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特定秘密保護法案の衆議院での強行採決について

去る26日、委員会で、特定秘密保護法案の強行採決が行われました。審議入りから、わずか20日、審議では担当の森大臣の答弁の迷走や与党席の空席も目立ちました。世論調査で国民の8割が反対や慎重審議を求める中、また、前日の被災地での地方公聴会での廃案や慎重審議を求める税委員一致の声を無視した採決は、数の暴挙であり、民主主義の終わりの始まりです。

 しかも、首相がいる場で強行採決する姿を国民に見せないため、首相を先に退席させ、強行採決の前にNHKの国会中継を打ち切るという用意周到さには唖然としました。

 衆議院での審議では、みんなの党や維新の会の腰砕けぶりも目立ちました。両党との修正合意の内容は、問題となっている法案の核心部分を何も変えていません。みんなの党の首相が第三者機関の役割を果たすという修正は、意味不明です。また、維新の修正では、第三者機関の設置は確約されず、秘密指定の最長期間を60年としたことは後退ともとれます。

 両党は修正案を共同提出しながら、みんなの党では、本会議採決で3名が造反をし、維新は、委員会、本会議とも欠席という国民にとって分かり難い行動をとりました。

 みんなの党や維新は、所詮、与党補完勢力に過ぎず、巨大与党に対して、チェックやブレーキをかける存在ではないことがはっきりとしたと思います。

 私たちは、秘密保護法制自体は必要だと思います。一方で、現在の4党修正案のままでは、国民の知る権利を守ることができないと思っています。私たちが考える問題点は主に次の5点です。

①指定される秘密の基準や範囲は依然として広範であいまいであること。②秘密の指定や解除の基準等を検証し観察する新たな第三者機関の検討が付則に書き込まれたが、いつまでにどのように検討するのか、本当に設置されるのかの保証もないこと。③秘密指定は5年ごとに延長が可能で、30年超でも内閣の承認でさらに延長することができ、60年超の「例外」についても拡大解釈が可能なため、秘密指定が永遠に解除されないまま、後世の検証に付すこともできないこと。④国会の関与について、依然として最終的に行政の裁量に委ねられる余地を残していること。⑤厳しい罰則を残し、情報漏洩の唆しや未遂の場合でも処罰されるおそれがあるため、取材や報道が萎縮したり、公務員側が厳罰を恐れて情報提供しなくなる可能性があることです。

 一方で、民主党の対案は「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」の考え方を踏まえたもので、①秘密の範囲を現行制度で足りない情報に限定、②国会の指名する委員からなる独立行政委員会である情報適正管理委員会を設置して政府が秘密を適正に管理するよう監視、③国会が行政情報の提供を求めるために取るべき措置を国会法に明記、最終的な判断を行政裁量ではなく国会の自律権に委ねる、④秘密の取り扱い者への罰則を懲役5年以下とし、処罰の範囲も現行の国家公務員法の規定の範囲内として国民の知る権利と報道の自由に最大限配慮しているという内容です。

 国民は、安倍政権の経済対策、アベノミクスには期待していると思います。しかし、NSC法案や特定秘密保護法案、集団的自衛権の見直し等をやって欲しいと頼んだ憶えはないはずです。

 伊吹衆院議長が特定秘密保護法案について、こんな欠陥だらけの法案は、昔なら自民党の部会でつぶされていただろうと述べたと報じられています。自民党内のリベラル勢力は衰退し、若かりし頃、スパイ防止法案に反対を唱えた谷垣法相も今回は黙認の姿勢です。公明党を含め与党内から反対の声や慎重な意見が出ないのが不思議なくらいです。

 やっと、国民のあいだに特定秘密保護法案の問題点について理解が深まってきたばかりです。私は、何が何でも廃案というつもりはありません。しかし、拙速に決めることは将来に必ず禍根を残します。時間をかけて、よりよいものにするために今国会での成立はあきらめるべきです。

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