記事

政治家への寄附の仕方

 政治関係の寄附というのは、政治資金規正法で色々な網が掛かっています。概ね、これ が全体像です。一見すると、「結構厳格に制限が掛かっているではないか」と思われると思います。

 しかし、これが穴がポコポコと空いておりまして、政治家への資金を厳格に管理するには不十分だと思います。私が知り得る裏技的なものも含めて、穴を説明したいと思います。

● 政治団体は幾つも持てる。

 私であれば、政党支部と個人の資金管理団体の2つです。しかし、100の政治団体を持つことも出来ます。10以上の政治団体を持っている議員は少なくありません。しかも、一見誰の政治団体なのかが分からないものも結構あります(団体の長を議員本人にしない等)。それがすべて寄附の受け皿になり得るものです。個人が政治団体に出来る寄附は年間150万円が上限ですが、団体を複数にすれば、事実上その上限を迂回出来ます。

 そして、その中で所得税控除のある団体は、(1)政党(支部を含む)、(2)国会議員、都道府県議、政令指定都市市議の公職の候補者の資金管理団体です。なお、今、私の資金管理団体は(2)に該当しないので所得税控除がありません(結構これが重く圧し掛かっておりまして...。)。

 結構、問題が多いのは政党支部を乱立させている政党です。4年前に調べた際、某与党は全国に7700近い支部がありました。国会議員の中には複数の政党支部を持っている方がいるようです。政党支部は、所得税控除の対象になるのみならず、企業団体献金の受け皿になり得るので(政治家個人の資金管理団体では企業団体献金は受けられない)、そんなに乱立することは本当は適当ではないと思います。

● 政治資金パーティー

 資金集めの手法として良く行われます。普通に行うものを排除することは出来ないと思いますが、これが政治資金規正法の寄附の迂回みたいに使われることがあるのは看過すべきではないと思います。

 例えばですが、1枚1万円のパーティー券を1000枚販売したとしましょう。しかし、パーティー本体は10人くらいの会議室でお茶飲んで終わり、みたいなことは別に違法でも何でもありません。もっと言うと、パーティー券を売るだけ売って、パーティーを中止というかたちにして何もやらないということすらあると聞いたこともあります。パーティー券の販売額には上限がありませんし、中止の場合の返還規定も存在しないので、事実上、パーティー券の購入を通じた寄附の上限規制の迂回になってしまうことがあります。

 政治資金をお願いする手法として、政治資金パーティーの可能性を否定するつもりは毛頭ありませんが、それが寄附の上限規制の迂回にならないようにすることは検討されるべきだと思います。 

● 購入

 寄附については上限がありますが、政治家の事務所から何かを購入するということについては上限がありません。例えば、私の政治団体の広報誌を大量購入することにより、事実上の寄附を行うことは違法ではありません。購入したことにして、実際にはブツ(この場合、広報誌)の引き渡しはやらないということにしたとしても、それを検証する手段はありません。これも寄附の上限規制の迂回として考えられる手法です。

● 簿外

 上記については、すべて政治資金規正法に基づく収支報告の対象なのですが、それ以外に個人的な金銭の受け渡しについても何らかの規制が必要なのかもしれません。今回の都知事のようなケースです。

 政治家個人への貸借については、先のブログに書いたように現在は何らの規制もありません。政治家個人に対する寄附については、物品等に限定されており、金銭有価証券については選挙運動に関するもの以外は禁止されています(なので、都知事は「借金」と言っているのです。「貰った」と言った瞬間にアウトですので。)。

 しかし、今回のように「個人の借り入れです」と言ってしまえば、少なくとも法的には追及が難しいということになれば、やはり違和感を持たれても仕方ないでしょう。例えば、選挙前後1年については個人の借り入れについても公開の対象とするというのは一つの重石くらいにはなるでしょう。また、それ以外の簿外の(違法な)金銭のやり取りについても、選挙の時のみならず、平時でも連座制による失職規定に相当するような厳しい規制を入れることも一案です。

 代表的な手法を幾つか書きました。他にももう少しあります。民主党政権時代、もっともっとこういうところに着手すべきだったと思うのです。「企業団体献金廃止」の動きはあったのですが、結局党上層部の受け入れるところとなりませんでした。多分、そういう規制強化を嫌がる方がいたのでしょう。しかし、政治資金に関する規制強化を一番「痛い」と感じるのは民主党ではなかったはずです。「肉を切って骨を断つ」の気概を持てなかったのは残念です。

 少し、オタクな世界でした。浮世離れしていると感じた方が大半でしょう。その「浮世離れしている」という感覚、私も忘れないようにしたいと思います。

あわせて読みたい

「」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    ベガルタ選手 交際相手DVで逮捕

    SmartFLASH

  2. 2

    淡々とデマ正した毎日新聞は貴重

    文春オンライン

  3. 3

    ウイグル弾圧をルポ 朝日に評価

    BLOGOS しらべる部

  4. 4

    学術会議の任命拒否 説明は困難

    非国民通信

  5. 5

    岸防衛相の長男 フジ退社で衝撃

    文春オンライン

  6. 6

    米山元知事が橋下氏の煽動に苦言

    SmartFLASH

  7. 7

    コロナで潰れる「強みのない店」

    中川寛子

  8. 8

    任命拒否 背景に大学への不信感

    PRESIDENT Online

  9. 9

    GACKT お金と違い時間は戻らない

    かさこ

  10. 10

    高齢者は貯蓄 現金給付改善せよ

    永江一石

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。