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戦争準備のための秘密保護法案は廃案にするべきだ

 特定秘密保護法案が閣議決定され、衆院に提出されました。12月6日までの短期間での成立が狙われていますが、徹底審議によって法案の危険性を明らかにし、廃案に追い込むべきです。
 政府が勝手に秘密だとして情報を秘匿し、国民の「知る権利」を制限する反民主主義的な悪法であるだけではありません。その主眼は軍事機密の保護にあり、戦争準備ための危険な法律でもあるからです。

 それにしても、安倍首相の戦争準備と軍事国家に向けての「暴走」は目に余ります。集団的自衛権の行使容認のために有識者会議「安保法制懇」を再開させ、内閣法制局長官の首をすげ替え、オスプレイの配備と日米共同訓練を強行し、武器輸出三原則を緩和させようとしています。
 この一連の経過の中で、今回、日本版NSC(国家安全保障会議)の設置と抱き合わせで「国の安全保障に著しい支障がある」と判断された情報を保護するための新しい法律として、特定秘密保護法案が国会に提出されたというわけです。その先には、アメリカと共に戦争できる国という目標が設定されていることは容易に見て取ることができるでしょう。
 自民党の石破幹事長は防衛相時代の大臣室に軍艦のプラモデルを飾るなど「軍事オタク」として知られていますが、さしずめ安倍首相は「戦争オタク」と言うべきでしょうか。現政権の中枢がこのような特異で危険な人物によって担われている点に、今日の日本の不幸があります。

 さて、このような政権によって提起されている特定秘密保護法案ですが、大きく言って三つの問題があります。第一に、何が秘密かは秘密にされており、その内容は政府が勝手に指定することができること、第二に、「知る権利」の保障が不十分で、報道機関や市民団体の取材や調査が罰せられること、第三に、将来的な情報公開の規定がなく、特定秘密とすれば永久に秘匿することが可能になることです。
 これによって、政府は「知る権利」や「報道の自由」を制限して隠したい秘密を隠すことができるようになります。こうして、主権者である国民は重要な情報の入手を妨げられ、民主主義の基盤が崩れてゆくことになるでしょう。
 この法案を容認したり支持したりする人物や団体は、民主主義を口にする資格を失うことになります。この法案を批判したり反対したりしない報道機関は、その資格を放棄したものと見なすべきでしょう。

 今日の『日経新聞』の1面には、この法案の提出についての記事が出ていませんでした。「社説」も、この法案を取り上げていません。
 その程度の扱いで良いと判断したところに、『日経新聞』の立場が示されています。さすがに、2面には「秘密保護法案 国会に提出」という記事が出ており、「行政の過大裁量に懸念」という指摘もあります。
 しかし、この「過大裁量」によって取材活動が大きく制約される可能性があることを、『日経新聞』は気がついているのでしょうか。次のような指摘は、報道機関にとっても死活的な問題なのではないでしょうか。

 「野党は秘密保護法案が、国民の『知る権利』を損なうおそれがあるとして追及する。同法案は知る権利や報道・取材の自由への配慮をうたうものの、具体的な規定があいまいだからだ。
 例えば『取材活動は法令違反または著しく不当な方法でない限り正当な業務』と明記し、政府も『通常の取材は罰しない』と説明する。しかし、『当・不当』の線引きは明確にせず、個別に判断する方針だ。」

 これは、『日経新聞』の記者が書いた記事です。ここでも、「『当・不当』の線引きは明確にせず、個別に判断する方針だ」との指摘が、はっきりとなされているではありませんか。
 そのような「具体的な規定があいまい」な法律の下で、自由な取材活動ができると考えているのでしょうか。それは「野党」の「追及」にまかせておいて良い問題なのでしょうか。
 報道機関は、まさに取材の「当・不当」が問われる当事者ではありませんか。自らの問題として捉え、ジャーナリズムとしての存在をかけ、取材の自由を守るために、この法案には明確に反対しなければなりません。

 アメリカから与えられた軍事機密を守るために自国民を罪に問うような愚かな政府であって良いのでしょうか。これでは対米従属の極みと言うしかありません。
 民主主義国家としてのあり方からすれば、秘密の保護より情報の公開をこそ、求めるべきでしょう。まして、その秘密が戦争の準備や遂行のためのものであるということがはっきりしている以上、この法案の廃案によって、そのような秘密を持つ軍事国家にはならないという意志を明確にするべきではないでしょうか。

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