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同時に裁かれる特捜〜石川知裕議員らの初公判を傍聴して

 政治資金規正法違反の裁判だというのに、検察の冒頭陳述はまるでダム建設の受注を巡る汚職事件のようだった。嫌疑がはっきりしているなら収賄罪で立件すべきで、それができないものを、被告人らの悪いイメージをかきたてる印象操作に利用するというのは、フェアと言えるだろうか。

 弁護人の冒陳で驚いたのは、大阪地検から応援で派遣された前田恒彦元検事(証拠隠滅で起訴)が、大久保隆規元秘書を約2週間にわたって取り調べた際、ほとんど検察事務官を同席させることなく、完全な密室状態だった、ということだ。そこで前田元検事は、時に号泣するなど不可解な言動もあった、という。

 さすがに検察側はこの調書の証拠請求を撤回したが、弁護側主張が事実なら、東京地検特捜部はなぜこのような取り調べを許していたのか、説明を聞きたい。

 また、石川知裕衆院議員の女性秘書に対する事情聴取は、任意であるはずなのに、子どもを保育園に迎えに行くことも電話をすることも許さず、10時間にわたる威圧的なものだった、と弁護人は主張。池田光智元秘書の弁護人も、調書への署名を迫った検察官から「署名しなければ保釈されない」「署名すれば悪いようにしない」などと取り引きめいた発言があったと指摘した。

 石川議員が、保釈後に受けた取り調べを録音した内容も印象的だった。検察官がしきりに、捜査段階の供述を変更すると小沢一郎民主党元代表に不利になる、という趣旨の話を執拗に繰り返している。石川議員が、いくら「(小沢氏に借り入れた)4億円を隠すために時期をずらしたわけではない」と説明しても、検察官は聞き入れない。3時間半後には石川議員も「分かりました。忸怩たる思いが…仕方ないです」と主張を通すことを諦めたようだ。

 こうした状況からは、検察側の筋書きに沿わない調書は絶対に作成したくないという検察側の強い意志が伝わってくる。大阪の郵便不正事件でも、検察の筋書きに合わない供述は調書にしてもらえない、という問題があった。特捜検察に共通する問題かもしれない。

 今後の公判では、取り調べ検事も出廷する。被告人3人だけでなく、特捜検察の捜査手法も同時に裁かれている、と言えるだろう。

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