- 2011年01月16日 18:24
チュニジアの「ジャスミン革命」は「ソーシャルメディア革命」と呼べるのか?
1/2■ 【チュニジア政権崩壊】政変は「ジャスミン革命」 ネットで命名 (MSN産経ニュース)
民衆蜂起により23年間続いた強権的なベンアリ政権が崩壊したチュニジアの政変が、インターネット上で「ジャスミン革命」と呼ばれ始めた。ジャスミンはチュニジアを代表する花。引用箇所でも解説されている通り、また昨日の記事でもテーマにした通り、今回の「革命」には各種ソーシャルメディアやリアルタイムウェブが重要な役割を果たしたと言われています。そんな理由から、ジャスミンならぬ「Twitter革命」「Facebook革命」などという呼び名も聞かれるようになってきました。
呼称が定着するかどうかは不明だが、今回の政変ではツイッターやユーチューブ、フェースブックといったネットメディアがデモ動員に大きな役割を果たしたことが特徴だ。
Internet World Statsのデータによれば、チュニジア国内のネットユーザーは約360万人で、人口全体の34%にあたります。Facebookユーザー数は約160万人で、人口比ではおよそ16%。各種メディアでもだいたい同じ数値が紹介されているようですね。いずれにしても、ネットやソーシャルメディアが影響力を発揮したとしても驚きではないでしょう。
その一方で、昨日の記事とは矛盾するような内容になるかもしれませんが、「本当にTwitter/Facebook革命と呼べるのか?」という声も出てきました。例えば:
■ Was What Happened in Tunisia a Twitter Revolution? (GigaOM)
これは「ツールと原因を混同してはならない」という議論と言えるでしょうか。確かに今回、オンラインツールがあったおかげで、政府に対する抗議活動(これまでは弾圧されて終わりになってしまっていたもの)が組織化されるようになったことが指摘されています。だからといって、TwitterやFacebookが革命の「原因」をつくったわけではありません。The reality is that Twitter is an information-distribution network, not that different from the telephone or email or text messaging, except that it is real-time and massively distributed ― in the sense that a message posted by a Tunisian blogger can be re-published thousands of times and transmitted halfway around the world in the blink of an eye. That is a very powerful thing, in part because the more rapidly the news is distributed, the more it can create a sense of momentum, helping a revolution to “go viral,” as marketing types like to say. Tufekci noted that Twitter can “strengthen communities prior to unrest by allowing a parallel public(ish) sphere that is harder to censor.”
So was what happened in Tunisia a Twitter revolution? Not any more than what happened in Poland in 1989 was a telephone revolution. But the reality of modern media is that Twitter and Facebook and other social-media tools can be incredibly useful for spreading the news about revolutions ― because it gives everyone a voice, as founder Ev Williams has pointed out ― and that can help them expand and ultimately achieve some kind of effect. Whether that means the world will see more revolutions, or simply revolutions that happen more quickly or are better reported, remains to be seen.
現実はこうだ。Twitterは情報配信ネットワークであり、電話やメール、テキストメッセージなどと大差はない。しかしリアルタイムに無数の人々に情報が届けられるという点は別だ。チュニジア人ブロガーが投稿したメッセージは、何千回とリツイートされ、地球の反対側まで一瞬のうちに到達する。これは非常に強力な力となり得るだろう。なぜならば、ニュースが速く伝えられるようになればなるほど「勢い」が感じられるようになり、マーケティング系の人々が好きな言い回しで言えば、革命が「あっという間に広がる」ようになるからだ。Tufekci(Zeynep Tufekci、メリーランド大学の社会学者)は、Twitterは「検閲されにくい、新たな公共(的)空間をつくり出すことで、混乱に先立ってコミュニティをより強固なものにすることができる」とツイートしている。
それでは、チュニジアで起きたことはTwitter革命だったのだろうか?答えはノーだろう(1989年にポーランドで起きたことを「電話革命」と呼ぶだろうか?)。ただTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアツールは、革命に関するニュースを広めることにおいては非常に役立つという点は事実だ。なぜならばTwitterの創業者、Ev Williamsが指摘したように、ソーシャルメディアは人々に声を上げる手段を与えるからである。そして人々が手を広げ、最終的に何らかのゴールを達成することを手助けする。それが何を意味するのか――今後より多くの革命を目にすることとなるのか、それとも単に革命のスピードが速まり、情報が外部へ伝わりやすくなるだけなのか――それはまだ分からない。



