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産業競争力強化法案 経済の構造転換めざす

技術革新を促し、起業も支援

20年以上に及ぶ景気低迷に終止符を打たねばならない。国会で審議している産業競争力強化法案は、成長戦略「日本再興戦略」を具現化する鍵を握る。成立を急ぎ、経済の活性化を実現すべきだ。

自公連立政権による経済再生策の効果で、個人消費や企業の設備投資が持ち直しつつある。家計の悲願である賃上げも徐々に広がり始めた。同法案を成立させ、現在の経済の好循環を持続的な動きに変え、世界市場で生き残るための産業構造転換を急がなければならない。

同法案は、世界に通用するグローバル人材の育成や、エネルギー産業の国際競争力強化など日本再興戦略に明記された重点分野について、今後5年間を実現に向けた「集中実施期間」とした。そのうち確実に実施すべき取り組みについて3年間の実行計画を策定。実行計画では、重点分野の実現を妨げる制度ごとに、改善の実施期限や担当大臣などを明確化、毎年見直す。

評価すべきは、計画の遅れが生じた場合、担当大臣が理由を説明し追加的な措置を講じる義務を課している点だ。政策の作りっ放しでは絵に描いた餅になる。確実に効果を発揮する制度設計が必要だ。

成長戦略の柱の一つは、規制緩和による産業改革である。日本は世界トップクラスの「ものづくり大国」と形容されるが、存在感の低下が指摘されて久しい。グローバル市場は、迅速な経営判断が企業利益を左右する。諸規制が日本企業の「攻めの経営姿勢」を妨げている場合が少なくない。

この視点を踏まえ、法案には次世代自動車の開発などについて企業単位で特例的に規制緩和する「企業実証特例制度」を盛り込んでいる。新たな産業創出には、時として規制の枠を超えた思い切った挑戦が欠かせない。さらに「グレーゾーン解消制度」を創設。健康・医療分野などの重点分野で新事業が規制に抵触するか、企業が国に事前確認できるようにも配慮した。企業の経営判断力を高め、技術革新を積極的に促すことが期待できよう。

中小企業の活性化も重要な点だ。特に、日本は欧米に比べて起業が圧倒的に少ない。意欲ある中小企業の増加は、地域の経済振興や雇用拡大につながる。その意味で、新事業を行う創業者に信用保証制度の特例による支援を掲げた意義は大きい。

この法案の早期成立によって、「日本の経済社会の風景を変える」(安倍首相)取り組みの第一歩とすべきだ。

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