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シリア内戦とトルコ

トルコはシリア問題の発生当初から、アサド政権非難、反政府は支持の先頭に立っていたように思いますが、シリア内戦が長期化し、反政府派の中でのアルカイダ系(「イスラム国家」とヌスラ戦線等)の勢力が強くなり、彼らがクルド勢力や自由シリア軍と戦うような状況にいたり、トルコは極めて微妙な立場に立たされている模様です。

一つはイスラム過激派の存在そのものと、彼らが自由にトルコを経てシリアに出入りしている状況に対する、欧米や人道組織の批判が高まっていることです。

トルコ関係者自身も、900kmに及ぶ国境を完全に支配することは困難で、イスラム過激派の人員武器等が、かなり自由に国境を越えてシリアに出入りしていることを認めているが、特にamnesty international などは、現地での観察の結果として、過激派の人員が航空機でトルコに到着し、自由にシリアに出入りしていると指摘している由。

トルコとしても特に米国からの、このような批判を無視できず、最近国境を越えて「イスラム国家」の拠点を砲撃したが、これはトルコの政策が変わったということを事実で示そうとしたものの由。

但し、トルコ外相はトルコはアルカイダのメンバーがトルコに入ることを絶対に認めていないとしている由(尤もこれはかなり空しい反論の響きがあり、おそらくトルコ政府も公式にアルカイダ系の連中が入りことを認めることはないと思うが、知ってか知らずかは別として、その入国を阻止する強力な措置をとっていないことは否定できないのではないかと思われる)

http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2013/10/22/تركيا-تتعرض-لانتقاد-لتساهلها-تجاه-تدفق-المقاتلين-لسوريا.html

もう一つの問題は、トルコの抱える大きな問題であるクルド問題(端的に言ってしまえばPKKとの関係)で、PKKの軍事部門指導者がCemil Bayıkが、トルコ政府はPKKとの停戦の合意を真面目に守っておらず、特にシリアにおいてはアルカイダ系の過激派組織を代理として、クルド人に対する戦争を仕掛けていると非難して、トルコ政府の政策が変わらなければ、PKKとしてはこれまでトルコ国外に退去させた戦闘員を再びトルコに浸透させ、武力闘争を再開すると警告したとのことです。

また、かれはPKKとしてその戦闘員をシリアに送りこんでいることはないが、これまでPKKの一員としてトルコと戦って来たシリア系クルド人の一部が、シリアに戻った可能性はあり、又残るシリア系クルド人にも自分の同胞のところに戻りたいとの考えが出てきていると語った由。

トルコにとっては、クルド問題はイラク、シリア等近隣諸国との間の域内問題であると同時に自国の問題でもあり、極めて機微な性格を有しているところ、「イスラム国家」とかヌスラ戦線のクルド勢力との戦闘がさらに激しくなればトルコ自身も否応なしに対応を迫られることになる問題と思われます。

http://www.alquds.co.uk/?p=95502

http://www.hurriyetdailynews.com/outlawed-pkk-threatens-new-fight-in-turkey.aspx?pageID=238&nID=56615&NewsCatID=338

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