この言葉に賛同すればするほど、原発ゼロのゴールが遠ざかっていると思います。
理由は簡単。
“原発はゼロにしたいが、化石燃料も使いたくない”
これでは、さすがに多くの支持を得ることは困難でしょう。
再生可能エネルギーは、発展途上なエネルギー。天候の影響が大きいことは、既に自明です。
しかし、「原発ゼロ」から「現実的な提案」へと転換すれば、多くの支持が得られるエネルギー政策が誕生するでしょう。
そのためには、再生可能エネルギーを、より高度なエネルギーへと進化させる必要があります。
技術的な観点からは、電気のスマート化の推進で、再生可能エネルギーを原発や火力発電と同様に、24時間利用可能なエネルギーへと進化できます。
家庭の電気のスマート化
前回記事「太陽光発電と家庭用蓄電池のダブル利用の実力」
http://bit.ly/18ECTwF
では、24時間利用可能なエネルギーとしてはまだ遠いものの、太陽光発電と蓄電池の融合で、再生可能エネルギーの一番の弱点である天候影響の問題を解決できる見通しは得られました。
規制緩和の観点からは、電力自由化が効果的でしょう。
現在の電気のスマート化は、家庭内がメインです。
電力自由化により、市区町村単位での電気のスマート化が可能になれば、日中にメガソーラーや風力発電で電気が余った際も、自動的に安く購入し、家庭で蓄電するということも可能になります。
電力自由化と同時に、スマートメータの整備、市区町村単位でも電気のスマート化が可能なIT技術の向上が必要となります。
もちろん、安価で大容量な家庭用蓄電池の開発、余剰電力は水素として貯蔵し、燃料電池で使用するという案も考えられます。
やるべき技術開発、規制緩和は山積しています。
「原発ゼロ」から「現実的な提案」への転換は、原発や化石燃料の利用削減へ向けた近道となるかもしれません。