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ついに若者がFacebook離れ?時代が再び動き始めたか

10月の決算発表会でFacebookの最高財務責任者David Ebersman氏は、米国の10代のユーザー数は安定的に推移しているとしながらも「若い10代のデイリーユーザーの減少を確認した」と語った。Facebookが10代のユーザー数の減少を認めたのは初めて。

同氏は、Facebookが米国の10代の若者の間に十分に浸透している状態は変わらず、若者のFacebook離れを示す十分なデータがないことを強調。若い10代のデイリーユーザー数の減少が確認されたことが「統計上どれだけ意味があるかは疑問」で、「10代に関する質問を非常に多くいただくので、この統計を共有することにしたまで」と10代のFacebook離れを取り上げたがる一部マスコミに釘をさした。

FacebookのCEOのMark Zuckerberg氏は、7月の会見で「特に注意しているユーザー層は、米国の10代」とした上で、「10代のFacebook離れが進んでいるという憶測や記事をみかけるが、われわれのデータを見る限り、その傾向はない」と語っている。

Zuckerber氏が注目しているように、コミュニケーションサービスにとって最も気になるユーザー層は10代。流行に敏感な10代に受け入れられるコミュニケーションサービスの形が、やがて時間をおいて幅広い層に広がることが多いからだ。同氏も、親戚の中学生に各種サービスについて意見を求めることがあると語っている。

Facebookは、今回のデイリーユーザー数減少のデータを米国のローティーンに特有のデータだとしているが、調査会社globalwebindexによると、同様の傾向が世界的にみても確認できるという。

同調査会社によると、最も10代のユーザーの減少が大きいのはオランダで、今年4ー6月期から7ー9月期に10代のアクティブユーザー数が52%減少したとしている。マレーシアは45%減、フランスは44%減を記録。日本は12%減だった。ただ同社は、今回の調査結果にどれほど季節要因が関係しているのかは不明で、10ー12月期の結果がでるまでは、明確な傾向があるとの結論は出せないとしている。

もし本当に10代のFacebook離れが進んでいるのであれば、世界の10代は今、どのようなサービスを利用し始めたのだろうか。globalwebindexによると、1-3月期から7-9月期までで中国を除く世界各地で最も10代のアクティブユーザーが増えたのはWeChatだった。同期間中に1021%も伸びている。中国以外の地域のユーザーに対する質問にもかかわらず、中国のメッセージングアプリWeChatが伸びていることろが興味深い。

あとは、Twitter社の写真アプリVineが639%の伸び、Flickr、Skype、Facebookメッセンジャーなどのモバイルアプリもユーザー数を伸ばしている。

ただもちろんFacebookがソーシャルプラットフォームの王者であることには変わりはない。globalwebindexによると、世界の10代のアクティブユーザー数ランキングの首位は、PC版のFacebookで、10代のアクティブユーザーの56%がPCでFacebookを利用している。2位もFacebookで、こちらはモバイル版。3位はモバイル版YouTubeで、4位はPC版YouTube。5位はモバイル版Googleマップ、6位はTwitterと続く。気になるところでは、Instagramが11位、WhatsAppが12位、WeChatが23位、Lineが25位に入っている。

ただglobalwebindexの統計に中国は含まれていない。WeChatを運営するTencentによると、WeChatのアクティブユーザーは8億人を超えているという。globalwebindexの統計にもし中国を含むことができれば、WeChatがFacebookに追いつくほどの存在感を示すことになる。

10代がFacebookの代わりに夢中になっているサイト5選


米MarketWatchが「Facebookの代わりに10代が集まっている5つのサイト」という記事を掲載している。その記事によると、5つのサイトとは、Snapchat、Pheed、PicsArt、Tumblr、Vine。

Snapchatは、写真や動画とかを友達に送って、友達が見れば自動的に消滅するというサービス。おふざけ写真などを送っても自動削除されるので、その場限りの友人同士のふざけたやりとりが可能。こうしたカジュアルさが若者に受けているようだ。

ユーザー数は1億人を超え、1日に3億5000万件異常の写真が送信されるといいう。最近ではFacebookがSnapchatに対し30億ドルの買収提案を行ったことで、有名になった。なんと、Snapchatがそれを蹴ったのだが。まだまだユーザー数が加速度的に伸びているため、Facebook以外の大手がより巨額の買収金額を提示する可能性があると考えたようだ。

一方pheedは、1回の投稿が420文字限定のサービス。写真、動画、音声なども送信できるほか、ライブ放送も可能。LINEのようなサービスという理解でいいと思う。サービスイン6週間に100万人ユーザーを達成している。

PicArtは、写真上にお絵かきできるサービス。10代の女子に人気があるという。

Tumblrは以前からある写真ブログ。多くのソーシャル系サービスは時間とともに飽きられてユーザーが減っていくものだが、Tumblrは使い勝手のよさから、じわじわとユーザー数を伸ばし続けているようだ。

Vineは、Twitter社が始めた動画共有アプリ。6秒以内の動画に限定することで、ウイットの富んだ動画を次々と見て回れることが特徴だ。

一部モバイルアプリはFacebookを超えるかも


さてここからは私の完全な独断と偏見。「おれはこう思う」という話。

果たしてなにが起こっているのだろうか。10代のユーザーの動向を見れば、時代の先が読めるという。10代のユーザーが利用しているサービスが、いずれFacebookを凌駕するようになるのだろうか。Facebookを超える社会インフラになるのだろうか。

純粋なコミュニケーションを担うモバイルサービスについては、社会インフラになる可能性もあると思う。なぜならモバイルは、PCをはるかに超える巨大プラットフォームになるから。ユーザー数では、モバイルがPCの何倍にも膨れ上がり、地球上のほとんどの人が自分専用のモバイル機器を持つようになるからだ。

なのでモバイル機器の使い勝手に焦点を当てた中国のWeChatや、日本(親会社韓国)のLINEは、PCとモバイルの両方にリソースが分散されるFacebookを、いずれユーザー数で超える可能性もあると思う。特にWeChatは中国語圏を席巻し、英語圏のFacebookと対峙するほとのサービスに育つ可能性を秘めていると思う。

同じモバイルコミュニケーション系サービスでも、米国のWhatsAppに関してはFacebookのお膝下ということで、Facebookの取り残したニーズを拾い上げるだけで、Facebookを超えられないんじゃないかと思っている。

その他のアプリは雑誌の代替物に


一方で、純粋なコミュニケーション以外のサービスは社会インフラにならず、一時的に旬なサービスに終わるのではないかと思う。一時的といっても数年は流行ると思うが。

なぜなら、広く汎用性のあるコミュニケーションではなく、特定の層や特定のニーズを狙ったサービスになっているからだ。Twitterは、あらゆるタイプの情報をほぼ制限なく送受信できるFacebookというサービスが存在するからこそ、反対に文字数を150字に制限した手軽なコミュニケーションが受けてヒットした。Snapchatも、Facebookがデータを半永久的に保存できるからこそ、反対にデータが即消滅するという機能に人気が集まった。Facebookという社会インフラが存在するという現状に対する、アンチテーゼ的なサービスなわけだ。なので、今後もこうした旬なサービスは次々と登場し、次々と消えていくことだろう。

だからといって、旬なサービスがだめだというわけじゃない。

電力、ガス、電話などの社会インフラ系の会社は、普及期こそ急成長が見込めるが、普及してしまえばあとはメンテナンスが主な業務になり、もはや急成長は望めないもの。あまりエキサイティングな領域ではなくなる。コミュニケーションの社会インフラも同じ。やがて十分に普及すれば、エキサイティングな領域ではなくなる。FacebookのMark Zuckerburg氏は、Facebookが社会インフラを目指す限りいずれクールではなくなるという未来について、早くから自覚していると話している。

それが今、早くも米国で起こり始めているのだろう。刺激を求める10代のユーザーにとってFacebookはもはやエキサイティングでなくなりつつあるわけだ。

刺激を求める10代のユーザーは、これから新しいアプリ、サービスに夢中になっていくことだろう。夢中になっては、飽きていく。イメージとしては、アプリは雑誌のような役割りになっていくのだろうと思う。紙の雑誌が衰退していく中で、若者は紙の雑誌がかって提供していた情報や、コミュニケーション、コミュニティ意識を、モバイルアプリに求めていくのだろう。

何年も人気が続く雑誌のように人気を保つアプリもあるだろうし、時代の変化に合わせて創刊、廃刊を繰り返す雑誌のように旬が短いアプリもあるだろう。今は若者向け一般誌的アプリが人気。昔の若者がスターの日常生活の他愛もない話題を雑誌で読んで楽しんだように、今の若者は友人達の他愛もない話題をアプリで読んで楽しんでいるわけだ。今後、さらにファッションや趣味、嗜好別のアプリが若者の間でさらに人気になっていくだろう。

ただ雑誌の体裁をアプリで再現するだけではだめ。インターネットの最大の特性がコミュニケーションであるのだから、基本はコミュニケーションアプリでなければならない。若者向け雑誌のターゲット層を想定しながら、コミュニケーション、コミュニティ、EC機能を取り入れて、旬でおしゃれなアプリを作ることができるのか。それがこれからのネットビジネスのキモだと思う。

社会インフラの座を狙う競争から、若者向け雑誌的な旬なコンテンツ・コミュニケーションのアプリの開発競争が主戦場になりつつあるのだと思う。社会インフラほどではないが、新しい戦場の市場規模も決して小さくはない。

時代が、動き始めたわけだ。

という風に今のところは考えています。間違ってるかもしれません。単なる妄想です。また考えが変わったら、すぐにこのメルマガでお知らせしますね。

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