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軽減税率についての議論の中間報告

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はじめに

平成 25 年度与党税制改正大綱において、 「〇 消費税率の 10%引き上げ時に、軽減税率制度を導入することをめざす。

〇 そのため与党税制協議会で、速やかに下記事項について協議を開始し、本年12 月予定の 2014 年度与党税制改正決定時までに、関係者の理解を得た上で、結論を得るものとする。

〇 与党税制協議会に軽減税率制度調査委員会を設置し、適宜、検討状況を与党税制協議会に中間報告をする。

〇 協議すべき課題 ・対象、品目
・軽減する消費税率
・財源の確保
・インボイス制度など区分経理のための制度の整備
・中小事業者等の事務負担増加、免税事業者が課税選択を余儀なくされる問題への理解
・その他、軽減税率導入にあたって必要な事項」
とされた。

本年2月、同大綱に基づき与党税制協議会に軽減税率制度調査委員会が設置され、これまで8回にわたり関係団体からのヒアリング等を行ってきたところである。本中間報告は、今後の議論に資するため、同大綱に基づき、これまでの検討状況について、ヒアリング結果を中心に与党税制協議会に報告するためとりまとめたものである。

第一 これまでの委員会の開催状況

第一回 平成 25 年2月 20 日 体制及び今後のスケジュール、欧州における軽減 税率の導入状況等

第二回 平成 25 年3月 13 日 軽減税率制度における検討項目の整理

第三回 平成 25 年4月3日 軽減税率制度について有識者ヒアリング
西山 由美 明治学院大学経済学部教授
片山 信子 国立国会図書館財政金融調査室主幹
佐藤 勝徳 伊藤忠商事株式会社経理部税務室税務室長
今井 亮 三井物産株式会社経理部税務統括室室長

第四回 平成 25 年4月 11 日
軽減税率制度について関係団体ヒアリング、経済団体連合会、日本税理士会連合会、全国農業協同組合中央会

第五回 平成 25 年5月9日 軽減税率制度について関係団体ヒアリング
日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会

第六回 平成 25 年5月 23 日
軽減税率制度について関係団体ヒアリング
日本百貨店協会、日本チェーンストア協会、新日本スーパーマーケット協会、日本フードサービス協会、TKC全国政経研究会

第七回 平成 25 年6月 18 日 軽減税率制度について関係団体ヒアリング
日本歯科医師会、日本薬剤師会、住宅生産団体連合会、全国宅地建物取引業協会連合会、日本医師会

第八回 平成 25 年 10 月 30 日 軽減税率制度について関係団体ヒアリング
全国知事会、全国市長会、全国町村会、日本新聞協会

第二 ヒアリングにおいて出された主な意見

以下は、有識者、関係団体からのヒアリングにおける主な意見を、項目ごとに整 理したものである。

一 対象、品目及び軽減する消費税率について
・ 対象、品目の線引きが困難であり、課税の中立性が損なわれる。また、なし崩し的に軽減対象が広がれば、国民の日常生活に大きな混乱を招くおそれがある。

・ 複数税率の導入は特定分野に恩典を与えることとなり、政治的恣意性の問題がある。また、特定分野への恩典が社会的不公平感を拡大させるおそれがある。

・ 複数税率の導入を議論するのであれば「公平、公正」の観点から、国民各層において徹底的に議論を行い、真に公平な制度を目指すべき。

・ 少なくとも消費税率が 10%の段階までは単一税率を維持するべき。軽減税率は税率が 10%を超えた段階における検討課題。

・ 複数税率対象商品に関して、解釈に疑義が生じないよう細かな部分まで補足する通達類が必要になる。

・ 税率区分がセット商品の種類や組み合わせ方法に制約を与えることになり、事業者による創意工夫、消費者が商品やサービスを選択できる範囲と利便性が損なわれるおそれがある。

・ 税率の振分けの問題の解決には、事業者と国の双方に、大変な時間と訴訟費用 などのコストが生じる。

・ 消費者の食生活を守り、かつ、消費税を転嫁できない農業者の価格転嫁問題を解消するため、食料品、農産物等に対するゼロ税率を導入するべき。

・ 食料品等の軽減税率導入により、売上の減少に歯止めをかけたい。消費者にとっては複数税率のほうがよく、日本の食文化である商品群を選定し、一品でも二品からでも入れていくべき。

・ 軽減税率が導入される際には、住宅へも軽減税率を適用するべき。

・ 社会保険診療報酬等の非課税について仕入税額控除が可能な制度に改め、その際、ゼロ税率、軽減税率を適用するなど患者負担を増やさない制度とするべき。

・ 新聞は公共財であるため、購読料については5%の軽減税率とし、書籍、雑誌、電子媒体についても同じ扱いとするべき。ただし、他の生活必需品が軽減税率の対象とならない場合には、新聞のみ軽減税率の対象とすることは難しい。

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