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  • 階猛
  • 2013年10月21日 08:52

成長戦略、実行の前に検証を-臨時国会開会

15日、ようやく臨時国会が始まりました。臨時国会の召集は内閣が決めますが、憲法53条で、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は臨時国会を召集する義務があります。民主党はこれに基づいて国会を開くよう求めましたが、内閣は、総理の外遊などを口実に憲法を無視して開会を遅らせてきました。

震災復興はもとより、消費税引上げ、汚染水問題、TPP、議員定数削減、公務員改革、秘密保護法、集団的自衛権など国会で議論すべき重要な問題が、放置されてきたのです。にもかかわらず、開会式直後の所信表明演説で、「この道しかない」と安倍首相が唐突に言い放ったのには驚きました。国会での議論もなく「この道」を勝手に決めて、ただ付いて来いと言うのでは、まさに独裁政治です。

演説の中で、安倍首相は、「成長戦略の『実行』が問われる国会」と位置づけました。しかし、政策を実行するのは内閣であり、内閣の政策が正しいかどうかを検証するのが国会の役割です。安倍首相は、国会を軽視しているだけでなく、国会の役割を理解していないと言わざるを得ません。

成長戦略では、復興特別法人税の廃止とTPP参加については、特に検証が必要です。

代表質問で、民主党の海江田代表は、「復興特別法人税は、震災復興を全国民でなし遂げるために個人の所得税、住民税と共に導入した。その中で、経済的に苦しい個人や赤字の法人への特別税は変えずに、儲かっている法人に恩恵が及ぶ復興特別法人税だけを廃止するのはなぜか」と首相に尋ねました。

安倍首相は、「復興特別法人税の廃止は、足元の経済成長を賃金上昇につなげることを前提に検討するもの」と答弁しましたが、日経新聞社のアンケートによれば、廃止により法人税の負担が減った分を人件費に回すと答えた企業の割合は23%に過ぎず、株主還元や内部留保に回すと答えた企業の割合33%を大きく下回っています。説得力がありません。

TPPでは、先の参院選で、自民党は、米や麦など重要5項目の聖域を確保できなければ脱退も辞さないと公約しましたが、交渉が大詰めを迎え、聖域内の品目についても関税撤廃を検討し始めました。これにつき「重要5項目につき妥協するのか、断固として守るのか」との海江田代表の質問に対し、安倍首相は「守るべきものを守り、攻めるべきものを攻め、国益を追求する」という当たり前の答えで、まともな答弁はありませんでした。

やはり、安倍首相の「この道」はどこに進むか分からず、安易に付いていくのは危険です。

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