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- 2011年02月21日 07:43
成熟する日本で評価される歴史マンガ。これってガラパゴス?
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小雨の降る2月12日(土)、新国立美術館で開催されている文化庁メディア芸術祭に行ってきた。毎年この時期は雨が降っている気がする。そして寒い。客足も遠のいているのではないかと思ったが、参加費無料かつ3連休の中日ということもあって、多くの人でごった返していた。
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いくつか刺激を受けるものはあったが、今回のエントリでは「マンガ部門」について感想を述べたい。大賞を取ったのは岩明均さんの「ヒストリエ」。確かにいいマンガだ。みんな読んだ方がいい。作者を知らない人には、「寄生獣」を描いていた人だと言えば分かるだろうか。これも読んでない人は読んだ方がいい。
「寄生獣」は現代SFなのに対し、ヒストリエは「紀元前」を舞台とした歴史マンガで、全く異なる世界観だが、人間の奥深くをえぐり出すような描写は共通しており、どちらもそれぞれ凄味があるマンガである。現代に生きる人間も、過去に生きていた人間も、それぞれ人間同士で憎しみ合い、愛し合い、殺し合い、そして平等に死んでいくのだ。
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さて、ヒストリエが展示されている正面には、「マンガ部門」についての紹介と、審査委員を務めた永井豪さんの講評があった。以下に一部抜粋する。
永井さんの「マンガの主流であった荒唐無稽な作品が、ほぼなくなってきた」というのには、完全には同意しかねるが、最近の各雑誌の人気連載を見ていると、突拍子もないマンガがあまり無い(というか流行って無い)というのも事実なのかもしれない。まぁ、永井さん自体が荒唐無稽な路線の作家であるというのもこのコメントに起因しているのかもしれないが・・・いずれにしろ、今後ますます進む日本の高齢化社会で、年々成熟していくマンガ読者が作品の内容に及ぼす影響は大いにあるのだろう。
さて、日本では上記のような懸念(?)がある一方で、世界ではどうか。アメリカやフランスでも日本のマンガが売れているじゃないか、市場はそちらにもあると言う人も居るかもしれない。もしくはこれから若者が増える国など開拓の余地はあるかもしれない。しかし、それがどれほどの市場なのか。そして日本のマンガが競争優位に立てるのか。
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いくつか刺激を受けるものはあったが、今回のエントリでは「マンガ部門」について感想を述べたい。大賞を取ったのは岩明均さんの「ヒストリエ」。確かにいいマンガだ。みんな読んだ方がいい。作者を知らない人には、「寄生獣」を描いていた人だと言えば分かるだろうか。これも読んでない人は読んだ方がいい。
「寄生獣」は現代SFなのに対し、ヒストリエは「紀元前」を舞台とした歴史マンガで、全く異なる世界観だが、人間の奥深くをえぐり出すような描写は共通しており、どちらもそれぞれ凄味があるマンガである。現代に生きる人間も、過去に生きていた人間も、それぞれ人間同士で憎しみ合い、愛し合い、殺し合い、そして平等に死んでいくのだ。
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さて、ヒストリエが展示されている正面には、「マンガ部門」についての紹介と、審査委員を務めた永井豪さんの講評があった。以下に一部抜粋する。
歴史的検証と過去へのまなざし 永井 豪(主査/マンガ家)「今回、マンガ部門の最終審査に残った候補作の中で、審査員の票を集めたものには、歴史を扱った作品が多かった。(中略)かつて、マンガの主流であった荒唐無稽な作品が、ほぼなくなってきたことは寂しい気がするが、これも、マンガ文化の成熟ととらえるべきだろう。文化は社会と呼応する。高齢化社会になりつつある日本は、未来への希望や展望より、過去の歴史的意義の検証に、興味を移しているのかもしれない。」実は昨年の大賞「ヴィンランド・サガ」も、歴史ものだった。歴史をテーマにしたマンガは、その数もさることながら、質の良いものも多い。最近は「竜馬がゆく」や、「戦国BASARA」などの影響もあって、再び歴史マンガが盛り上がっているように思う。(昨年1月には歴史マンガだけを集めた「月刊コミック大河」なんてものも創刊された。売れているかどうかは知らないが)。
審査委員プロフィール : マンガ部門 | 平成22年度(第14回)文化庁メディア芸術祭
永井さんの「マンガの主流であった荒唐無稽な作品が、ほぼなくなってきた」というのには、完全には同意しかねるが、最近の各雑誌の人気連載を見ていると、突拍子もないマンガがあまり無い(というか流行って無い)というのも事実なのかもしれない。まぁ、永井さん自体が荒唐無稽な路線の作家であるというのもこのコメントに起因しているのかもしれないが・・・いずれにしろ、今後ますます進む日本の高齢化社会で、年々成熟していくマンガ読者が作品の内容に及ぼす影響は大いにあるのだろう。
世界でマンガは売れるのか
さて、日本では上記のような懸念(?)がある一方で、世界ではどうか。アメリカやフランスでも日本のマンガが売れているじゃないか、市場はそちらにもあると言う人も居るかもしれない。もしくはこれから若者が増える国など開拓の余地はあるかもしれない。しかし、それがどれほどの市場なのか。そして日本のマンガが競争優位に立てるのか。
- 山岡大介 / ITmedia オルタナティブ・ブログ
- アイティメディア社員。広告営業が専門。



