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「一票の格差」最高裁判決について 小手先の改革だけではもう無理である

マスコミ報道である通り、昨日、「一票の格差」に関する選挙無効訴訟の判決が出ました。結論は、大方の想定通り「違憲状態」となり、選挙自体は無効とならず、しかし司法としても立法府に対して警笛を鳴らす、という結果となりました。何らかの抜本的な解決案がなければ、この「ずるずる感」はずっと続くことになります。いくら司法が「違憲」「違憲状態」だと判決を出しても、最高裁までも「選挙無効」を言うはずはない、そのように立法府が司法を「なめている」状態は今後も続くでしょう。憲法9条でもそうですが、高邁な理想を掲げる憲法と、わが国の現実との乖離はもはや見過ごせないところまできているのではないでしょうか。

憲法は、原則「一人一票」を求める、と解釈されています。ただ、今の小選挙区制度を維持して一人一票というものを実現するのは、物理的にほぼ不可能です。よって、小選挙区制度を維持して一人一票に近づけるなら、都道府県の枠を取っ払い、ブロックごとに選挙区を配分する方法があるでしょう。

もしくは、憲法そのものを変えることです。そもそも、本判決は憲法14条、全ての国民は法の下平等であり、云々の下りから来て、「一人一票」となるわけです。法の下で平等なのは当然ですが、広大な森林や農地を抱える地方と、大都会とで同じ人口ベースだけで民意を反映できるか、と言うのが主に地方出身の議員の声です。バランスある国土の発展を鑑みれば、地方に多少の比重があってもよいのではと、都会にいる私ですが、思ってしまう部分もあります。

アメリカ合衆国は、下院こそ一人一票の原則ですが、上院は各州ごとの代表から構成されており、デラウエアやノースダコタのような人口100万に満たない小さな州と、カリフォルニアやニューヨークと言った人口数千万の州とは、同じだけ上院議員を輩出しています。

日本と言う国体をどう考え、どう民主主義をデザインするか、単純な「一人一票」だけではない、大きなビジョンが求められます。

議会の外にいる立場だからこそ、提起できる幅も自由に広がります。これを機に、小手先の案でない、大きなビジョンを示していければと思います。

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