記事

公安警察が藤原紀香を監視!? 特定秘密保護法で「警察の監視が広がる」と元警察幹部が懸念

特定秘密保護法案については、10月22日(火)に与党が合意し、10月25日(金)に閣議決定されて国会に提出された。

取材や報道が大きく制限される可能性があるというのに肝心のマスコミの報道はかなり低調だ。テレビを見ても、大きな節目だったこの一週間で、特定秘密保護法案について時間をさいて特集したニュース番組はごくわずかだった。

以前、Yahoo ニュースで、藤原紀香さんが法案に反対するパブリックコメントを求める呼びかけをブログに載せていたことを伝えた。

各所で読んでみたらその適用範囲が曖昧なので、そのようなスパイ行為にあたるものだけでなく、国が‘この案件は国家機密である’と決めたことに関しては、国民には全く知らされないことになり、放射能汚染、被爆などのことや、他に、もし国に都合よく隠したい問題があって、それが適用されれば、私たちは知るすべもなく、しかも真実をネットなどに書いた人は罰せられてしまう。。。なんて恐ろしいことになる可能性も考えられるというので、とても不安です(>_<)
出典:藤原紀香公式ブログ
このまま施行されてしまうと、「日本の国土がどれくらい汚染されたのか明らかにしたい」ということさえ、タブーになってしまう可能性があるとのこと。国が、これらを「特定秘密」に指定すれば、反対の声を挙げている人たちや、真実を知ろうとして民間で調査している人やマスコミ関係者などが逮捕されてしまう可能性があるって。。。日本は民主主義国家ではなくなってしまうのかな(T_T)
出典:藤原紀香公式ブログ

藤原さんのブログを読んで私は以下のように記した。

目立たないブログという形ながら、しっかりと態度を表明した藤原紀香さん。 そのささやかな行動に拍手を送りたい。
出典:|Yahoo ニュース 個人

ところで、パブリックコメントの応募期間は原則30日以上と定められているが、秘密保護法に関しては募集はわずか15日しかなかった。あまり注目されたくないといわんばかりにひっそり募集していたが、藤原さんの呼びかけ効果もあったのか、結果として9万件超の意見が寄せられ、反対する声が77%、賛成する声が13%と、圧倒的に反対が多かった。

「『特定秘密の保護に関する法律案の概要』に対する意見募集の結果」

1 賛成の立場からの御意見(11,632件)
特定秘密の保護に関する法律案に賛成の立場からの主な御意見は、以下の とおりです。
○ 我が国の安全保障のために、秘密を守ることは必要である。
○ 法案を迅速に成立させ、国内のスパイを取り締まれる状況にしてもらいたい。
○ 罰則の最高刑が軽すぎるので、漏えいの抑止力にならない。

2 反対の立場からの御意見(69,579件)
特定秘密の保護に関する法律案に反対の立場からの主な御意見は、以下の とおりです。
(1) 全般
○ 国民の知る権利や報道の自由が侵害される。
○ 現行法令で十分であり、法律を制定する必要性がない。 ○ むしろ、情報公開を進めるべきである。

(2) 特定秘密の指定に関する意見
○ 特定秘密の範囲が広範かつ不明確であり、特定秘密の指定が恣意的になされる。
○ 原発問題、TPP交渉等に関する情報が特定秘密に指定される可能性があり、重要な情報を知ることができなくなる。
○ 特定秘密の指定や有効期間の延長について、第三者によるチェックが働くようにするべきである。
出典:「『特定秘密の保護に関する法律案の概要』」に対する意見募集の結果

また、10月3日の毎日新聞によると、秘密保護法案の各省庁の検討過程について情報公開請求したところ、開示文書はほとんど「真っ黒塗り」になっていたという。

(http://mainichi.jp/select/news/20131003k0000m040141000c.html)

こうしたなか、10月12日の東スポWeb は、法案に反対の声を上げた藤原紀香さんについて公安が背後を調べていた、という独自ニュースを伝えている。

紀香登場で反響は大きかった。政府関係者は「なんで?と思いましたよ」と驚くばかり。それだけではない。公安が紀香の背後関係を調査したというから驚きだ。「この法案にはいろんな団体が反対しています。なかには公安の監視対象になっている団体もある。なので『念のためではありますが、藤原さんがそういった団体の影響で書いているのかどうかを調べました』と公安が言うんです。結論はシロ。純粋に心配だからそう書いたといいます」(永田町関係者)
出典:東スポWeb

10月25日に国会に提出された法案は「報道の自由」への配慮規定が盛り込まれたものの、規定は単なる努力目標に過ぎず、恣意的な運用をされても検証のしようがない「あいまいさ」を残すものだった。

法案提出の夜、放送されたテレビ朝日『報道ステーション』はこの問題に時間をさいた。

元北海道警察幹部の原田宏二氏(75)がVTRインタビューで登場して以下のように話した。

捜査権限を警察が持つわけですから、厳密には捜査じゃないのに、捜査と称していろんなことをやり始める。

原田さんは北海道警察に5つある方面本部の最高幹部、道警釧路方面本部長だった。2004年には元幹部として警察の組織的な裏金づくりを告発した。

警察の捜査が特定秘密保護法案によって恣意的に、広範囲に及びかねないと警鐘を鳴らす。

原発のいろんな細部の情報というのは、間違いなく特定秘密になるでしょうし・・・プルトニウムは原子爆弾になると言われていて・・・

原発反対の運動は全国的に行われてる。運動を進めていく上で、政府の持っている情報を出せと迫る。それは犯罪行為にはならないかもしれない。でも、一つやり方を違えると教唆とか扇動とか罰則がある。知ろうとする行為が委縮する危険性がある。

秘密保護法違反になる、ならないじゃなくて、そういうことをやりそうな蓋然性が少しでもありそうな人をデータとして集めていくんですよ。

監視とかの対象になることはあるでしょうね。知らない間に。

事件として検挙するということよりも(警察は)それで揺さぶれるでしょ、相手を。

これ以上できないな。危ないな。そういうこと(政府情報を求める行為)をやめることもありうる。

つまり、警察が監視することで、いろいろな場面で人々が権力を批判したり、権力が持つ情報の公開を求めたりすることを踏みとどまらせる効果がありうる、というのだ。

北海道警察の裏金事件では、当時の北海道新聞の高田昌幸記者(現・高知新聞記者)が数多くのスクープ報道をものにした。彼は警察権力を知り尽くす全国でも数少ない記者で、あの手この手で警察が隠していた事実を暴いていった。

5月18日に放送されたTBS『報道特集』のなかで、高田記者は、特定秘密保護法が成立した後で「実際に取り締まりにあたるのは警察」だと明言する。警察が市民の行為を様々な形で監視するようになると予言しているのだ。

この構図を説明する上で高田記者が強調したのが「権力はウソをつく」ということだ。

「権力はウソをつく」。

高田氏の実感は、やはり報道記者として、官僚や政治家、警察などを取材するうちに私自身にも育った実感でもある。

ディープな問題を取材すればするほどよく分かるが、権力をもつ人たちは平気でウソをつく。

誠実そうな顔をしながら。イケシャーシャーと。

彼らは自分たちに都合の悪い事実を隠し、体裁をとり繕うためなら何だってする。

これは驚くほどだ。

さて、元警察幹部である原田宏二氏は前述のインタビューのなかでこうも言っている。

(秘密)指定自体が分からないんだから。当たり前だけど、みなさん気がついていない。 

確かにどこかの活動家らしき人やジャーナリストと名乗る人物がテロや防衛、外交上の秘密に関係する深い情報を求めているらしく、怪しいぞと警察が察知したとして、その人物が狙っているものが確実に「特定秘密」に指定されているかどうかは、個々の警察官にとっても、最初は分かりようがない。となると、そういうジャンルに関心を示して行動する人物、たとえば原発とか自衛隊の問題などのジャンルについて、もっと内部を調べたり情報公開で証拠を手に入れようとする人物、グループに「あたりをつけて」ふだんからマークするに違いない。

そうなってくれば、警察がこれは怪しいと思った人の行動や背景を監視したり、捜査するというのは必然的な流れだ。

自分の知らないうちにマークされてしまう。 

特定秘密保護法が成立する前の現在でさえ、藤原紀香さんのような、どうみても特定団体との結びつきがなさそうな女優さんが、その背後関係を疑われ、調査されてしまう。

そんなことを平気で行うのが国家権力であり、警察という組織だ。

このうえ、特定秘密保護法が出来たら、警察、とりわけ、公安警察はどういうふうに動くのだろうか。

それをケースごとに詳しく説明してほしい。

それを丁寧に説明しないで法案を通そうとするのは、すでに「監視国家化」が事実上、スタートしているのと一緒ではないか。

テレビ各局の報道ぶりを見ていたら「この法案は間違いなく成立するでしょう」と他人事のように解説するキャスターがいた。

数の理屈では確かにそうなのだろう。

法案は11月上旬に衆議院で審議入り、国家安全保障特別委員会で審議、11月中旬に可決、参議院に送られる見通し。遅くても会期末の12月6日までに成立させるという。

これまであまり報道されていなかった特定秘密保護法と警察による情報収集や監視の問題。

この問題はもっと議論すべきだろう。

一連の報道を見て、にわかに不安が募ってきた。

それにしても、この法案については以前からいろいろな懸念が示されていたのに、『報道ステーション』は国会提出が終わったタイミングでなぜ警察の問題を報道したのだろう。

もう事態がほとんど決まってしまったようなタイミングで、「問題がある!」と騒いだところで、時すでに遅しではないか。

あわせて読みたい

「特定秘密保護法」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    京都大学がGW10連休を「無視」か

    川北英隆

  2. 2

    韓国の親日美人議員を北が罵倒

    高英起

  3. 3

    安倍首相による平和賞推薦に疑問

    舛添要一

  4. 4

    統計不正は森友と同じ忖度行政

    岸本周平

  5. 5

    辺野古の賛否問う県民投票に疑問

    MAG2 NEWS

  6. 6

    日本=悪者 韓国のフェイク教育

    NEWSポストセブン

  7. 7

    林修 ブレイク6年目も消えない訳

    文春オンライン

  8. 8

    「ダメ、ゼッタイ。」が生む偏見

    WEDGE Infinity

  9. 9

    コメ生産で日本の技術求める中国

    WEDGE Infinity

  10. 10

    医師と患者で差「完治」の解釈

    中村ゆきつぐ

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。