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P2P金融で大損をすると警告するポール・ソロモン氏

 NYダウが5日連続で最高値を更新しています。株価は、今や1万6097ドル33セントにまで上昇しているのです。

 流石にここまで来ると、バブルではないかという声が大きくなっています。

 先日、イエレンFRB副議長が議会証言に立った時も、誰かが彼女に、株価はバブルではないかと質問していました。

 彼女はそれに対して、そんなことはないと返答したのですが、そういうことが質問されること自体、既に多くの人が、バブルではないかと感じている証拠なのです。

 では、何故株価は上がるのか?

 それは、QE3という量的緩和策を米連銀が採用し続けているからなのです。分かり易く言えば、毎月850億ドルのペース、つまり毎月約8兆5千億円分の長期国債や住宅ローン担保証券を米連銀が市場から買い入れ‥つまり毎月8兆5千億円もの資金を市場に投入しているということなのです。

 毎月8兆5千億円だと、1年間で102兆円もの規模になります。

 では、何故米連銀は、そのような途方もない規模の資金供給を行っているのか?

 株価を上げることが目的なのか?

 いいえ、そうではありません。少なくても表面的にはそうではなくて、実体経済を支援するためのものなのです。つまり、景気を良くして、失業率を少しでも下げたいと思えばこそそのような非伝統的政策、もっと言えば禁じ手にまで手を出しているのです。

 では、そのQE3は、所期の目的を達成しつつあるのか?

 多くの人は、それほどの効果はないと思っているのです。少なくてもそれによって雇用状況が着実に改善しつつあるとはとても言えない。

 では、QE3なんて止めてもいいのではないか?

 しかし、それほどの効果がないとしても、失業率を低下させるために止めることはとてもできない。それに、物価が安定したままであるので、なお止めることができない。これが、少しでもインフレの兆候が出てくれば、QE3を早めに止める必要があるという意見も出てくるのでしょうが、インフレ率が2%以内に収まっている限り、そのような声はなかなか出てこない。

 それに、今やQE3が株価を支えているという認識が広がっているので、その意味でもなかなかQE3を止めることができない、と。

 しかし、そうだとすれば、やっぱり今の株価はQE3によって支えられているというのが事実であるということになるのです。つまり、最近の株高は、経済のファンダメンタルズを反映したものというよりもバブルであると考えた方がいいのです。

 まあ、そんなことを考えて米国のPBSのNews Hourを見ていたら、バブルという言葉に遭遇しました。

 The Newest Bubble: Peer-to-Peer Lending?

 Peer to Peer Lendingとは何のことかお分かりでしょうか?

 これ、簡単に言えば、お金を借りたい人とお金を貸す人をネットで結びつける金融仲介サービスのことであるのです。

 ネットで、お金を必要としている事業者を紹介する。そして、その一方で、その事業者にお金を融資してもいいという一般の投資家を募る、と。

 ネットが発達することによって今ではそのようなことまで行われるようになっているのだとか。

 では、そのような投資話に危険はないのか?

 ポール・ソロモン氏は、危険がないことはないと警告するのです。何故ならば、そうした素人の投資家は信用リスクというものを自分で判断することができず、いきおいそうした仲介業者の言葉を信用するしかない、と。そして、そうした仲介業者は、必ずしもそのような一般の投資家たちと利益を同じくするものではないので、投資家を欺くようなことをしがちであるからだというのです。

 なんか、どこかで見聞きしたような話なのです。

 中国の理財商品などというのも、似たようなものです。

 さらに、こうした一般の投資家たちは、ゼロ金利政策が続く中でなかなかいい投資先を見つけることができないので、こうした儲け話にひっかかりやすい、と。

 この番組でインタビューに答えていたDoug Dachille氏が、次のように言っています。

  What history has demonstrated is that while the name of the financial instruments responsible for financial crises always seem to change, the root causes are the same: poor credit underwriting standards, the excessive use of leverage, classic agency problems (lack of economic skin in the game) and the power of group thinking pushing the belief that this time, things will be different and financial alchemy has somehow produced real instead of fool's gold.

 「歴史が教えるところによれば、金融危機を引き起こす金融商品の名は絶えず変化するように見えるが、しかし、金融危機の真の原因は同じである。融資基準がいい加減であること。レバレッジを利かせすぎること。古典的なエージェンシー問題(経営者が自らの会社に出資をしないようなこと)。それに、影響力を有する人々が、今回はいつもと違う、つまり、今や金融工学が本物の金を作り出すことができるようになったと吹聴するようなことだ」

  まあ、そう言われれば、まさにそのとおりなのです。

 しかし、分かっていても、株価が上がっているのに黙ってみていることができないのが人間の性というものなのです。

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