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ノマドワーカーが世界中のコワーキングスペースを発見できるサイト「ShareDesk」

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テクノロジーの発達にともなって、近年ではいわゆるノマドワーカー(ITやモバイル通信を利用して、場所や時間を自由に選択して仕事をする人)が増えている。僕自身、カフェなどで仕事をすることもある。オフィスにこもりっきりで仕事をするよりも、意外と捗ったりするものだ。

今回は、そんなノマドワーカーにおすすめのeコマースサイトをご紹介したい。その名も「ShareDesk」。このサイトでは、自分(自社)の所有しているコワーキングスペースを貸し出したい人と、仕事をするためのコワーキングスペースを探している人を結びつけるマッチングサイトだ。「AirBnBのオフィススペース版」と呼ばれている。

2012年8月にベータ版の運用が始まり、2013年7月に公式版の運用が始まったばかりの新しいサービスではあるものの、現在サイト上には、世界65カ国に合計1500カ所以上のコワーキングスペースが登録されている。そして2014年7月までには、登録件数は4000カ所を超えるだろうと予測されている。

International Data Centreの調査によると、2015年までに世界のノマドワーカー人口はなんと13億人になるそうだ。これからはさらに、ノマドが当たり前の世の中になっていくのかもしれない......。

「デスク単位」でコワーキングスペースの貸し出し

ShareDeskの創業者は、Kia Rahmani(以下ラハマニ)氏。ビジネススクールでMBAを取得したのち、コンサルタントとして勤務していた。ラハマニ氏は仕事で数々のスタートアップ企業と関わるなかで、彼らが積極的に利用する「コワーキングスペース」を自分で運営してみたいと考えるようになった。

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そして、実際にコワーキングスペースを立ち上げた。しかしそれを運営していくなかで、1つ気づいたことがあった。

「僕は複数の人たちに『デスク単位』でスペースの貸し出しをしていたんだ。そうしたら、1つの団体にただのレンタルオフィスとしてスペース全体を貸し出すよりも多くの利益を生み出すことができた。この方法は、貸し出す側にとっても借りる側にとっても、経済的に理に適っているということがわかった」(ラハマニ氏)

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ラハマニ氏は、この方法を活用してもっと大規模なプラットフォームをつくることができるのではないかと考えた。つまり、自分(自社)の所有しているコワーキングスペースを貸し出したい人と、仕事をするためのコワーキングスペースを探している人を結びつけるサイトだ。「デスク単位」ならば、事業としてコワーキングスペースを運営している人や会社だけでなく、空いたデスクを持つ中小企業なども貸出人になることができる

そうして誕生したのがShareDeskだ。近年、シェア系eコマースの成長は著しく、当ブログでもこれまでに数々の事例を取り上げてきているが、このShareDeskもその波に乗ったスタートアップだと言えるだろう。起業家やフリーランサー、ノマドワーカーなどが増えていることも大きな後押しとなっている。

「コワーキングスペースに出向いていけば、椅子に座り、Wifiに接続し、すぐに仕事を始めることができる。このソーシャルかつプロフェッショナルなスタイルは、仕事のためのエネルギーを与えてくれるんだ」(ラハマニ氏)

ShareDeskのしくみとは?

ではここで、ShareDeskのしくみをご紹介しよう。

まず、空いたデスクを持つ企業や団体はShareDeskのサイト上にその情報を登録することができる。貸し出すデスクは、一般的なオフィス、ビジネスセンター、カンファレンスセンター、コワーキングスペース施設など、どこにあるものでも構わない。貸出料金も、1時間毎、1日毎、1週間毎など、自由に設定することが可能だ。

仕事をするためのスペースを探している人は、都市の名前や住所、借りたい期間、利用人数などから、自分にぴったりのコワーキングスペースを検索することができる。たとえば「サンフランシスコ」で検索をかけると、下のようにサンフランシスコ近辺にあるコワーキングスペースが地図とともにリストアップされる。

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気になるスペースがあった場合は、クリックして詳細ページに移動し、スペースの概要説明や利用可能時間帯、料金設定、アメニティ、レビューなどをチェックすることができる。

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吟味の末、借りたいスペースが決まったら、サイト上から予約可能だ。必要情報を入力して予約の申し込みをすると、まずはスペースの貸出人が借り手の情報を確認する。貸出人の承認が出て初めて、予約完了となる。予約ができたら、あとは当日そのスペースへ出向いていって仕事をするのみだ。

スペースの貸出料金はそのロケーションや貸出期間によって大きく異なるが、1つのデスクを1カ月間借りるのに、安いところでだいたい50ドル(約5000円)、高いところでだいたい500ドル(約5万円)だそうだ。ShareDeskは手数料として、貸出人から料金の15%を徴収している。

また、このサイトには「ShareDesk CONNECT」というソーシャル機能がついている。ユーザーは自分のプロフィールをつくり、自分がよく仕事をしているスペースを登録することができるようになっている。そして各スペースで日常的に仕事をしている人をチェックしたり、その人たちにメッセージを送ったりすることができるのだ。ビジネス上のネットワークづくりに大いに役立つ機能だ。

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「この機能を使えば、自分の業界に精通したライター、ブロガー、エンジニア、ビジネスパーソンたちとただ知り合うだけでなく、彼らと仕事上のコラボレーションが生まれることもあるかもしれない」(ラハマニ氏)

ターゲットを的確に絞ること

ShareDeskの真のミッションについて、ラハマニ氏は次のように語っている。

「ShareDeskが実現しているものは、『デスクの貸し出し』に留まらない。同じノマド意識を持つプロフェッショナルが集まるコミュニティを創り出しているんだ」(ラハマニ氏)

出張でニューヨークに行って会議室が必要なとき、ただレンタル会議室を利用するだけではもったいない。ShareDeskで見つけたコワーキングスペースを利用すれば、ただ単に会議をするだけでなく、そのスペースを利用する他の人たちとネットワークを築くこともできるというわけだ。

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ラハマニ氏によれば、現在ShareDeskに登録されているコワーキングスペースのうち、20%程度が「中小企業のオフィスにある空いたデスク」であり、残りの80%程度はいわゆる「専用のコワーキングスペース施設」だという。しかし彼は、今後もっと「中小企業のオフィスにある空いたデスク」を増やしていきたいと考えている。

それはなぜか? 貸出側の中小企業にとって、新たな人材を発掘するチャンスとなるからだ。

ShareDeskにスペースを登録しているテクノロジー関連の企業のなかには、借り手をエンジニアのみに限定しているところもあるとか。もしユニークな才能を持つエンジニアがスペースを借りにやってくれば、スカウトをかけることができるというわけだ。借り手にとっても、仕事をしながらその企業を近くで見ることができるという利点がある。

まだまだ始まったばかりのサービスではあるが、この「AirBnBが成功を収めたビジネスモデル」と「急激に増えているノマドワーカー人口」を考えれば、今後の成長にもかなり期待ができそうだ。ビジネスモデル自体はありふれたものでも、時代の流れを考慮してターゲットを的確に絞れば充分に唯一化が可能だというよい事例である。

次回の海外出張の際には、あなたも試しに利用してみてはいかがだろうか? 新たなビジネスチャンスにつながるかもしれない。

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