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仕事をせず他人との交流もない… 「スネップ」の何が悪いのか?

「スネップ」と呼ばれる層が、新たな問題として認知され始めている。「ニート」という言葉を提唱した東京大学社会科学研究所の玄田有史教授が提唱する概念だ。

玄田教授の著書『孤立無業(SNEP)』(日本経済新聞出版社)によれば、スネップとは「20歳以上59歳以下の在学中を除く未婚無業のうち、ふだんずっと一人か、一緒にいる人が家族以外にはいない人々」と定義される。

孤立は「気づき」を奪うという指摘

ニートとは15~34歳の非労働力人口のうち、通学、家事を行っておらず、かつ求職活動をしていない人のことで、「仕事を探していない」ことが決め手となる。

これに対し、スネップかどうかは「友人・知人との交流の有無」で決まり、ニートかつスネップという人もありうる。また、外出を拒む「引きこもり」では必ずしもない。

本書によれば、スネップとされる層は1996年以降で増加傾向にあり、2011年時点で162万人にも達する。

統計データからは、男性のほうがスネップになりやすく、2000年代以降は20歳~34歳の若年層が急増しており、いまや若年層がスネップの約半数を占めている。さらに要介護者のいる世帯ほどスネップになりやすい傾向があるという。

ただしこうした傾向はあくまでも「なりやすい」というレベルで、病気の有無や収入、居住地、学歴などに関係なく「どのような人でも無業者になった場合、孤立しやすくなっている」と玄田教授は述べている。

このようなスネップの考え方に関しては、「一緒にいる人が家族以外にいないことが、なぜ問題になりうるのか?」いった疑問もある。これに対し、玄田教授が指摘しているのは「孤立は『気づき』を奪う」という問題点だ。

58.4%は「ネットによる情報収集もしない」

例えば、就職や転職の際に、友人や知人から励ましを受けたり、新しい情報や違う視点からのアドバイスをもらったりする人もいるはずだ。

家族ではない第三者的視点を持つ他者とのつながりが、より広い社会参加の架け橋になる可能性があるが、スネップはこうした機会が得にくい。また、本書によればスネップの58.4%はインターネットによる情報収集を行っていないという。

1人で自分の適職や志望動機を考えることも可能だが、「考えすぎてしまって『自分には働くことは無理だ』と思いこみ、就職を断念することすらあるかもしれません」と玄田教授は指摘する。

もしかすると、ネットの情報だけに振り回されて、現実にかかわることを過剰に恐れてしまっている人もいるかもしれない。

実際、スネップのうち、最後の仕事を辞めてから3年以上経つ人は4割以上に上っている。正社員・非正社員を問わず、これまでに一切仕事をしたことがない人も20.8%と5人に1人の割合だ。

「気づき」が得られず、働くきっかけをつかめないまま自力での生活が困難になる。そうしてスネップが増え続ければ、将来的には生活保護費の増大といった社会問題も引き起こしかねない。

本書ではスネップ対策として、ボランティア活動などを通じた他者との連携、自立支援機関などの利用を提言している。

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