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米国連邦政府の活動停止や債務上限問題を米国民はどのように見ているか?

広く報じられている通り、米国連邦政府の暫定予算が予算年度が開始される10月1日までに連邦議会で成立せず、連邦政府活動が停止状態 shutdown に入るとともに、来年2月7日までという期限付きでギリギリになって回避されたものの、債務上限が引き上げられないために米国連邦政府が債務不履行 default に陥る危険が迫っていました。このため、前者の連邦政府の活動停止に伴って、予定されていた10月4日に米国雇用統計が発表されないため、我がブログで取り上げることが出来なかったのは、一般市民にとって極めて軽微で些細な影響としても、後者の連邦債務不履行に関しては、フィッチ・レーティングスが AAA の米国債の格付けについて、格下げの可能性のある Rating Watch Negative (RWN) に place したと発表したりして、大きな影響が懸念されています。取りあえず、今回の解決策は2月7日までの国債発行の許可ですので、来年2月にはもう一度ドタバタが繰り返されるのかもしれません。

ということで、この米国連邦政府の活動停止と連邦債務の上限引上げ問題について、米国民がどのように見ており、どのように評価して、何に影響が現れているのか、という点について、Pew Research Center から10月15日付けで As Debt Limit Deadline Nears, Concern Ticks Up But Skepticism Persists と題する世論調査結果が発表されています。今夜のブログでは図表を引用しつつ、この調査結果を簡単に紹介したいと思います。なお、図表の引用元は包括的に以下の通りです。リポートは html 版と pdf 版があります。




まず、リポートで最初に取り上げられているのが上の表 Half View Debt Limit Increase as Essential, More than a Third Say it is Not です。10月の第1週の時点から第2週になって債務上限引上げ問題が経済危機を避けるために重要 essential だと考える割合がようやく過半数を超えました。しかし、まだ 1/3 を超える割合で大きな経済的問題なく従来の債務上限でやって行けると考えられており、共和党支持者ではこの割合が過半数に達します。私には信じがたい気がします。ホントに米国連邦政府が債務不履行に陥れば、ちょうど5年前のリーマン・ショックと同じくらいのマグニチュードで世界経済が大きなショックを受けると思うんですが、そのような危機意識は米国市民の間ではとても希薄だと考えざるを得ません。



次に、上の画像は連邦政府の活動停止について、Shutdown Concerns Grow, But Little Change in Political Blame と題する表をリポートから引用しています。順序が逆になりますが、下半分で連邦政府の活動停止が経済活動に及ぼす影響として、強く関連する Very concerned が10月の第2週になって過半数を超え、徐々に深刻な状況が認識され始めている一方で、上半分に目を転じれば、これも10月の第2週になってオバマ政権よりも共和党に責任がある blame とする意見が高まっているのが見て取れます。当然です。



上の画像はもっと長い目で時系列を見た Record Anti-Incumbency Mood のグラフをリポートから引用していますが、現職の国会議員の再選に反対する雰囲気 Anti-Incumbency Mood が記録的に高まっているのが見て取れます。国会議員の再選を支持する割合は半分を割り込んでしまいました。米国では大統領選挙のない年の中間選挙では、現職大統領の政党に不利な投票結果が現れることがめずらしくないんですが、来年2014年の中間選挙では民主党がやや有利かもしれない Democrats Hold Slight Midterm Advantage とリポートでは指摘しています。



今回の大統領府と議会との膠着状態の背景には、共和党を支持するティー・パーティーの存在が多くのメディアで指摘されており、上の画像は Half of Tea Party Republicans Say Debt Limit Does Not Ever Need to be Increased の表をリポートから引用しています。共和党支持者と民主党支持者をさらに保守とリベラルに分け、共和党の保守では債務上限引上げに反対する割合が過半数を超え、さらに、ティー・パーティーに同調する共和党支持者では69パーセントに達しています。債務上限引上げ問題とティー・パーティーの関係を指摘したメディアの論調に統計的な裏付けを与えるものと言えそうです。





さらに、上の画像は Most Democrats Expect Debt Resolution, Republicans Divided と Rising Concern about Shutdown, Partisan Divides Persist の表をリポートから引用して連結しています。連邦債務の上限引上げ問題 Debt Resolution と連邦政府の活動停止 shutdown に関して、回答者の属性別の結果が示されています。連邦債務問題の解決を願うのは、女性より男性であり、学歴が高く世帯収入が多いグループとなっている一方で、連邦政府活動停止に関心を示すのは、男性よりも女性であり、年齢が高く世帯所得が少ないグループである、との結論が指摘できます。直感的な印象と大きくは違わない気がします。



最後に、上の画像は Dissatisfaction With State of the Nation Nears Peak のグラフをリポートから引用しています。今世紀に入ってから、米国市民の不満が大きく高まったのは今回を含めて3回あり、2008年10月はリーマン・ショックに起因し、2011年7月と今回2013年10月はともに連邦債務の上限問題に起因しています。2011年夏にはスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債の格付けを引き下げて円高が進んだ記憶があります。債務不履行のデッドラインが近づく中で、米国大統領府と連邦議会は何とかギリギリのタイミングで問題を回避したんですが、来年2月上旬には同じドタバタが繰り返されるんでしょうか、それとも、市場に動揺を与えることなく期限までに余裕を持って解決されるんでしょうか。



最後に、Pew Research Center から本日取り上げた As Debt Limit Deadline Nears, Concern Ticks Up But Skepticism Persists に続いて、1日遅れで Tea Party's Image Turns More Negative と題する世論調査結果が昨日10月16日に発表されています。上の画像はそのリポートから Tea Party Favorability Drops Across Party Lines と題するグラフを引用しています。リポートのタイトルから明らかなように、ティー・パーティーがかなり支持を落としているようです。私は Pew Research Center の米国内での立ち位置をよく知らないんですが、この調査結果が来年2月に有効に作用されるように願っています。

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