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ITエンジニアの「退職しました」ブログ相次ぐ ヤフーにグリー、ミクシィも

ネット界隈でちょっとしたブームになっているのが、ブログで「退職しました」と報告すること。「株式会社○○を退職しました」というお決まりのタイトルで、入社から退職までの経緯を綴りながら今後の展望を語る、というものだ。

当初は幅広い職種や経歴の元社員が投稿していたが、最近では入社数年目の若手ITエンジニアの投稿が相次いでいる。

勤務数か月のインターンまでもが参入  

10月上旬、ヤフーに勤務していた26歳のエンジニアが「退職しました」エントリーを投稿した。2010年に新卒で入社し、メッセージングアプリなどの開発に携わっていたという。学生時代からアプリ開発をしたいと考えており、チャンスをくれた会社に感謝している。  

約3年半在籍し、今後はヤフーよりも「ずっと小さい」ベンチャー企業で再びiOS開発者としてやっていくということだ。安定した職場を辞めて「様々な事に挑戦していかざるを得ない状況に身を置く事に決めました」と書いている。

将来の大きな仕事に向けて、若いうちに多くの経験を積みたいと考え、みずから厳しい環境に身を置こうとする筆者に共感する声は少なくない。こういう行動が、数年後にはかなり大きな差を生むのだろう。

こうした入社数年目のエンジニアが「退職しました」と書くエントリーはかなり多い。ミクシィにエンジニアとして2年間在籍し、現在は別のITベンチャーのスタートアップに携わっているという人もブログに書いていた。

証券会社からグリーにエンジニアとして転職するも、1年5か月で退職したという珍しいケースもあった。大手企業の退職者は目立つので、ネットで大きな話題になるが、中小規模のITベンチャーの退職者を含めると、数え切れないほどだ。

中には、インターンで数か月しか働いていないのに「退職しました」と宣言しているケースもあった。あまりにも短い期間で会社に貢献する間もなく退職する人のエントリーは、長年会社に貢献している社員から見ると、滑稽とすら思われるかもしれない。

 「離婚しました、いい人いませんか」と同じ意味か    

なぜITエンジニアの「退職しました」が多いのか。ITジャーナリストの井上トシユキ氏にその背景を尋ねると、 

「この数年で、エンジニアの活躍する場がPC・携帯からスマートフォンに移行していますからね。そのせいで、業界のスピードがさらに速くなっているんです」


と説明してくれた。それによって、人材の流動化や若手の台頭が進んでいるようだ。さらには大手SNSのグリーがリストラを発表するなど、業界図が大きく変わっていることも影響している。

「業界は今スマホブームですから、エンジニアとしては年齢的にやり直しがきくうちに、入社から数年しか経っていなくても会社を辞め、新しい環境で技術を学びたいという心境なのでしょう」


もしそうだとしても、なぜ会社を辞めたことをいちいちブログで報告するのだろうか。井上氏は「離婚しました、いい人いませんか」というあいさつ状みたいなものではないかと苦笑する。

「会社を辞めるときは、社内外の人に挨拶をするのが通例ですが、そのツールが電話やメール、手紙からブログになっている、ということなのでしょう。エンジニアは技術があれば、次の仕事もみつかりやすい。あいさつ代わりに『よければ次の仕事をください』という意味も含まれているんだと思います」


移り変わりが激しい業界だからこそ、退職を報告するとともに、自分の勉強してきたことをアピールするのだろう。対外的にアピールすることが思いつかない普通のサラリーマンからすると、ちょっと妬ましいところもある。

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