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家をもたない生活

私の両親の世代が憧れたという「マイホーム」という夢を私も同じように追いかけることはできない。一生「マイホーム」なんてもつことはないだろう。別に、両親がバカだったとか言いたいわけじゃない、その時その時の時代の文脈がある、そしてその文脈の上に乗っかってる人々の欲望は変化していくだけの話し。ああせつなし!

ほらみて、このスマートフォン!画面をのぞき込むと、まるでどこでもドア!ドラえもんになった気分さ。いろんな世界にワープ!ワープ! もはやこの場所に拘束されない気分になってくる。広がるサイバー大陸。あたしたち、よっこらしょどっこいしょっと、この大陸に、家を建設し始めている。mixi facebookは私の居場所。ここに帰ってきたら、なんか安心する。

おまけに、サイバー大陸では「場所」「時間」に囚われないからあたしのことを表現し続けていたら、本当に気兼ねなく話せるお友達がどんどん増えていくの。私たちSNSを自由自在に使う者ってさ、それを使わないどんな人たちよりも「社会関係資本リッチ」になりやすいの。バーチャルご近所付き合いも、お母さんお父さん、祖父母さんの時代とは比較にならないレベル!見て見て!この物々交換マッチングサイト、こんなに豊富なんだから!

サイバー大陸に自分の居場所をつくり、社会関係資本もリッチになった、人ってのが、今の時代にはわんさかわんさか生まれてきてるわけだ。そんな人たちがどんなライフスタイルを採用していくだろうか?それが、今の私の関心ごとでもある。

私は、2010年よりシェアハウスを運営していたのだけど、その運営をやめることにした。シェアハウスの運営も1つの実験だったのだけれど、次は、固定の家をもたない生活を試してみようと思うようになったんだ。

家の機能ってなんだろう?
精神安住の場所?洗濯する場所?お風呂に入る場所?料理する場所?睡眠の場所?セックスする場所?人を招く場所?………….etc

いろんなことが家では行われているけど、それって別に自分の家じゃなくても得られるもんじゃないの?そういう問いが私の中で発生してきたのは、このサイバー大陸に生まれた露出社会のマッチングシステムに身体が順応してきたからだと思う。あれあれこの機能違うところでも行えるんじゃない?

昔はこういういろんな機能を家の中に整理しとくことが最も効率的だったのかもしれないけれど、そういうような整理の仕方をしなくても効率的に生活できる方法が今後生まれてくるんじゃないか?そう予感する。

たとえば、精神安住の場所はSNSに、洗濯はコインランドリーに、お風呂は銭湯に、……..というようにいくらでも、アウトソーシングは可能になる。

また、シェアハウスのような家を都内に4カ所くらいアクセスする権利をもっていたら、そこで何個かの機能を自分が好きなように埋め込んでしまうことも可能となる。

なにも、1つの家で、従来家に人々が埋め込んでいた機能をすべて調達する必要もない。

そう私は考えるのだ。

というわけで、私は8/31日付けで、田端のシェアハウスの契約を解除し、都内数カ所のシェアハウスおよび、私が遊びに来てもOKという人の家へのアクセス権を手に入れたのだ。

これは、生活実験でもある。
情報社会における、生活の可能性を探る実験なのだ。

ちなみに、今の私は家賃0円生活となっている。今までに溜めた社会関係資本を利用して、物々交換契約を行ったのだ。私たちの父母の常識は私たちの常識ではない。今後いろんな生活スタイルが発明されてくることは、間違いないと思う。(続)

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ご意見ご感想はこちらに気軽にどうぞ!
以下、MG(X)編集部員のみなさんのご意見ご感想を紹介したいと思いま〜す。

@cojilo :
約1年近く、都内で定住せずに転々として仕事を続けていた。(MG: 詳細はこちらのブログに書かれていますね!)
確かに家とは何だろうか。モンゴルの民族だって、かつて中央アジアをさっそうと荷馬車で移動したケルト人だって、必要な時、そこに家を用意した。
 都内で転々としていた時、必要な日用品はすべてスーツケースに詰め込んで行動していたが、今回、物々交換(実態の無いものである場合もあるので、みなし等価交換と呼ぶべきか)というキーワードを見て、一つヒントを得た。その時家賃は現金による取引だった。
 もし自分が行うとしたらなんだろうか?決してエンジニアの技術が高いわけではないので、若さを活かして雑務を行うことかもしれない。しかし、そうやって自分が本当に人に対して役に立つ能力は何か?と知ることで、そこから、「給与を得るとはどういうことか?」という思想にいきつく。人は就職して雇用されれば、毎月給与が出るものだと当たり前に思ってしまう。しかし、それは本来、その人の能力が会社に活かされて利益になり(または将来的にそうなると見込まれて)、その上で対価として払われていることに人は気づかなければならない。等価交換の対象が金銭でない時、改めてそういったことに気付かされる。(本題とは違うことではあるが)。

(MG)
私たちは大学を卒業したら会社に所属し、仕事は自然に与えられるものと思っているふしがある。でもそんな甘い時代は過ぎ去ろうとしている。大学を出たのに組織での仕事を得られない。そんなこともあったりする。その時に、死を選ぶのは極端すぎる。自分のちょっとした能力をいかして、貨幣を介せずに「等価交換」を行うことができるかもしれない。おまけにお金も稼ぐことができるかもしれない。そういう原初の経済について改めて考えてもいい気がしているんです。

@atobeck

「家」って何を指すんでしょうね?
住所って聞かれたときに、寝る場所である「家」の住所を答えます。
住民税も住んでいると定義される「家」の住所のある市区町村に納めます。
賃貸か持ち家かで判断して「家」という言葉を使っていません。さらに、前に住んでいた「家」や「実家」といういくつかのホームも存在するのも事実します。
都市に住んでいる大抵の人は会社やカフェや飲食店、移動手段…といろいろな場所で時間を過ごしています。場合によっては、「家」にいるよりも長い時間を他の場所で過ごすこともあります。
すでに、寝る場所と仕事場が一緒の人以外は、「家」を持たないのと同じような生活をしているのかもしれません。

そう考えると、「家を持たない生活」を始めることと「家という概念だけ捨てて」今まで通りの複数のホームを持って暮らしているのは変わらないのかも?(MG:跡部さんのブログにもいろいろヒントがありますね!)

(MG)
東京人は土着的に根ざした暮らしから遊離している点で、いい意味でも悪い意味でも土地からの自由を得ていると考えることができるとすると、誰しもが家をもたないともいえるかもしれません。建築家の黒川氏が、情報化社会の都市の在り方を「江戸」の街にヒントを得たことは非常に興味深いと思います。江戸の街は、その頃から参勤交代などで、国をでてきた(家を出てきた)人々が集う街でもあったからです。家をもたない人々の心の故郷になる場所いついては今後考えていきたいテーマです!

@Ning_Squared

物々交換契約のイメージが見えません。具体的にどんな感じですか?
ノマド側は、何をOfferすることでソーシャルキャピタルを切り崩すことなく家賃ゼロ円生活が手に入るのでしょう?
私も、ひとつのマイホームのローン、或いは家賃に縛られる、それに人生をDefineされる、という生き方は望みません。この前も、「家をどうしても買うなら捨てても惜しくないキャッシュ一括だよね」と言ってものすごい反対されましたが・・・。

私は現時点ではおそらくあなた方の言う「マッチョな生き方」遂行者に近い考え方を持っております。ただ、マッチョ一辺倒もしんどいし(例えば東京オフィスでバンカーやるとか無理)適度に怠惰なのでニッチを探すためのフットワークを惜しまないという意味でノマドにも共感する、というところでしょうか。
ただ、日本というコンサバな場所で非常に頭の良い人がここまでラディカルなことを確信犯的に実行するというのが面白くてたまらないので楽しく参加します。もうちょっと具体的なことが見えてきたら英文記事にして母校のジャーナルに寄稿したいのですが如何?http://www.dukenexus.org/

(MG)
アメリカからの参加ありがとうございます!ま、サイバー大陸では距離は関係ないですからね!笑。物物交換は、等価交換に置き換えた方がわかりやすいかもです。「ITコンサルするかわりに、家の一部屋貸してね!」といった感じです。ソーシャルキャピタルの切り崩しというのは非常に面白い表現ですね!等価交換の場合は切り崩しどころか、さらにその絆が強まることにもなります。もちろん、適当に不親切な行動に出ると「切り崩し」になるので、とても慎重に行動します。母校へのジャーナルですが是非よろしくお願いします!これも等価交換でしょうか?笑

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