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イオンへの思い入れが全然ないからゾンビ映画談義をするけど意志力が節約できる娯楽的消費ならむしろ歓迎したい

イオンで一日過ごす「イオニスト」増殖で消費の定石変わった (NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース

 1990年代に規制緩和があって以来、郊外には大きなショッピングモールが建てられるようになり、そこに様々な消費的娯楽が一極集中して提供されるようになったと言われています。

 速水健朗さんは『都市と消費とディズニーの夢 ショッピングモーライゼーションの時代 』において「都市の公共機能が地価に最適化した形でショッピングモールとしてつくり替えられ、都市全体が競争原理によって収益性の高いショッピングモールのようになっていくという変化、現象」として「ショッピングモーライゼーション」と呼びました。

 客寄せの設備を集中化することで、まずはモールに通ってもらう習慣をつけ「ついで買い」を喚起するわけです。そんな流れのなかで、消費者もそこに最適化していって、ついにはイオンで一日過ごす「イオニスト」が増殖したとの事です。話としては納得ができるのですが、この手の議論を読むたびにいつも疎外感を感じている自分にも気づきました。

千葉県に住む30代主婦は、休日だけでなく平日も週に2回は近所のイオンモールに出掛けるという。

「イオンに行けば食品スーパーはもちろん、100円ショップにユニクロ、マッサージ店やクリニックまで何でも入っています。小さな子供を連れて行っても安心なゲームセンターや運動遊具が利用できる施設もあるので、1日中いてもまったく退屈しませんね。フードコートで休んでから帰ろうと思っても、幼稚園のママ友に会ってつい長話……。家に帰ったら夜の8時を超えていた、なんてことはしょっちゅうです」

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ショッピングモールに向かいつづけるゾンビ

 ショッピングモールといえば、やはり『ドーン・オブ・ザ・デッド』を思い出さずにはいられません。

 大量のゾンビが街を歩くなか、とりあえずショッピングモールに集まる生き残りの人々と、死ぬ前の習慣でショッピングモールに向かうゾンビという対比によって消費社会を皮肉っています。ショッピングモールであれば堅牢性と居住性について一定のリアリティがありますし、お金が意味をなさなくなった時代においては最高の場所であるという憧れもあります。

 ちなみにイギリス映画の『ショーン・オブ・ザ・デッド 』の場合はパブに立て籠もって速攻で破壊されます。イギリスらしい。

 同じアメリカ映画でも『ミスト』の場合はスーパーマーケットであり、店舗入り口にある壁一面のガラスが割れるシーンがあったりして、堅牢性に疑問を抱かせて不安を高める演出がありました。

 堅牢性を高めた「壁」への信仰と、それが崩れてしまった混沌について言えば『ランド・オブ・ザ・デッド』によるゲーテッドタウン化や、それをファンタジーに置き換えた『進撃の巨人(1) 』などが挙げられます。

 自分でも何が言いたいのか良く分かってないのですが、そういう話であれば色々語れるのですが、、自分が暮らす日本に置き換えた連想が全然できなかったりします。むしろ『SIREN』のような寒村の奇妙な風習と屍人の相性の良さばかり思い浮かべてしまいます。

普通の東京生まれ、東京育ち

 それは自身の体験によるものが大きいのでしょう。私自身は東京生まれ、東京育ちであり、転勤で大阪や神奈川に行った事はあっても田舎らしい田舎で生活をしたことはありません。店は点在するのが当たり前であり、そこそこ大きいモールといっても駅ビルぐらいのものです。

 そうなってくると、「イオンモールの便利さ」だったり、そこで一日過ごす事についての実感が全然湧かないんですよね。いくら凄いもののように語られても、あくまで「アメリカの消費社会では・・・」みたいな視点から動けないところがあります。

 そんななか『今、話題のピエリ守山に行ってきた! - 反社会的な中学生』みたいな事にもなっていて、自分が居る場所が本当に日本だったのか分からなくなるぐらいの分断を感じているところがあります。

むしろファスト風土にあこがれている

 ショッピングモールには“ハズレ”が無い。あったとしても、すぐ撤去されて二度と戻って来ない。ということは“ハズレ”を引く残念さ、あるいは“ハズレ”と世間でみなされていても自分自身にとって“アタリ”とみなせるものに出会う確率も低い、ということでもある。
 
 そうした“ハズレ”は、ある面では非効率の産物、一般受けしない何か、誰にとって価値があるのか不明瞭なものだ。贋物を掴むこともあるだろう。“ハズレ”の無さ、贋物の無さは、ショッピングモールの長所でもある。誰でも一定のクオリティの商品を確実に手に入れられる長所は、路地裏の商店には絶対に真似できないものだし、かけがえがないものだ。
 
 ただ、そうした商品に包まれ、あまつさえプライベートな時間の過半を預けてしまい、消費や文化の寡占状態になってしまうことに、問題は無いものだろうか。そういった毎日の繰り返しは感性にどのような作用を及ぼし得るだろうか。
 

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 先のような感覚があって実感があまりに薄いので「ほんとにそんな凄い場所なのか!」という憧れをむしろ感じました。

 私自身はプア充の文脈でTUTAYAに在庫のない音楽や映画はこの世に存在しないのと同じだと思っていますし、『流行りだとか話題のためにアニメを観ること~コミュニケーション基盤としてのオタクコンテンツと進研ゼミ - 情報学の情緒的な私試論βリンク先を見る』のようにコミュニケーション消費*1の期待がないコンテンツは消費できないという病気があります。

娯楽に対する省エネ体質を求められること

 自身が省エネ体質で、セツヤクエストがこびりついているからこそ、十分にキュレーションしてもらった方が楽だという感覚があるのです。休日の予定が決まっているなんて羨ましい。これはApple信者であることにも繋がります。

 昔はパーツひとつひとつのコスパを検討して自作PCなどをしていましたが、そのような欲求はなくなっていきました。まずは純粋に知識が追いついていかないということ、もうひとつは相性問題を考えるが面倒だからです。

 時間がある頃は動かないのを必死で調べて直したり、高い授業料だったと諦めたりすることを含めて娯楽だったのですが、今はそのように思えません。そのような志向になっている時にMacBookやiPodはフィットしました。選択肢が少ないからこそ、後悔も少ないのです。代わりに比較的割高な金額を払うことになってしまっているわけですが。

 PCゲームを買わずにXBOX 360でしているというのも同じ理由です。XBOX 360専用ソフトが動かないなんてことはまず考えられませんから。それは「怠惰」なのかもしれませんが、そこの試行錯誤は本質じゃないかなと思ってしまって共犯的な消費が行われているわけです。

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 それには二面性があって、「たかが娯楽的消費に必要以上の意志力を使う必要はない」という事と、そのぐらい「他に意志力を消費するシーンが増えてしまった」という事です。仕事であれ、契約であれ、意志力を消費しなければならない場面が既に多すぎるのです。ライフハックって意志力消費の削減だと思うのですが、それが求められるほどに。

 『不注意が起こるアーキテクチャを作っておきながら、不注意を責め立てて小銭を巻き上げることを収益に織り込んだ「フールペナルティ型ビジネス」の台頭 - 情報学の情緒的な私試論βリンク先を見る』が成り立つのも「大量の細かい契約が増えたから」ってのは一面であって、仕事が忙しければ忘れてしまう瞬間も産まれるのでしょうし「情強」を気取るために調べ続ければ他に注意力がまわせません。

 そして「本当に楽しいゲームであれば、明日が仕事であっても徹夜してしまうものだ」というテーゼは正しい一方で、徹夜が許されない環境においてはダブルバインドを発生させ、むしろ大きな消耗を自身に課してしまいます。つまり、そこそこ楽しいゲームだから許せるという状況があると思うのです。それはブログであれダーツであれ。息抜きへのストイックさが苦手です。

 なので、「完全に自分にフィットするものを見つけるために自由な消費主体であることなのが本当に幸せなのか?」という事に疑問があるのです。それって「こんな辛い世の中なら、いっそゾンビパウダーを飲ませてくれ」と言っているようで、すごく残念な話でもあるのですが、「僕と契約してイオニストになってよ!」と言われれば「はい、よろこんで!」って答えてしまいそうな自分もいます。

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