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ソーシャルメディアにおける「友達」とは何か

Facebook上で友達登録を解除するのは失礼な行為なのか。既に様々な議論が行われていますし、極論すれば「ツールの使い方は人それぞれ」なのですが、少しだけコメントしてみたいと思います。

ソーシャルメディアの目的の1つは、ユーザー間の関係が「友達」という言葉で表されていることに象徴されるように、交友関係を維持することです。特に日本のSNS文化に大きな影響を与えているMixiにおいて、この性格が濃いと言えるでしょう。そのような目的を持つソーシャルメディアの場合、「友達」登録を解除するという行為は、ある意味で絶縁と捉えられてしまっても仕方が無いと思います(※だから友達を解除するなという意味ではなく、あくまでも相手に与える印象の話)。

しかし最近のソーシャルメディアでは、「ソーシャル」よりも「メディア」の部分、つまり情報を受信・発信するという性格が色濃くなっています。その好例がTwitterでしょう。企業アカウントを相互にフォローしているからといって、その企業に親しみを感じたとしても、「友達」だと思っている人は少ないはずです。フォローした理由は相手の発信する情報が欲しいからであり、その情報の必要性が無くなった時にフォローをやめたからといって、「絶縁」などということにはならないでしょう。そもそも絶つべき縁が無いのですから。

そう考えると、一部のソーシャルメディアにおいては、「友達」登録は雑誌の定期購読をすることに近いかもしれません。必要な時だけ購読という関係を結び、いらなくなれば解除する。問題はそのような関係に、「友達」という言葉が使われてしまっていること、あるいはそれに近い言葉が使われていなくても、過去のSNSを通じて構築されたイメージが残ってしまっていることではないでしょうか。

特にFacebookの場合、もともとMixi的な親しい友人間でのコミュニケーションツールという色彩だったものが、マスメディア的な情報入手ツールという性格を帯びるようになってきたように感じています。最近の一連の動き、例えばFacebookページを「人格」として使えるようになったこと、従って「私人」としての自分と「公人」としての自分を切り分けられるようになったこと、あるいはジャーナリストへの働きかけを強める姿勢を見せていることなどは、彼ら自身がFacebookには2つの側面があり、その二兎を追う考えを持っていることを示しているのではないでしょうか。

Facebookの部分は余談に過ぎませんが、ともあれ「友達」という関係に潜む2つの機能が、論争を招いてしまっている一因ではないかと思います。それを解除することで消えるものが何なのかを理解した上でないと、議論がかみ合わないままになってしまうでしょう。あるいはFacebookもTwitterのように「友達」ではなく「フォロー」などのような表現をしてくれると良いのですが……。

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小林 啓倫

毎日コミュニケーションズ 2010-12-25

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