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【1.9%】厳選すればするほど、突出した人材が採用できないという、悲しい矛盾

 先週、某企業の採用担当者と久しぶりに話す機会がありました。大企業ではないものの、商品がユニークで、学生にはなかなか人気の企業。不景気だと言いながらも、新卒採用は定期的に継続しています。
「最近の新人は、おもしろいヤツがいない、とんがったヤツがいないって。現場から言われちゃってさ」
 笑いながらも、彼の悩みは結構深刻なようでした。聞けば、3年生の冬から春にかけて、しっかり厳選採用システムを構築しているとのこと。オリジナルのエントリーシートは彼の考案によるもの。SPI2の活用はもちろん、面接は現場レベルから最終の重役レベルまで4〜5段階。グループディスカッションにも工夫を凝らしているといいます。なのに、“厳選した逸材”は、現場からは評判がよくないと。

選考に相当の時間と労力をつぎ込んでいるだけに、始末が悪い話です。ご多分に漏れず、厳選採用という御旗の元、採用部隊、前線である営業スタッフ、人材育成部門、現場責任者クラス、重役クラスと、数多くの面々が選考に関わり、文字通り選び抜いた人材。精鋭のはずなんです。なのになぜ、現場から不満の声が上がるのでしょうか。

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就職ジャーナルが昨年実施したアンケート調査によれば、新卒採用の面接回数は3回までという企業が87.1%と大半のようですが、一部には7次面接まであったという学生が【1.9%】いたという結果が報告されています。もちろん選考は面接だけじゃありませんから、学生が受ける選考プロセスがいかに複雑化・多層化しているか、容易に想像できるはずです。

これだけやっても、現場から出てきてしまう不満。採用担当者としたら、勘弁してよと言いたくもなるでしょう。でも。考えてみれば、これは道理なのかもしれないと思ったわけです。そりゃそうかもしれないと。上流から流れてきた石が、流れにもまれる中で角が取れて丸くなるように。ある一面で尖った学生がいたとして、ある選考段階で、その面が高く評価されたとしても、次の選考で、他の面で劣ると評価されれば、そこで戦線離脱。つまり、数多くのフィルターを通り抜けて残る人材は、あらゆる面で平均以上でないと、残れない仕組みになっているんじゃないかと。

結果として残る人材といえば、いわゆる万人受けする人材。総じて評価が高い、卒ない人材となるわけですよ。合議制の会議では、無難な案しか通らないのと、まったく同じ理屈ですね。
 
 学生の段階で、すべての側面で有能で即戦力みたいな人材は希有なはずです。つまり、仮にある面で優れた人材がいたとしても、他の面で劣るのが普通なわけですよ。そこをわかった上で、プラス面を評価することとマイナス面に目をつぶることを同時にやらないと、いろんな人材を採用するというのは難しい話なのですが、今の厳選採用って、それが難しい仕組みになってはいないかと。

勝手な想像で、憶測の域を出ない話ですみませんが、そんなことを思ったというお話でした。ついでに。彼の話って、まるで昨年の流行語大賞が「ゲゲゲの」であったのと、少し似てるかもしれないな…て、いかん、また一言余分でしたね、失礼。。。

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