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規制法の議論が沸騰する可能性――ヘイトスピーチに違法判断

「在日特権を許さない市民の会」(在特会)による学校周辺でのヘイトスピーチ(差別扇動表現)で授業を妨害されたとして、被害を受けた京都朝鮮初級学校を運営する京都朝鮮学園が、在特会とその会員九人に対して街宣活動の禁止と三〇〇〇万円の損害賠償を求めた裁判で、京都地裁(橋詰均裁判長)は一〇月七日、「著しく侮辱的、差別的で人種差別に該当し、名誉を毀損する」と違法性を認定。同会に街宣の禁止と約一二〇〇万円の賠償を命じた。

 露骨な憎悪行動が激化する中での初の司法判断だ。橋詰裁判長は「在日朝鮮人に対する差別意識を世間に訴える差別的発言」と認定、日本も批准する人種差別撤廃条約に違反するとしたが、日本は第四条の罰則については留保している。

 同学園の孫智正理事長は「悪質性を認め、ヘイトスピーチ的な言動を今後、抑止する上で有効になりえる」と評価し、原告側弁護団は「民族教育の充実に尽力している教職員や父母を勇気づける判決」と喜んだ。

 在特会の会員らは二〇〇九年秋、京都市南区にあった同校前身の第一初級学校が学校近くの公園を運動場代わりに使ったことを理由に街宣を開始。学校周辺に街宣車で乗り付け、拡声器で「キムチくさい」「北朝鮮のスパイ機関」「犯罪者に教育された子ども」などと連日叫んだ。学校側は一〇年六月に同会を提訴。その後、会の幹部四人が威力業務妨害罪で逮捕・起訴され有罪判決を受けた。

「表現の自由の保護範囲内」と反論していた在特会側は判決を受け、八木康洋副会長が「あくまでも在日特権を排する活動。その目的で続けていく」とコメント。同会の代理人弁護士も「民族差別を理由に政治的な表現を封殺されかねない」と話した。ドイツなどは刑法でヘイトスピーチを禁じているが、日本でも論議が沸騰しそうだ。

(粟野仁雄・ジャーナリスト、10月11日号)

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