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DARPA、ソーシャルメディアの監視研究を開始

災害とソーシャルメディア画像を見る』の中で、2010年に起きたハイチ地震の際、米国の国土安全保障省(U.S.Department of Homeland Security、DHS)がソーシャルメディア監視プログラムを実施していたことについて触れているのですが、それ以外にも米国の公的機関は様々な形でソーシャルメディアの活用を進めています。そしてお馴染みの国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency、DARPA)が、新たなソーシャルメディア研究をスタートさせようとしているとのこと: ■ Pentagon Seeks a Few Good Social Networkers (New York Times) "Social Media in Strategic Communication (SMISC)"というプログラムについて。予算は4,200万ドルで、現在研究の受託者を募集中です。平たく言えば、研究の目的はソーシャルメディアを監視し、さらにその中で交わされるコミュニケーションに対して影響力を行使する技術を開発すること。具体的な目標として、以下の4つが掲げられています:
  1. Detect, classify, measure and track the (a) formation, development and spread of ideas
    and concepts (memes), and (b) purposeful or deceptive messaging and misinformation.
    (a) 何らかのアイデアや概念(ミーム)が形成・発達・拡散して行く過程、および (b) 何らかの意図を持ったメッセージ、あるいは意図的な誤報について、感知・分類・計測・追跡を行う。
  2. Recognize persuasion campaign structures and influence operations across social media
    sites and communities.
    ソーシャルメディアサイトやコミュニティ上で行われている啓蒙工作の構造を把握し、それに対して影響力を行使する。
  3. Identify participants and intent, and measure effects of persuasion campaigns.
    啓蒙活動の参加者およびその意図を把握し、どの程度の影響力を持つかを明らかにする。
  4. Counter messaging of detected adversary influence operations.
    敵側による工作が明らかになった場合、対抗するメッセージを発信する。
今年初頭にチュニジア・エジプトで革命が起き、そこにソーシャルメディアが深く関与していたと考えられているわけですが、そのようなソーシャルメディア上での社会変革運動をいち早く捕捉し、それがどの程度の影響力を持つのか(あるいは体制側の策略など虚偽の運動という可能性はないか)を判断、場合によっては対抗処置を実行できる技術を開発するのがプログラムの目的であると。どの程度の精度を持つ技術が完成するかにもよりますが、SF世界の情報戦のような状況が生まれつつあるようです。 そんなの遠い未来の話、と思われるかもしれませんが、企業レベルでは「ソーシャルメディア上で自社に好意的な意見をどのように拡散して行くか」という研究が既に始まっています。さらに北アフリカや中東の政治的動乱においては、体制側がソーシャルメディア上で対抗措置を取る動き(ID/パスワードの不正入手や偽アカウントの作成など)が実際に見られました。いま自分が乗ろうとしているソーシャルメディア上のムーブメントが、本当に多くの人々が望んでいるものなのか、あるいは意図的につくり出されたものなのか――ユーザーにとっては、賢い行動がより求められる時代になることは間違いありません。

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