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  • 大澤五住

原発と被曝に関する大学一年生の意識アンケート:大阪大学の場合

原発と被曝に関する意識のアンケートを阪大の1年生を対象に、できるだけ予断を持たせないようにして、環境問題に関する初回の授業で実施しました。危惧はあったのですが、実際、この結果にかなりショックを受けています。

多くの学生は、現在(2013年9月16日以来)日本で稼働している原発はゼロであることを知りません。知っていた学生は113人中の17人(15%)でした。これが通常の単なる知識の問題なら、そう気にする事はないのですが、原発が今この瞬間も使われているという誤解は、それがどうしても必要だ、再稼働できないと電気が足りないだろう、という間違った結論に直結します。
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図1:稼働原発ゼロという事実を知っているか?

このためか、すくなくとも一部の原発には再稼働を許容する意見が90%を占めました。「今直ぐ稼働を停止し、二度と使わないで廃炉にする(廃炉自体は時間がかかる)」を選択した学生は113人中、たった6人(5.3%)でした。

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図2:原発に関する選択

福島産の農産物に関しては、66%が「食べて応援」か「産地は気にしない」と回答しました。また、グラフ化はしていませんが、現在の食品(肉、野菜、魚等)に含まれる放射性物質の基準値が100Bq/kgであることを知っていた学生は、113人中10人でした。

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図3:「食べて応援」すべきか、自分はしているか?

まだ、一年生なので3年後の就職時の住所選択については、実感が無いとは思いますが、住む場所に関する意識としてどう考えているかを、就職の時の選択として質問しました。

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図4:働く場所(地域)に関する選択

オリンピックについても聞いてみました。
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図5:2020年東京オリンピック招致に対する意見

阪大生が、世の中の事、特に原発や放射能汚染の状況に疎いという可能性もないわけではありませんが、残念ながら、おそらくこれが大学生だけでなく、多くの日本の人たちの意識ではないかと思います。原発に対する正しい判断に必要な基本知識は、非常にあやふやな状況であると、結論づけることができるでしょう。

FacebookやTwitter等のSNSでは、良く似た考えがフィードバックされることもあって、こんな事は当然知っているだろうと思い込んでいる傾向があるのかもしれません。私も油断していました。それにしても、こんな状況では脱原発は簡単にはいかないことはわかります。

−−
実施日:2013年10月2日 
実施 対象:大阪大学 理工学系学部(複数学部、複数学科)の1年生 
有効回答数: 113 
2学期の初回の授業で、原発について私の意見や考えは何も言わずに実施。
注意として以下の指示: 
「アンケート結果(統計)はネット公開します。 これに同意出来ない場合は、白紙で提出してください。 退出時に伏せて提出してください。」

アンケート用紙のPDF

アンケートの結果(詳細)PDF



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私の講義を聞いた阪大一年生諸君へのメッセージ

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