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特定秘密保護法案に反対する学者の会記者会見全文

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特定秘密法に反対する学者の会が12月28日13:00から学士会館で開かれました。
集英社の伊藤直樹くんが音声を記録して文字起こしまでしてくれましたものに佐藤学先生が朱を入れてくれた「決定版」が送られてきましたので、改めてご紹介します。
引用などされる場合はこちらの「決定版」からされるようにお願いします。

お手間をかけた伊藤くんとスタッフのみなさんに改めて感謝致します。では、どうぞ。

2013年11月28日特定秘密法に反対する学者の会

佐藤学 :  お忙しい真っ最中だと思いますが、今日はこのように多数、お集まり頂き、ありがとうございました。最初に、ここに並んだ者の自己紹介をさせて頂きたいと思います。私、本日の司会役を務めます学習院大学の佐藤学です。専門は教育学です。

栗林彬 :  栗林彬です。政治社会学をやっています。

廣渡清吾:  法律学をやっています,廣渡清吾です。専修大学の法学部です。

杉田敦:   政治学をやっています,法政大学の杉田です。

久保亨:    歴史学をやっています,信州大学の久保と申します。よろしくお願いします。

佐藤学:    早速ですが、今回の特定秘密保護法案に反対する学者の会の声明を発表いたします。この経緯でございますが、特定機密保護法案に関しては学会関係でも個々の学会、政治学 歴史学、法学関連の学会、多くの学会がこれまでもアピール出していますけれども、今回の会はそういう学際領域を超えた広い領域の呼びかけになっていまして、ややスタートは遅れたんですけれども、事態を鑑み緊急に領域を超えた多くの学者達の声を国会に反映させたいということで組織されました。この会は、1枚目、2枚目をご覧頂ければわかりますように31名の会でございます。この31名、代表はいないのかと問われるんですが、代表はいなくて連名でとりくんでいます。当初、発起人を作りまして、6名でしょうか。そこからの呼びかけはしましたが、31名の連名の会として発足致しました。これで今日の記者会見を準備していたのですが、実はですね。もう1つ、お手元に資料をお配りしました。この資料は、この31名の1名の方が、ブログで一昨日、こういうものに同意したよ、と文面も添えて書いたところ、私も加わりたいということで多くの方々の申し込みが入ってきまして、わずか1日で304名も申し込みがあった。そういう方々から、是非この記者会見の際に、自分達の賛同の声も伝えて欲しいと申されたものです。これこそまさに想定外で、本日はともかくこの31名だけで記者会見と思っていた所、それだけ大きな反響があります。実は、私のもとにも今朝からずっとメールが届いている状況で、このような動きがあることを含めて今日ご報告したいと考えているしだいです。本日午前10時の賛同者数は304名、名前は記載の通りです。
法案は26日に衆議院で強行採決が行われた訳ですが、参議院で慎重審議ならびに良識ある国会運営を求めて緊急に声明を発表をさせて頂きたいと思います。
本日のすすめかたですけれども、私の方から声明文と連名の方々を発表し、今後の予定の概要をご説明したあと、ここに列席しています5名の方々に一言ずつ、この声明に加わったお気持ち並びにご意見などを伺ったあとで、質疑応答に答えていきたいというふうに考えています。それで、よろしいでしょうか。はい。それでは、お手元の声明文を読み上げます。

(声明文読み上げ)

         名前については読み上げることを省略させて頂きたいと思います。以上31名の連名でございます。なお、今日記者会見を終えたあとですけれども、先ほど申し上げましたように、たった1日で、しかもお一人の連名の方ブログで見ただけということで、304名の声が寄せられるという状況がございます。これから12月3日にかけて、お配りしたこちらのブログの方で受け付けを開始し、その声をもう一度集約した上で、第二次発表の記者会見を行うことを予定しております。なお、今日の声明文に関してはすべての参議院議員と関係の方々に配布する予定です。だいたい私の方の説明は以上ですけれども、よろしいでしょうか。それでは、まず、栗林先生。こちらからお願いします。一言ずつ賛同に至ったご意見をお伺いしたいと思います。

栗林彬:    政治学の視点で、この問題を考えてみたんですけど、それはね。新しい3本の矢ですね。つまり1つは、経済統制。例えば原発の推進と電力の独占とか、それから大企業優先だとか、それから経済成長、大企業優先。そういう風なことですね。それで弱者の切り捨てっていうのが、それはもう経済のレベルで進んでいる。それから軍事統制の側面があります。それから自衛隊の軍隊かとか集団的自衛権とか、武器輸出三原則の緩和とか、一連の軍事統制ですよね。それから最後に情報統制です。これは教科書の検閲、じゃなかった、検定の基準の変更ですよね。政府見解を教科書がとり入れないと、それを教科書として公的に認めないというね。そんな所から、教育委員会を行政のもとに置く所とか、それから、かなり露骨な、NHKの民意の人事への介入とかですね。こういうのも広い意味での情報統制ですけれども。こうした新しい三本の矢の要になるのがこの特定機密保護法案何ですね。これは、この三本の矢を束ねるもの凄く重要な法案だと思っています。それでナチスドイツが政権を取った1933年に、ヒトラーが首相になる訳ですけど、その時に全権委任法という、1933年の3月23日にですね、全権委任法を通すんですよね。それで、全ての情報と経済とそれから政治をクークで統制して、そこで、例えば教科書の検定なんかにあたるような焚書事件が実際にあった訳ですし、それから新しい政党禁止、労働組合も禁止、そういうふうなことも出ていく訳ですよね。その時の、要だったのかな、全権委任法は。この全権委任法はやっぱりまさに、機密保護法なんですよね。つまりこれはなんでもできる訳です。だからね、僕はこれは反対せざるを得ないんです。修正なんてもんじゃないんです。やっぱり廃案にする以外にないというふうに思います。これは、こういう問題が強行採決されたのは、安保の事例で1960年ですけれども、それに次ぐ大きな出来事だと思いますね。ただ、60年と違うのは、野党が翼賛化しているという事ですね。非常に大きな違いです。ですから市民サイドとしては、市民サイドが頑張ってやるしかないと思います。メディアも協力して欲しいし、本当に市民サイドに立った闘いというのが行われるべきだと思う。しかも衆院を法案が通っちゃったわけですけれども、だけど、これでお終いじゃないと思うんですね。この闘いというのが、事前闘争から始まっているんだけれども、この事前の闘争がちょっと市民サイドが立ち遅れているんだという認識ありますね。それからまさに今やっているのが、渦中闘争ですけれども、これが仮に法案が全部通っちゃっても、事後闘争という形になります。つまり、事前闘争、渦中闘争、事後闘争、全てを戦い抜く形で、そういう形で、市民サイドは頑張らないといけないなと思います。これは反原発の運動と問題は重なっているということが言えると思います。

廣渡清吾:  私は法律学の分野なので、多少法案について話したいと思うんですけれども、これは全体として、日本国憲法のもとでの統治機構としてのバランスを全く変えてしまうという決定的な法案じゃないかなと思いますね。今から議論をするうちにわかるんですけれども、行政機関の長が、一応時効は掲げられていますけれども、不特定な対象の事項について機密と特定する。そうするとその秘密を漏らしたり、その秘密を得ようとしたりすることが罰せられる。いいですか。どれが特定秘密かわからない訳です。どれが特定秘密かわからない。それをチェックするシステムは全くないですよね、そして行政機関の長です。省の大臣が自分でできる。内閣総理大臣がチェック役を果たすなんて言ってますけども、もともとおかしいですよね。内閣総理大臣が任命した大臣について、わざわざここでチェック役を果たす。もともとチェック役を果たすのが、ですね。そういうのが全然見えないなって。それで、修正案も含めて個別に言いますと、皆さんこれでいおかしいなっていう所があるんですけど、いいですか。有効期間を5年と定めるとなっていますよね。更新ができて、最初は議案は30年、30年を超える時には内閣の決定がいるというふうにしました。修正で60年までとして、ただし、60年を超えても7つの事項については、例外的に60年を超えても特定機密として存続させることができる、としましたね。だけど皆さん、よくご覧になると、1,2,3,4,5,6,7番目は、1~6までは一応時効は書かれているんですけど、7番目はそういう時効に関する情報に準ずるもので、政令で定める重要な情報としている。これは特定機密を60年を超えても政令で定めることが定めることができる、ということは、政令で犯罪を造る事ができるということですよね。これは憲法31条に明確に違反していると言えるんですけれども、これが修正で入った。そしてこの修正で行った。これはどういうふうに考えていいかわからないんですけど、誰も言っていませんが。有効期間5年で定められた特定機密、特定された秘密を漏らした場合に、10年以下の懲役ですよ。どういう事が起こるかっていうと、秘密によっては5年で、これは秘密でも何でもなくなるっていう事は起こりうるでしょう。そういう秘密を漏らしたということで10年の懲役ですよ。おかしいと思いませんか。その秘密が可にされても、この人はどうなるんですか。そういう事はどうなるんだっていう疑問を起こさせるような法律ですよね。それからもっというと、2001年に自衛隊法が改正されて、防衛機密という規定を置きました。一般に、自衛隊法は公務員と同じように、守秘義務は1年以下の懲役となっていますけれども、それに加えた。これは5年以下の懲役です。今回は、その防衛機密として自衛隊法が変えた時効を、それをそのまま、この特定機密法案に載せています。そして10年です。2001年から現在までの間に、いわゆる防衛秘密といわれるものを保護する、その必要性が、懲役5年からどうして10年で、10年に上がるんですか。その間、どういう変化があったんですか。こういうことを何も説明されていませんよね。もし5年から10年に上げるとすると、5年だと、どんどんどんどん秘密が漏れた。防衛秘密が漏れた。だから防衛秘密が維持できない。これだったらわかりますよ。だけどそんなことは何もないんです。だからこれは明らかに、実際に必要のあることに対応しようとするのではなくて、政府が何か新しい国家を創ろうとしているふうにしか考えられない。それが生命がいっている秘密国家であり、軍事国家だというふうに思いますね。というふうにいっぱい提案の負の方の問題があって、国民の観点からいくともちろん、知る権利を守るためにもこの法案をつぶすのです。普通に考えると非常にバランスの悪い、日本国憲法の法体系の中では非常にバランスの悪い訳ですけれども。自衛隊法で敵前闘争でも7年の刑です。今回、防衛秘密を5年から10年にして、その保護の範囲を外交秘密、テロ方針、それから、もう一つ、テロリズム。ここまで広げた。これは、法律学者のいうところの立法事項を変えている。なぜこういう法律を作ることが、国民の権利を守ることに繋がるんだ。全然ダメです、と。安倍さんが、この提案は、国民の安全を守るためだと言いましたけれども、国民は自分たちの安全が何であるかを自分たちの目で見て、自分たちの頭で考える。それが知る権利です。知る権利を蔑ろにして国民の安全を守る事なんて絶対にできません。安倍さんは詭弁(きべん)です。

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