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「幼稚園と学力の関係」における相関関係と因果関係

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次に教育期待(熱心さ)は、就業断念・幼稚園選択の可能性を高めるだろうが、他方で共働きだから子どもの教育に熱心になれない、という方向性も考えられる。前者は擬似関係を構成するが、後者はいわゆる「連鎖関係」になる(共働き=幼稚園断念→子育て傾注度低下→子ども学力低下)。擬似関係の場合は大元の原因は第三の要因(ここでは教育熱心)になるが、連鎖関係の場合は大元の原因は共働きになるので、含意される対策が変わってくる。

これもデータ次第だが、政策的に含意を持つのは後者の連鎖関係の方だろう(子育て熱心さを政策で説いてもあまり効果がないだろう)。もし連鎖関係に着目する場合、共働きと教育熱心がトレードオフにならない対策を作るべきだ、となる。

最後に家計所得だが、これについては「(夫)所得が高ければ妻が働かなくても生活できるので幼稚園に通わせる」という方向と、「共働き(=保育園選択)なのでその分家計所得が高い」という方向の両者を考えることができる。前者は擬似関係に貢献するが、後者は連鎖関係(幼稚園選択→所得低下→学力低下)になり、しかも前者の関係を打ち消す方向に働く。しかし実際のデータでは幼稚園と学力がプラス相関とでているので、このパターンは考えなくてよいだろう。

この場合、実際どうなのはやはりデータ次第だが、前者(擬似関係)の場合は「子どもの学力は(幼稚園ではないにしろ)家計所得次第」という状況を緩和する政策が目指されるべきだろう。

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さて、最後に擬似関係も連鎖関係もなく、幼稚園と学力に独自の因果関係があるときはどうだろうか。この場合は原因が幼保の教育力格差にあることになるから、幼保一元化などを通じて保育形態での教育を見直す、ということになるだろう。

以上、かなりたくさんの仮定(間違っている仮定もありそうだが)を置いた話をしたが、データを分析する前にここで想定していない他の仮定を置いたモデルを作るなどしていろいろやるべきことはありそうである。今回の報道に関して個人的な感想を言うと、前々から懸念されていたこととはいえ、「共働きの推進を目指しているところに、またややこしいパズルを持ち込んでくれたもんだ」となる。ワーク・ライフ・バランスに子どもの学力を含めて、いろいろトレードオフにならない政策を模索すべきなのだろう。

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