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日本ユニセフ協会の間接費19%は適切か

先日、アグネス・チャン氏が日本ユニセフ協会への寄付を呼びかけているのに対して、2チャンネルの創設者として有名なひろゆき氏がブログ上で公開質問状という形で批判を投げかけていた。日本ユニセフ協会は集まった寄付金の81%をUNICEF本部に寄付し、19%は日本に事務所を置く協会の人件費や寄付を集めるための広報費など間接費に使用している。ひろゆき氏は、UNICEF本部の親善大使を務めている黒柳徹子氏は募金の100%をユニセフ本部に送っていることを引き合いに出し、子供のためを思えば、日本ユニセフ協会ではなく黒柳徹子氏を薦めるべきではないでしょうかと投げかけている。(アグネス・チャンさんへの公開質問状

この件については、イケダハヤト氏はじめ多くのところで論評されており、私はヒロユキ氏に反論している今回のイケダ氏の論に大方異論はないので総論についてはここでは省くとして、そもそも寄付金の間接費はいくらが適切なのか、寄付を預かって非営利活動をするのに間接費がかかるのは当然であるとして、では日本ユニセフ協会の間接費19%は果たして適切なのかどうかを少し考えてみたい。

まずは、そもそもUNICEF本体がいくら間接費に使っているかだが、2012年のレポートを読むと、約38億ドル(3800億円)の支出に対して、34億ドルを開発プログラムのために使用し、3.2億ドルを人件費などの管理費、1.3億ドルをファンドレイジングのために使用している。つまり、合計4.5億ドル、約12%が間接費という計算になる。収入の32%、約12.5億ドルもの民間寄付を集めていることを考えると、かなり効率的な運営といえよう。Charity Navigatorによると、同じく10%前後の管理費で運営をしているNGOはSave the Childrenなどがあるが、CAREやOxfam Americaなどは20-30%が管理費に当てられている。

しかし、ここは若干のトリックがあって、日本ユニセフ協会など組織的には別でも公式的に提携を結んでいる各国のユニセフ協会が代わりに寄付集めを行っており、それらの管理費はUNICEF本体には経費として計上されていない。実際には、民間寄付の20%前後は寄付集めのために様々な経費がかかっている。これらを総じて考えると、やはりUNICEF本体も20%近くの管理費がかかっていると言える。

途上国支援のプログラムをしっかりと専門性をもって運営し、ファンドレイジングまでやろうと思えば、このくらいは間接経費としてかかることは、知っておいたほうがよいだろう。日本人は寄付といえば無償ボランティアですべて運営されるべきと考える人が多いが、そういった考えはかえって寄付がちゃんと効果的なかたちで使われない方向になりかねないことも理解しておいたほうがよい。

とはいえ、日本ユニセフ協会の間接費19%だが、私はもう少し費用を抑えることができるという印象を受ける。というのは、同協会の業務は日本でユニセフの活動に対する理解を促進し、寄付を集めることに限定されているため、実際のプログラム運営に対しては人員や経費を投じなくてもよい。これは多くのNGOがプログラム運営まで行っていたり、日本財団のような助成財団が多数の助成申請を審査して助成先を決定しているのと異なる。さらには、日本ユニセフ協会が世界各国の同様の協会のなかでもダントツで寄付を集めている(1位の日本が1.5億ドルなのに対して2位のフランスですら0.9億ドル)ことに現れているように、日本のユニセフに対する認知度や「ユニセフ信仰」とも言えるくらいの信頼度の高さを考慮すると、より効率的なファンドレイジングが可能と思われる。

たとえば、66名の職員が働く民間団体である日本ユニセフ協会と、国連大学のビルに事務所を置くUNICEF東京事務所を統合することは不可能なのだろうか。UNICEF東京事務所がこれまでの日本ユニセフ協会のノウハウを活用してファンドレイジングを継続できるのであれば、現状よりもずっと間接費を抑えることができるように思う。さらに、広告宣伝費についても、それこそユニセフほどのブランドがあれば、黒柳徹子氏のように無償でメディア上で広報してくれるような親善大使をもっと任命し、協力してもらえるのではないか。アグネス・チャン氏の長年にわたる活動は否定しないが、もっと若年層やビジネスマンにリーチする親善大使がいてもよいのではないか。

寄付金を公益活動に活用する場合、一定の間接経費がかかることを理解しながらも、どういった運営がなされて、果たしてそれが効率的なのかまで、しっかりと寄付者がみることによって、寄付の使われ方や日本の非営利活動の専門性もより高まるのだと思う。これは寄付だけではなく、税金でも同じことがいえるのだが、日本人が寄付リテラシーや税金・政策リテラシーを高めることで、より効率的に社会に還元されるようになることを望む。

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