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スマイルアゲイン

先週スタートした佐賀県の「障害者月間2013」。そのオープニングのイベントで挨拶するために資料を読み込んでいたら、ある作文に目がとまった。
障碍者に対する理解促進のための作文コンテストの小学生部門で佐賀県1位となったものだ。
その小学6年生の男子生徒の作文には、車椅子生活者だったおばさんの話が書いてあった。
以下はその作文に書いてある内容だ。本当なら伝聞として書くべきだが、そういう前提でお読みいただきたい。


おばさんはもともとは元気だったのが28歳のとき脳内出血で車椅子生活者になったという方だった。いつも笑顔でやさしい人だった。いままで自分はおばさんがおこったり泣いたりしているところを見たことがない。
おばさんと一緒に車椅子で外に出るのは大変だった。
行きたいところがあってもそこに障害者用のトイレがあるか、車椅子でそこにたどり着けるのか、出かける前に必ず調べていた。行けないとわかるとおばさんは「仕方ないですね」と笑顔で明るく言っていた。「あきらめも大事。したいことはいっぱいあるけど、まだまだ障害者にはやさしくない社会。だからできる事があったらラッキーと思って楽しむ。」
と言っていた。

街に出たら出たで、歩道を歩いていても「あー邪魔か」とか「他の所ば通ればよかとに」などと言われることもあり、そのたびにおばさんは「ごめんなさい」と言っていた。自分は「おばさんが謝ることじゃないのに」と思っていたが、おばさんは絶対におこらなかった。

そのおばさんが昨年、ガンで亡くなった。その遺品の中におばさんが誰にも言えない気持ちを詩にしていたノートが見つかった。
障害者として生きることが辛いこと、世の中の人の目が冷たすぎること、あきらめることがつらいこと、障害者であっても人の役に立ちたいこと、それでも生きて笑顔で暮らしていこうと思っていること、弱音を言いたくても家族のことを思って泣けなかったこと。いろいろな気持ちが書いてあった。

その詩のタイトルが「スマイルアゲイン」だった。
どんなに苦しくても辛くても泣きたくても、何度でも笑顔に戻れるようにがんばろう、という意味だ。
自分もおばさんのようにがんばって生きて行きたい。


こういう内容だった。
僕が知事に就任して11年目。自分なりに障碍者の理解促進に向けていろんな取り組みをしてきたつもりだったが、こういう気持ちで暮らしておられた方がいらっしゃったということは、まだまだそれが十分にできていないことを反省しなければならない。これまで以上にしっかりと進めていきたい。

この作文は、佐賀県で1位になった後、全国大会に出品されている。
全国の方々にも読んでほしいと思う。

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