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「録画録音補償金から複製補償金へ」の理屈を見直してみる

機能はざっとしたニュースしか参考として見なかったので書き殴りになりましたが、InternetWATCHのほうでもっと詳しい記者会見の内容が掲載されていましたので、そちらでもう一度読み直してみましょう。

「複製機能」を私的録音録画補償金の対象に、権利者団体が提言

従来との変更点は二点

1.複製に使えれば機器・媒体・サービスは一切問わず課金の対象にしたい
2.補償金の支払い義務をユーザーから業者へ移行する。

2は言うまでもありません。東芝との裁判で「すでに多くのユーザーに販売しており、今更補償金を集めることなど出来ない」という反論が東芝よりあったため、同様の裁判が発生したときに、同様の反論を封じ、「集めなかったお前らが悪いんだから払え」というふんだくり権を寄越せと言うためのものです。昨日書いた1の権利と合わせ、昨年出た判決を無に返し、かつ前以上に無制限のお金を徴収出来る権利を要求しているのです。文科省に提案したのは判決を踏み倒すには法律化が必要という判断なのでしょう。最高権力の一つである司法を超えさせろと言っているわけですから、どこまでずうずうしいのでしょうか。

その根拠(?)として出してきた補償金収入の内訳がこちら

"以前には最大で年間25億円程度あった私的録画補償金の徴収額は、2013年上半期には0円になったという。また、私的録音補償金についても、音楽用CD-Rなどからの補償金があるものの、2013年上半期では9400万円と、ピーク時の4~5%程度に激減しているという。"

これは全く当たり前の話です。そもそも補償金とは"デジタル録音・録画による複製によって、権利者が被る経済的不利益を補償する目的で、録音・録画機器やCD-Rのような媒体などに補償金を課し、権利者に還元する制度"なのですから、複製などまともに出来ない現状では「権利者が被る経済的不利益」など発生しないため、補償金収入は減るのです。つまり、これは権利者にとっていいことではありませんか。この資料からなぜ補償金の拡大を求めることになるのか、全く分かりません。

ただし、このデータは明らかにウソです。レコーダーが全て規制下でしか発売出来ない現状では、東芝裁判で判決が出た以上当然全てのレコーダーメーカーは倣うでしょうから「レコーダーからの収入はゼロ」になるのは当然です。が、まだ録画補償金の対象としてはDVDやBDが存在します。規制のひどさにあきれて多くのユーザーが逃げ出し、手軽なテレビ+USB-HDDを使う人が大半になってメディアの売れ行きが激減したことは考えられますが、日本全国で一枚も売れなかったというのは絶対に有り得ません、わたしも一時のように年間数十枚ということはなくなりましたが数枚なら買いましたから、少なくとも音楽用CD-Rから上がる収入よりははるかに多いはずです。つまり、レコーダーからの補償金がゼロになったことだけを資料として公開し、あたかも録画補償金全部の収入がゼロになったかのように見せかけているのです。相変わらずの「自分たちだけが被害者、自分たちだけがかわいそう、だから法律で保護してお金をもらう権利を寄越せ」の被害者妄想思考全開ですね。

まぁそれでも激減したことに代わりはないでしょうが、それで普通の音楽ソフトや映像ソフトから上がる収入が上がらなかった~むしろ下がった~としたら、それは録画録音補償金という制度の前提がそもそも間違っていたのでは?という話を行うべき問題であり、以前と同等以上の補償金収入を寄越せという話にならないのが普通の人の考え方です。これでは「文化を名乗った者は何もしなくても自動的にお金をもらえるが当然。そして文化を名乗る権利は映像と音の著作権者となれる自分たちだけ」と宣言しているようなものです。「何様のつもり」なのでしょうか。著作権者様でしょうか?

おそらくこんなことを言い出したのは

・売り上げや活動と関係なく莫大な収入を上げられた時代の旨味が忘れられない
・違法ダウンロード罰則化を成功させたことによって味を占めたと同時にロビー活動に自信を持った
・消費税第二段階増税に合わせて補償金を乗せれば、物品値上げの苦情の矛先を消費税やお店がかぶることになり、補償金への批判を減らす事が出来る

こんなところでしょうか。そりゃ彼らだって収入が減って大変だろうし、安定した収入を得たいでしょう。でも、それはどんな業種だって同じ事であり、出来ることなら法律で保護してどこかの流通から中間窃取できて永久に安定した収入を保証されたいという気持ちはわたしだってありますよ。でも、だからと言って「わたしらは文化だ、保護して補償金寄越せ」なんてことは口が裂けても本気で言えません。「自分たちだけが特別だ」と言い続ける著作権業者が、どれだけ著作権という言葉の品位を落としているのか、彼らにその自覚はあるのでしょうか?

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