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F-2戦闘機の調達削減は石破氏のせいか

 F-2戦闘機の調達削減は当時防衛庁長官だった石破氏の鶴の一声で決まった。
 そのように信じている人たちが多いようです。が、それはありえない話です。
 
 それは床屋談義やTV前の野球評論並の見識です。

 「たかが防衛庁長官」が反対したくらいで戦闘機の調達削減なんぞできません。
 大臣にはそんな力はありません。

 官僚組織と防衛産業の力は極めて強大です。特にそのころまで、防衛庁長官なんぞは、大臣製造ポストと見られており半年で首がすげ替わっておりました。言うまでもありませんが、大蔵や外務あたりの大臣などと較べてかなり「軽いポスト」と認識されていました。
 防衛庁長官(大臣)が官僚組織を向こうに回して、独断の決断を下すなんてまずできません。

 実際海自の哨戒機P-1の開発は石破氏が強行に反対したにもかかわらず、寄ってたかって攻められて、開発することになりました。
 当時石破氏は自分が反対したことは記録にとどめておけと主張しました。
 この話は結構記事になっており、有名な話です(多分、石破氏は「デスノート」に当時のP-1推進派の名前を書いていると思うぞ)。

 しかも海幕はP-3Cの期待寿命をかなり短く「捏造」して寿命がもうありません、と主張していました。ですが、大臣にはそれを検証する手段がありません。入っていくる情報は防衛省の官僚か制服組ばかりで、彼らは自分たちに不利な情報を政治家に上げません。

 ですから石破氏がNBC装甲車も新型が完成するまでつなぎを海外から導入することをも道路法の規制でダメだと説明され、石破氏は諦めました。ですがぼくが国交省に取材した結果は特例扱いで可能ということでした。当然防衛官僚はそんなことは百もご存知です。
 嘘は付いていないけど事実も報告しない、というのは役人の常套手段です。
 
 ですから、その情報を大臣には上げなかったわけです。輸入されると困る大人の事情があったのでしょう。近年このことをぼくは石破氏にお会いした時に申し上げたのですが、その時石破氏は憮然とした顔をしておりました(この担当者の名前もきっとデスノートに書かれているぞ)。
 
 F-2の調達削減は空幕もあれこれ問題があることを認識していた、そのように考えるべきです。実際数年前までレーダーも不具合が合ったぐらいです(MHIは直ったといっていますが、直っていないという情報もあります)。
 またF-2の維持費はF-15Jよりもかなり高いという問題もあります。

 F-2削減では石破氏と空幕の意見が一致した、というところでしょう。

 情報を評価するときに、思い込みや願望、その事象だけをミクロの視点で見ていると見誤ります。いわゆる木を見て森を見ないというやつです。フレームを引いてみると、事実が見えてきます。

 因みに調達削減前まで、空幕広報はF-2には問題があります、早く直したいといっていたのに、削減が決まった途端、F-2に問題なんぞありません。不具合の報道?そんなものは全部インチキです!!!と露骨に態度が変わりました。
 
 恐らく「石破犯人説」の人たちは、F-2は傑作機である。空自は常に正しい。だから石破が勝手に決めたのだ、と決めつけているのでしょう。
 こういう思考ルーチンを持っている人たちは真実にたどり着けません。床屋談義は所詮床屋談義です。

 ですからいつも申し上げているように、希望や願望を核にして論を建てるのは極めて危険、ということです。

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