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次世代のラルフ・ローレン? 9歳の少年が立ち上げた蝶ネクタイ販売ビジネス「Mo's Bows」

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あなたは9歳の頃、どんな子どもだっただろうか? 放課後は、何をして過ごしていただろうか? 僕自身は外で遊んでいたとか、家でゲームをしていたとか、テレビを観ていたとか、それぐらいしか記憶にないが(笑)、世の中には「仕事にいそしむ」9歳の少年というものもいるらしい。

今回ご紹介する「Mo's Bows」の創業者がそうだ。現在11歳の彼は、9歳のとき、自分が手づくりした蝶ネクタイを販売するビジネスを立ち上げた。これまでに生まれた利益は3万ドル(約300万円)を超えるという。

まだオンラインでの販売場所はEtsyのみであるため、やや「番外編」といったストーリーだが、eコマースに携わる人々や起業を考えている人々に勇気を与えてくれるストーリーなので、ここでご紹介してみたいと思う。

自分の好みに合う蝶ネクタイがない

Mo's Bowsの生みの親は、Moziah Bridges(以下モージア)くん。母親のTramica Morris(以下モリス)さんによると、モージアくんは物心つき始めた頃からオシャレが大好きで、どこへ行くにもシャツにスラックスというようなスタイルをしていたという。

「僕はかっこよくドレスアップするのが好きなんだ。前は普通のネクタイをつけていたけど、あるときから蝶ネクタイをつけるようになった。だって、蝶ネクタイのほうがクールだからね」(モージアくん)

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しかしこだわりの強い彼にとって、自分の好みの蝶ネクタイを見つけ出すことは難しかった。そこで思いついたのが、「自分でつくる」ということだった。

「なかなか僕にぴったりの蝶ネクタイが見つからなかった。僕のおばあちゃんはもう80年以上も裁縫をしていたから、おばあちゃんに蝶ネクタイのつくり方を教えてほしいってお願いしたんだ」(モージアくん)

モージアくんは、自分だけの蝶ネクタイをつくるためにおばあちゃんから裁縫を習い始めた。うまく縫えるようになるのに、数カ月はかかった。やがて、つくった蝶ネクタイを親戚や友達に販売し始めた。そこで手ごたえを感じた彼は、これをビジネスにしようとEtsyで自分のショップ「Mo's Bows」を立ち上げたのだ。

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「私はモージアにこう言ったの。『大人になるまで待つ必要なんかないわ。夢と情熱があるならば、とにかくやってみなさい』ってね」(モリスさん)

モージアくんがEtsyで蝶ネクタイの販売を始めると、「9歳の少年がビジネスを立ち上げた」という話を聞きつけた多くのメディアがインタビューにやってきた。彼の蝶ネクタイはテレビや雑誌などで取り上げられ、それを見た人々のクチコミで少しずつ広まっていった。

ユニークな蝶ネクタイの数々

モージアくんがつくる蝶ネクタイは、色も柄もさまざまだ。ポップなスタイルからクラシックなスタイルまで、幅広い種類の蝶ネクタイがそろっている。価格帯は、20ドル(約2000円)~60ドル(約6000円)程度。それぞれの蝶ネクタイにはユニークな名前がついており、蝶ネクタイのデザインや生地のチョイスも、モージアくんがすべて自分で行っている。

最初はオンラインでのみ販売されていた蝶ネクタイだが、今では6つの州(テネシー、アラバマ、テキサス、ルイジアナ、サウスカロライナ、アルカンザス)にある8カ所のショップでも販売中だ。

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「Mo's Bows」では、普通の蝶ネクタイだけでなく、チャリティー用の蝶ネクタイも販売している。2012年に販売した「Go Mo! Scholarship Bow Tie」は、その売上の100%が、恵まれない子どもをサマーキャンプに参加させてあげるための資金として利用された。それも、モージアくん自身の発案だった。

「大変な境遇にある子どもたちを見て、サマーキャンプに行かせてあげたらいいんじゃないかって思ったんだ。周りの人々に手を貸してあげるのは大切なことだからね」(モージアくん)

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その他にも、乳がん啓発運動の一環としてピンク色のシルク地で蝶ネクタイをつくるなど、社会貢献も意識しながら商品づくりを行っている。著名なニュースキャスターやセレブに自分がつくった蝶ネクタイをプレゼントするなど、大企業が行うようなマーケティング手法をさらりと取り入れているのもおもしろい。

成功するチャンスは誰にでもある

この「Mo's Bows」はモージアくんが立ち上げたビジネスではあるものの、やはりその裏には母親のモリスさんやおばあちゃんをはじめ、家族からのサポートが存在する。1人でビジネスを運営しているとはいえ、まだ11歳の少年なのだ。

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「モージアは、1人で蝶ネクタイを完成させることができるわ。でも、あの子が苦手なこと、たとえばアイロンがけなんかの作業は、私たちが手伝うこともあるわね」(モリスさん)

展示会のブースに立っているときなども、集中力が途切れて他のことに気をとられてしまったりすることもあるとか(笑)。

とはいえ、商品づくりには一切妥協しないし、学校から帰ってきてからモリスさんが「もう寝る時間よ」と声をかけるまで、ひたすら蝶ネクタイづくりをしていることもあるという。そして彼は、他でもない自分自身がビジネスを運営しているのだという責任感もきちんと持ち合わせている。

「私がちょっと口を挟みすぎたりすると、あの子はふざけて私のことを『momager(mom+manager)』って呼ぶのよ(笑)」(モリスさん)

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今後、「Mo's Bows」ではもっと販売商品を増やしていく予定だそうだ。蝶ネクタイだけでなく、普通のネクタイやポケット・チーフ(スーツの胸ポケットに入れる、アクセサリー用のハンカチーフ)なども取り入れたいと考えている。そしていつかお金が充分に貯まったら、子ども用のブレザーやパンツなどをつくる会社を立ち上げるのがモージアくんの新たな夢だ。

「ラルフ・ローレンは10歳のときにネクタイの販売を始めたんだ。だから僕も、彼のように有名なファッションデザイナーになれるかもしれない。それを目指して、これからも今のビジネスを育てていくつもりだよ」(モージアくん)

インターネット技術が発達したおかげで、ビジネスを立ち上げるのも昔と比べてずいぶん簡単になった。高額な投資をして街中に店舗をつくらなくても、パソコンさえあればオンライン上で商品の販売ができてしまう。成功するためのチャンスそのものは、たくさんの人に平等に与えられている。あとは、入念に準備をしたうえで、実行に移すことができるかどうかだ。

9歳の少年にできて、あなたにできないわけがない。1番大事なのは、夢と情熱なのだ。

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