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NPOの抗議を受けての竹田恒泰氏の発言要旨を読んで――「できる」ことと広く行われていることとは違う

タイトルは変えましたが、前回の記事の続きです。前々回の記事「在日が通名で犯罪歴を消せるとの竹田恒泰氏の発言と論評を読んで」に寄せられたお二方のコメントを取り上げています。

今回は「j」さん。この方は10月24日付けでYou Tubeに投稿された動画での竹田氏の反論の内容を紹介しています。
全文引用した上で、私が疑問に思った点について付記しておきます。
■You Tube動画
2013.10.24 「在日特権は事実」と、竹田恒泰が通名制度の具体例を解説(ニコニコ生放送にて)
http://www.youtube.com/watch?v=kJuszQPNOxc
――――――――――
▼竹田氏発言の要旨▼
竹田恒泰氏
(4:02~)私(竹田氏)には、謝罪訂正の要請は来ていない。
(4:40~)私は、在日特権に関しては事実を述べただけ。
(5:28~)聞いたら、地上波で在日特権の話題が出たことは殆ど無いらしい。在日特権については基本的にテレビではやらない。在日はテレビで在日特権が出ると、特権がばれて無くなると困るから、読売テレビや慶應大学に沢山抗議している。
(8:15~)銀行口座は本名でも通名でもすぐに作れる。通名は申請すればすぐに変えられる。
(9:06~)銀行に勤める友人に確認したが通名で銀行口座は作れる。すぐに変更できる通名でいろんな銀行口座が作れたことは所得隠し・脱税の温床。
(9:37~)通名を長い間使うと通名を本名にすることができる。そうすると新しい本名でまた新たな通名をつくれる。→無限ループ
(10:15~)まず金融履歴が消える。要するに金融のブラックリストから消えるから、新たな融資を受けることが出来る。
(10:30~)犯罪履歴があっても、事実上消える。報道も通名で報道される。通名を変え、本名も変えることが出来るから、企業が持っている犯罪データベースに反映されない。警察が時間と労力をかけて丹念に追って行けば人定は可能だが、普通の企業では無理であり、在日は通名や本名をコロコロ変えることによって犯罪履歴や金融のブラックリストを無効化できる。税務署も追い難い。
(12:53~)日本人は同じ事が出来ないから、これは「在日特権」だ。
(13:29~)私は事実に基づいて述べただけ。在日特権があるということを在特会が知らしめたことは、一つの意義がある。
(17:35~)在日はテレビで通名のことを話されたのがショックだったようだ。触れてほしくなかったみたいだ。しかし、在日特権があることは事実で、問題だ。日本の国益に反する。事実を事実として言っただけ。だから何も撤回することは無い。おそらく読売テレビも訂正しない。なぜならば事実だから。謝罪も訂正もしない。ましてや差別もしていない。
――――――――――

上の動画を視聴すると、竹田恒泰氏は「在日が宝に成り得る」などという御門違いな見解も述べているが、通名が在日特権であることについては非常に分かり易く、説得力のある説明をしている。

在日朝鮮人や在日韓国人どもは、申請すれば通名をすぐに変えることが出来る。

通名を長期間使うとその通名を本名にすることができ、その新しい本名でまた新たな通名を作って、どんどん変更することができる。

結局、在日は、過去に悪い事をしたり、借金を踏み倒したりしていても、犯罪歴や金融機関のブラックリストに掲載された都合の悪い名前から逃れることが出来る。

通名が在日特権なのは事実・竹田恒泰氏が抗議に反論・通名変更は30分で終わる・犯罪歴は消せる
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-5243.html
「地上波で在日特権の話題が出たことは殆ど無いらしい」
そりゃあないでしょう。そんなものは存在しないんだから。デマなんだから。
例えば通名については、在日が通名を用いていることは昔から広く知られていましたし、それに対する批判もありました。しかしそれを「特権」だとする批判は近年在特会などが始めたものであり、その内容もおよそ在日の生活実態とはかけ離れた空理空論であって、地上波で取り上げるような性質のものではありません。

「在日はテレビで在日特権が出ると、特権がばれて無くなると困るから、読売テレビや慶應大学に沢山抗議している」
「発言は明らかに事実に反し、偏見を助長する」として抗議されているんですが。

「銀行口座は本名でも通名でもすぐに作れる。通名は申請すればすぐに変えられる」
「銀行に勤める友人に確認したが通名で銀行口座は作れる。すぐに変更できる通名でいろんな銀行口座が作れたことは所得隠し・脱税の温床」
これ、「友人に確認した」のは通名で銀行口座が作れるという点だけではないのでしょうか。あとはかねてからの在特会の主張ではないでしょうか。
「すぐに」かどうかはよくわかりませんが、通名を変えられるのは事実なのでしょう。それで口座も作れるのでしょう。
しかし、前回も述べましたが、それが「所得隠し・脱税の温床」になっていると、警察や税務当局や金融機関が言っていますか?

「通名を長い間使うと通名を本名にすることができる。そうすると新しい本名でまた新たな通名をつくれる。→無限ループ」
これはいったい何を言っているのかよくわかりません。
在日韓国人李正煕(仮名)が通名田中一郎(仮名)を長期間名乗っていれば、本名である李正煕を田中一郎に変えることができるとおっしゃりたいのでしょうか。
しかし、彼は李正煕という本名で韓国において国民として登録されているわけです。それを田中一郎と変えるには、韓国にその申請をして、許可される必要があります。韓国政府はそんなことを簡単に認めるのでしょうか。
そして、その韓国において改められた本名をわが国の当局に申請し、登録してもらうということになります。何のためにそんな手間暇をかける必要があるのでしょうか。
在特会や竹田氏の主張では、通名を簡単にいくらでも変更できるというのですから、本名を日本人風に改める必要が何故あるのでしょうか。
在日がわが国に帰化する際に、通名を日本国民としての本名とすることはあるでしょう。しかし、韓国籍のままで、わざわざ本名を日本人風に変更することに何のメリットがあるのかよくわかりません。変更したとしても外国人登録上は当然同一人物として扱われ、別人になることはできません。そんなことが一般に行われている様子も見受けられません。
竹田氏は通名とはどういうものか、やはりおわかりになっていないように思います。

「まず金融履歴が消える。要するに金融のブラックリストから消えるから、新たな融資を受けることが出来る」
前回述べたように、私は金融機関のブラックリストの取扱いはよく知りません。そういうこともあるのかもしれません。
しかし、これも前回述べましたが、通名を用いているのは何もいわゆる在日だけではなく、一般の外国人にもたくさんおられます。また、日本人であっても、結婚や離婚や養子縁組などで姓が変わったら、同様にブラックリストから消えるということになるのではないでしょうか。
いや、日本人や一般の外国人はそんな悪用はしないが、在日は平気でそういうことをするんだとおっしゃるなら、金融機関側からそうした声が上がっても良さそうなものですが、そんな話は聞きません。

「犯罪履歴があっても、事実上消える。報道も通名で報道される」
「事実上」というのはどういう意味でしょうか。警察や検察が管理している犯罪歴は消えないが、通名報道、あるいは後で通名を変更することにより、世間一般には犯罪歴をなかったことにできるという意味でしょうか。
私が前々回引用した書き起こしによると、竹田氏は、「たかじんのそこまで言って委員会」では、
「たとえば通名っていうのがあって、日本人の名前に変えることによって、今までの犯罪歴から、金融関係の経歴から全部消すことができて、また新たな犯罪ができるとか、そういうことをですね、〔在特会は〕かなり表現したんですね」
と発言したとされています。「事実上」とは述べていません。You Tubeで竹田氏が「事実上」と述べているのなら、こっそり発言を修正していることになります。
私はこの「たかじんのそこまで言って委員会」の番組自体を見ていません。しかし、上記の書き起こしのとおりであれば、視聴者の中は、例えば在日の李正煕が罪を犯し処罰されたとして、後から通名田中一郎を登録すれば、また罪を犯したとしても、彼は初犯者田中一郎として処遇され、李正煕の前科は処分に反映されないのだと誤解した方がかなりおられるのではないかと思われます。
竹田氏はYou Tubeで、「委員会」での発言は事実であり訂正も謝罪もしないと述べておられるそうですが、私はこの一点だけについても、竹田氏は発言を訂正し謝罪すべきであると考えます。

また、通名報道により、世間一般には犯罪歴をなかったことにできるといった見方も私には疑問です。
この点については、少々長くなりますので、おって稿を改めて述べたいと思います。

「通名を変え、本名も変えることが出来るから、企業が持っている犯罪データベースに反映されない」
「企業が持っている犯罪データベース」とはいったい何なんでしょうか。広く一般の犯罪の情報を収集している暇な企業がどこにあるのでしょうか。

「警察が時間と労力をかけて丹念に追って行けば人定は可能だが、普通の企業では無理であり、在日は通名や本名をコロコロ変えることによって犯罪履歴や金融のブラックリストを無効化できる」
繰り返しになりますが、通名や本名を変えられるのは在日だけではありません。一般の外国人も、日本人にもできます。
在日だけが「コロコロ変え」てそうした問題を引き起こしていると主張するのであれば、在特会や竹田氏はその根拠を示すべきです。
そもそも、通名を変えようが、本名を変えようが、それは全て登録されるのですから、「時間と労力をかけて丹念に追」うなどというものではないと思うのですが。
本当にうまくやろうと思えば、偽名を用いたり、他人の名義を使うんじゃないんでしょうか。

「税務署も追い難い」
少なくとも、警察が追えるのであれば、同じ公的機関である税務署も追えるのではないでしょうか。

「日本人は同じ事が出来ないから、これは「在日特権」だ」
前回も述べましたが、必要があってペンネームなどの通称を用いている人は、それで口座を開くことができるのではないかと思われます。
一般の日本人が通名を用いないのは、その必要がないからです。対するに在日の場合は、日常生活の中で通名を用いる必要性があるから、認められているのでしょう。
同じことができないから特権だと言うなら、一般の日本人にも同じことを認めよと主張すればよさそうなものですが、彼らは決してそうは言いません。不思議ですね。
もっとも、通名を使う必要のない者が、我々も通名を悪用したいからその仕様を認めるべきだなどとはさすがに主張できないのでしょうが。

で、この「j」さんは、締めくくりに
「通名を長期間使うとその通名を本名にすることができ、その新しい本名でまた新たな通名を作って、どんどん変更することができる
「結局、在日は、過去に悪い事をしたり、借金を踏み倒したりしていても、犯罪歴や金融機関のブラックリストに掲載された都合の悪い名前から逃れることが出来る
と述べておられます。
在特会も竹田氏もこの「j」さんと同様、在日はあれもできる、これもできるとさかんに述べておられるわけですが、それらが制度的に「できる」からといって、それが実際に在日において広く行われているとは必ずしも言えません。
もちろん、報道されているように、通名を多数回変更して携帯電話を詐取するなど悪用している在日がいるのは事実です。中には、経歴を逃れる目的で通名を変更する在日もいるのかもしれません。しかしそれは、婚姻制度や養子縁組制度を悪用して身分を偽る日本人がいるのと同じことです。
前回も述べたように、一般的には在日は通名や本名を変えはしないものです。たとえ犯罪歴があったとしてもです。特異な事例を一般化しているところに、在特会の主張の最大の問題点があります。
在日一般が「通名や本名をコロコロ変え」てわが国を蝕んでいるかのように語る在特会の主張はデマであり、それを真に受けて「意義はあった」と公共の電波で述べた竹田氏の責任は大変重いと私は考えます。

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