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中国の外国メディアのコントロールのやり方

今日の横浜北部はまたしても朝から快晴でした。乾燥してきましたね。

さて、昨日Twitterでも紹介した、北京政府が海外メディアのジャーナリストや学者にたいしておこなっているプロパガンダの手法についての興味深い記事の要約を。

著者はワシントン・ポスト紙の論説委員ですが、アメリカのメディアも相当締め付けを受けていることがこの記事からもうかがえます。

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中国のリーダーたちは、中国の受け取られ方を操作するためにメディアと学者をコントロールする
Byフレッド・ハイアット

●北京政府が自国民が知るべきニュースや歴史を操作・制限しているのはよく知られている事実だ。ところがそれよりも驚くべきは、北京政府高官がアメリカ人の中国の理解を操作・制限しているそのやり方だ。

●先月のことだが、ワシントンの中国大使館の文化系の大使館員が、来月12月に行われる海外の中国研究家のフォーラムにペリー・リンク(Perry Link)氏を招いている。

●リンク氏はアメリカの最も有名な中国専門家としてしられており、この招待そのものは当然と言えるのだが、彼は1996年から説明されない理由によって中国側からビザの発給を拒否されている。リンク氏は参加できたらしたいと答えたが、本当にビザを発給してもらえるのかと大使館員に尋ねたら「本当だ」との答え。

●この大使館員はビザ発行の手続きを取り計らいますとの自信をもって答えたので、彼に言われるままにリンク氏がパスポートを送ると、11月8日に「審査の結果、フォーラムには参加できないことになりました」というメッセージと共にパスポートが返却されてきたという。

●このようなやりとりは実に驚くべきことだが、それでもリンク氏はブラック・リストに入っている唯一の外国人というわけではない。2011年には中国西部の新疆自治区についての本を共同執筆した13名の有名な学者が、ビザ発給を拒否されたことが発覚しているからだ。

●リンク氏はプリンストン大学とカリフォルニア州立大学でキャリアを積んだ有名な学者であり、彼は中国入りのビザを拒否されても問題はない。ところが終身雇用契約(テニュア)の獲得を目指している若い文化人類学者が現地調査をできないことになると、その影響は深刻だ。

●しかも北京政府はなぜ発給が拒否されたのか、そしてどの分野の学者がダメなのかという理由を説明しないために、それが結果として自己検閲や研究分野の絞り込みにつながってしまってまともな研究成果を出せなくなってしまうのだ。

●リンク氏は「アメリカ国民へのコストは深刻であり、その影響は理解されておりません・・・それはかなり組織的に行われており、中国専門家の間では北京政府の言いなりなって、特別な言葉を使ったりするのはごく普通のこととして受け入れられているんです」と述べている。

●たとえば「台湾の独立」という言葉は使わずに「両岸関係」と言い換えることや、ノーベル平和賞を受賞して現在は刑務所に入れられている劉暁波については触れないことや、1949年の「自由化」という言葉を使うことなど、自己検閲がかなり定着しているのだ。

●もちろん学者たちはこのような禁止用語を理解しているのだが、リンク氏によれば、「彼らが公共の場でこのような言葉を使うと、1949年の出来事を本当に“自由化”だと勘違いしてしまうし、台湾の独立は問題にならなくなり、刑務所にいるノーベル平和賞の受賞者については触れられなくなってしまうのです」ということだ。

●外国のジャーナリストたちも同じような圧力に段々とさらされるようになっている。アジア地域で長年取材をしているロイター通信社のポール・モーニーは、最近になってビザ発給を拒否されており、社によれば、この理由は全く説明されていないという。ブルームバーグ、ニューヨークタイムズ紙、ワシントン・ポスト紙の中国専門のベテラン記者たちも似たような境遇に直面しつつある。

●ブルームバーグの場合はとくに重要だ。去年発表した中国のエリートたちの汚職による資金溜め込みについてのスクープ記事は、中国共産党のリーダーたちにとって汚職というのは非常に敏感な問題であったため、中国でビジネスをしているという意味ではブルームバーグは非常に勇気ある行動をしたと言える。

この記事が出た後にブルームバーグのウェブサイトは中国で閲覧できなくなり、この社のジャーナリストたちもビザの発給を禁じられた。最近のニューヨークタイムズ紙の報告によれば、ブルームバーグは億万長者たちと中国のリーダーたちの関係を暴く調査記事を差し止めており、ブルームバーグ社の編集長によれば中国国内へのアクセスを維持するために仕方なく行った措置であると釈明したという。

●もちろん編集長側はそのような経緯の存在を否定しており、タイムズ紙側に「差し止めたわけではなく、まだ調査は続けている」と答えている。それが発表されるまで、北京政府の高官たちはこのような厳しい戦術を使うことによって、アメリカ人が自国についてどのような報道を読むべきか(もしくは読んではいけないのか)をコントロールする力をもっている、と勘違いしつづける可能性が高い

●ビザ発給の停止というのは、共産党が中国についての報道のされ方をコントロールする唯一の方法というわけではない。アメリカの大学は中国本土にキャンパスを持って儲けており、しかも米国に留学している中国人学生は授業料を全額払っているのだ(訳注:アメリカ国内の学生は授業料が、税金などの公的支援のおかげで留学生の払う額の数分の1であることが普通)。

●ハリウッド映画では、中国で公開できるようにするために脚本を書き換えるのが当たり前になっている。

●NPOのフリーダムハウスのサラ・クック氏による67ページの「中国の検閲の長い影:共産党のメディア制限が世界中の報道機関にどのような影響を与えているか」という題名の報告書によれば、「多くのケースで、北京政府高官たちは海外に本社のある報道機関の独立報道に直接介入している。しかしそれよりも多くなってきていて、しかも効果が大きいのは、暗黙的に自己検閲を行うようにコントロールするという手法だ」というのだ。

●彼女によれば、海外で発行される多くの中国語の新聞は広告主からの圧力や、中国国内にいるジャーナリストの親族への圧力によって言いなりになりつつあるという。

●ところが中国共産党が「プロパガンダの成功だ」とみなしても、それが長期的に中国の国益にかなうものかどうかというのは疑わしい。その理由は少なくとも3つある。

●第一の理由は、最も議論を呼ぶ3つの問題――チベット、台湾、そして一人っ子政策――についての海外での議論が非常に政治的な立場を鮮明にした人々によって行われており、もっと落ち着いた議論を提供しそうな中国専門家たちは口を閉ざしているという点だ。

●第二に、自国を「自信に満ち溢れた新しい大国」というイメージで見られたい中国のリーダーたちにとって、透明性のある報道にたいする恐怖というのは、単に有害なものでしかない。

●第三に、学術研究やジャーナリズムを締め付けることは、アメリカ人が世界最大の人口を持つ国の複雑性を理解することを妨げることになるし、結局のところ、これは中国にとっての有利な点とはならないからだ。

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これこそがまさに「ソフト・パワー」ですね。ジョセフ・ナイの概念は、もっとこういうえげつないやり方を示す言葉として使われるべきでしょうな。

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