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- 2013年12月08日 21:00
猪瀬都知事5000万円「裏金」受領問題(その2):裏献金
1/2はじめに
猪瀬直樹東京都知事が5000万円を「裏金」として受領していた問題について、ブログでの連載を始めました。「その1」では、条例違反について、書きました。
これは、問題の5000万円が「借入金」だと仮定した場合でも、条例違反の問題があることを指摘したものでした。
しかし、5000万円は「借入金」ではなく、少なくとも「裏献金」だったのではないでしょうか。
以下では、「その2」として、これについては書きます。
1.朝日新聞スクープ報道直後は「選挙運動資金」として認める!
(1)猪瀬都知事が5000万円を「裏金」として受領していたことをスクープ報道した朝日新聞の記事は、「その1」で紹介しました。その時点では、猪瀬知事は5000万円の受領を全面否定していました。
しかし、その報道直後の午後1時ごろの囲み取材の時点で、猪瀬知事は、説明を転じて5000万円の受領を認めると同時に、それが選挙運動のための資金であることを認めました。
ただし、借入金だとして。
毎日新聞 11月22日(金)11時51分配信
<徳洲会>猪瀬氏側に知事選前に5000万円 捜査後に返却
◇猪瀬氏「応援の資金提供。個人として借用した」
公職選挙法違反容疑で幹部らが逮捕された医療法人「徳洲会」グループ側が昨年12月の東京都知事選前、猪瀬直樹知事(67)側に5000万円を提供していたことが関係者への取材で分かった。今年9月にグループが東京地検特捜部の強制捜査を受けた後、猪瀬氏側から全額返却されたという。
22日午後1時過ぎに都庁に入った猪瀬氏は報道陣に「徳田氏から資金提供を受け、応援してもらうことになった。個人として借用した。意外とお金がかからず、自分の預金の範囲で選挙運動ができた」と語った。
関係者によると、猪瀬氏は昨年11月上旬、知人とともに神奈川県鎌倉市の病院を訪れ、入院中の徳田虎雄・前徳洲会理事長(75)に対し、都知事選に立候補する考えを伝えた。前理事長は全身の運動神経が衰える筋萎縮性側索硬化症(ALS)で声を発することができず、秘書役を通じて支援を表明。その後、徳洲会から猪瀬氏側に、5000万円が提供されたという。
猪瀬氏は昨年11月21日に記者会見し、都知事選(12月16日投開票)への立候補を表明。史上最多の約434万票を得て初当選した。
一方、特捜部は今年9月17日、前理事長の次男の徳田毅(たけし)衆院議員(42)=鹿児島2区=の陣営が昨年12月の衆院選で運動員を買収した疑いがあるとして徳洲会グループの強制捜査に着手。その後、猪瀬氏の秘書が前理事長の妻に全額を返したという。前理事長の関係者は「猪瀬氏側に貸した金」と話している。
猪瀬氏が都選管に提出した知事選の運動費用収支報告書によると、3050万円の収入のうち3000万円は自己資金を充てたとしている。また、猪瀬氏の資金管理団体は、知事選までに2181万円余の寄付を集めたが、2000万円以上が使われずに翌年に繰り越され、徳洲会関係の寄付の記載はなかった。
2.選挙運動資金ではなく「個人的な借入金」だと説明するが・・・
ところが、当日の午後3時ごろの記者会見で、猪瀬知事は、5000万円が選挙運動のための資金だったことを否認し始め、あくまでも「個人的な借入金」と、説明を更に転換させます。時事通信(2013/11/22-19:51)(2)しかし、今年1月、猪瀬知事から徳田虎雄氏の妻には5000万円返還の話はなかったし、借用書もなかったようで、猪瀬知事の説明と食い違いが生じています。
猪瀬都知事の一問一答=「徳洲会」資金提供
東京都の猪瀬直樹知事による記者会見の主なやりとりは次の通り。
-五輪招致が決まった中で、こういう問題が起きたが。
政治家としての意識が少し弱かった。(資金を)借りるべきではなかった。
-収支報告書に借入金を記載しなかった理由は。
選挙資金ではなく、個人の借り入れだ。1月に、返済すると徳洲会に伝えた。その後、返済するチャンスがなく、妻の病気などもあり、五輪招致が終わったので返済することになった。
-誰から資金を渡されたか。
徳田毅衆院議員だ。
-どこで。
(国会)議員会館だったかもしれない。
-選挙に使う資金ではなかったのか。
基本的には自分の預金で選挙活動をするのが前提。(借入金を)全く使うつもりはなかった。だから選挙の責任者には一切話さなかった。
-なぜ借りたのか。
直接、選挙に関わるかどうかはともかく、個人の借り入れを持っていることで少し安心するということはあったかもしれない。
-身を処す考えは。
大変申し訳ないと思っている。今後はそういうことがないようにしたい。
-都民へは。
返済がやや遅れたことは大変申し訳ない。いかなる政治団体や利益団体と特別な関係を持つ気持ちはない。皆さんにご心配、ご迷惑をお掛けしたことをおわびする。
朝日新聞2013年11月24日21時01分
虎雄氏の妻「返金話なかった」 猪瀬知事説明と食い違い
東京都の猪瀬直樹知事(67)が、医療法人「徳洲会」グループから5千万円を受け取っていた問題で、徳田虎雄前理事長(75)の妻(75)が、9月に返却を受けるまで「猪瀬氏側から資金を返す話は、一切なかった」と周辺に証言していることがわかった。今年初めに返却の意思を伝えた、とする猪瀬氏の主張と食い違うことになる。
猪瀬氏の説明などによると、5千万円は昨年11月中旬、東京都千代田区の議員会館で虎雄前理事長の次男・毅(たけし)衆院議員から直接、現金で受領。徳洲会が昨年の衆院選をめぐる公職選挙法違反容疑で、東京地検特捜部の強制捜査を受けた後の今年9月、秘書から前理事長の妻に返却した。
猪瀬氏は22日の記者会見で「1月から2月に徳洲会側に『返す』と伝えた。しかし、徳洲会側の事情でできなかった」と説明した。しかし妻は「そうした話は一切ない」と否定。さらに「借入時に借用書を書いて渡した」とする猪瀬氏の説明に対しても「借用書は見たことがない。返却を受ける際にも『持ってきてほしい』と言われていない」と話しているという。
妻の周辺関係者は「前理事長が貸すと決めたお金で返却の打診があったのなら、妻が知らないのは不自然だ」と指摘している。
2013/11/22 23:34 【共同通信】
徳田毅氏の母「借用書知らぬ」 猪瀬知事の説明と食い違いか
東京都の猪瀬直樹知事が、徳洲会グループから5千万円を受け取った際に書いたとしている借用書について、知事側から現金を返された徳田毅衆院議員の母親が「知らない」とグループ内で説明していることが22日、関係者への取材で分かった。
知事は記者会見で「借用書は返してもらったと聞いている」と話したが、返金と同時に借用書が返還されないのは不自然で、知事と徳洲会側で資金提供の経緯について見解が食い違っている可能性がある。



