記事

愛知県知事・大村さんの看板は大きすぎた

きょうの朝日新聞に、「大村氏看板『大きすぎる』」という記事が載っていた。
大村氏とは、大村秀章・愛知県知事のこと。安城市にある知事の個人事務所の窓に貼られた名前入りステッカーが、一文字あたり1メートル四方あったということだ。
公職選挙法では、政治活動のための看板は縦150センチ、横40センチを超えてはならないとされている。
記事によると、大村氏の場合は、一文字につき1メートルだから、ルール無視もいいとこだ。

公職選挙法は、確かに、あれもこれもダメと定めた法律で窮屈ではあるが、一律に守らなければ公平性を欠く。ところが、特にここ数年感じるのは、違反であるとわかっていても選管や警察から注意を受けるまで気づかなかったふりをする公職者が増えているのではないかという点だ。

今年4月の統一地方選で、愛知県内の友人たちの選挙のお手伝いでけっこうな数の自治体選挙を見た。すると、駅構内で自分の名前の書いた事務所用看板(縦1・5メートル、横40センチ)を背負って歩いている候補者、候補者の名前を書いた幟(のぼり)旗を持って駅に並ぶ運動員等々、やりたい放題だった。
やっぱり、名古屋近辺はなんでも「ど派手」なんだなあとは思ったが、名古屋文化だからといって派手さが許されるのは冠婚葬祭まで。
人によっては選挙も「お祭り」かもしれないが、名古屋文化に準じて派手さを追求するわけにはいかない。
選挙には法律がある。

名古屋近郊の都市の駅前で、たまたま見かけた候補に、「名前の書いた幟旗を出すのは選挙違反じゃないの?」と言ってあげたら、その候補は渋々ではあるが、折りたたんで片付けてくれたまではよかった。
が、翌朝、わたしがお手伝いした候補が、かの候補の運動員5,6人に取り囲まれ、いちゃもんをつけられるという嫌がらせを受けてしまった。
逆恨みもいいとこだ。

話はそれたが、この種の対応に見られる意識の根底には、「あっちもやっとるし、かまへんやろ」という誤った常識がある。

地方自治体の選挙には、市町村の議員選挙から知事選に至るまで大小さまざまあるが、すべて一本の法律で規制されているので、守らなければならないルールは同じ。
が、解釈はまちまちなところがある。ましてや、ところ変われば。

各候補者の陣営から問い合わせを受けるのはそれぞれの地元選管だが、ほとんどの選管は「県選管に聞いてからお答えします」と答える。だから、同一の県内ではほぼ同じ解釈が流通することが多いが、たまに県域を越えれば別の解釈が生まれ得る。

しかし、疑問があれば選管に問い合わせる候補や事務所はまだましなほうだ。
多くは、代々の選対幹部に引き継がれている勝手な解釈を基準に適法であるか違法であるかを決めるものだから、明らかな選挙違反でも「違反と違うんや」と思いこんでいるところがある。
特に新人候補は、地元選挙通の言いなりになることが多い。
本当は、候補者自身の責任において、何が違法で違法でないかを見分ける勉強が必要なのだが、そのへんはいわゆる、“選挙参謀”任せにする候補が多いようだ。
しかし、そこが間違いのもと。間違った常識が、選挙通にはまかり通っていることが多い。

まして選挙戦が始まると、最初は脱法スレスレの行為を自粛していても、よそがやっているのを見かけると、「あっちもやっとるからエエやろ」式にルールの誤用が広がっていく。

だから、大村さん。
悪は元から絶たなければならない。
知事としてではなく、政治家個人の政治活動としてではあるが、知事の名に恥じない政治活動をお示しいただかないことには、その他大勢の地方議員にまたまた誤った常識を植え付けることになるので、ルール厳守をお願いしたいものだ。

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。