSS 3D」では、主人公の草薙素子が公安9課(攻殻機動隊)から離れて2年後の日本が舞台となっている。テロリストを追ううちに、現実世界の日本がいまも直面しているような「少子化高齢化」、「高齢者の介護問題」、「政府の迷走とそれに対する国民の反感」などを背景にした、入り組んだ問題に直面する。そして、それとは対照的に、個人の内部では進化したネット世界(電脳空間)が膨大に広がっている。こうした社会問題への大胆なアプローチと、端々に出てくる進化した(しすぎた)IT技術が、攻殻機動隊という作品の大きな魅力となっていると思う。

また、「東のエデン」でも、ニート問題から国家戦略まで触れながら、進化したケータイがそれを解決に導く象徴として使われて行く。「ケータイを通じて、大人には見えない世界がそこにあって、若者が大人に見えない価値を“武装”している。そんな考えで物語を描きはじめました」と、神山監督は以前ITmediaの取材に対し語っている。

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