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中国の防空識別圏:問題はADIZを設定したことではない

中国の防空識別圏(ADIZ)問題が引き続きニュースを賑わせていますね。中国のADIZに入った日米の軍用機計12機を識別・確認し、中国空軍がSu-30MKK、J-11などをスクランブルさせたとか、させてないとかといった報道もあります。

昨日あたりから中国当局もさすがに少しずつトーンダウンし始め、各国のADIZの解釈に近い所に落ち着き始めていますね(Kinbricks Now)。初めは日本だけを脅すつもりであったのが、まさかここまで米国などが敏感に反応すると想定していなかったんじゃないかと思われる節があります。日本だけを相手にするなら、国際的な基準に則ったADIZ運用でなくとも押し切れますからね。ADIZ設定に伴って発表された「中華人民共和国東シナ海防空識別圏航空機識別規則公告」の第1、第3条は、日本を意識し過ぎたのかもしれません。

もちろん、それだけが理由ではなく、中国のADIZそのものに対する解釈がやはり他国と異なっていたという背景があるのも事実だと思います。25日の新華社に、中国のADIZに対する誤解というか一般的な解釈との差を感じる記事があります。

Commentary: U.S, Japan's logic on air zone ridiculous(2013/11/25 新華社)

この記事において、「米国は1950年に、日本は1968年にADIZを設置し、その後20カ国がこれにならう形で続いているのに、なぜ中国だけがADIZの設定を咎められなければならないのか」と憤慨しています。その上で、「日米はダブルスタンダードを追及している(“both Washington and Tokyo are pursuing double standards”)」と、強く非難しています。

新華社の記事を読むと、やはりADIZを設定したこと自体が問題にされていると考えていたみたいですね。

でも、違うんです。問題は、自国防空のための「識別圏」であるはずのADIZを、さも領空であるかのように強制力を他国に行使しようという点なんです。

ADIZで他国の航空機に強制力を執行するという考え方は、海でも見られます。排他的経済水域(EEZ)をあたかも領海の如く扱い、他国の船のアクセスを阻害することを当然と考えています。過去記事でも言及しましたが、チャイナ・スタンダードを他国に押し付け、結果として「航行の自由」を侵害する限りにおいて、中国は世界秩序に挑戦する国家だと非難されても仕方ありません。

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