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- 2011年04月11日 13:51
三重県知事選を制した鈴木英敬氏と、16年前の北川正恭氏
新人同士の対決となった三重県知事選は、元経済産業省課長補佐の鈴木英敬氏(36)=自民・みんな推薦、公明支持=が、前・津市長の松田直久氏(56)を破る結果となった。
鈴木氏の得票数は379,472票、対する松田氏の得票数は369,105票で、その差わずかに1万367票。この結果は、いまから16年前の1995年(平成7年)の三重県知事選で、衆議院議員から知事選に転じた北川正恭氏が初当選した時の次点候補との票差(1万2815票)以上に接戦となった点が類似するなど、いくつかの点で重なり合う。
しかし、異なるのは、北川氏が民主党系で、当時の政権与党だった自・社推薦の前・副知事に競り勝ったのに対し、今回は自民などが推す候補が政権党の民主推薦の候補にまさったという点だ。そこにあるのは、時代を鏡のようにうつす有権者心理が選挙結果に結びついているという点だ。
16年前の北川氏と、鈴木氏が共通しているのは、ともに県北部の鈴鹿市を地盤としていること。北川氏が鈴鹿市出身の衆議院議員、鈴木氏は鈴鹿市を選挙区として自民党から衆議院選に立候補したが民主党現職に敗れている。
また、どちらも、市町村ごとの得票で相手候補に勝ったのは、人口が多く、産業基盤のしっかりしている北部に偏っていることだ。北川氏は県南部の市の多くと町村で、鈴木氏はほとんどの町で相手候補を下回った。
北川氏、鈴木氏は、労働組合や浮動票の多い都市部で勝ち、保守票の厚い田舎で敗れたことになる。
二人の政治的立ち位置でみれば、北川氏はかつて決別した自民党と、民主党的基盤から戦う側、鈴木氏は自民党に推されて民主党と戦う立場に違いがある。
北川氏は民主党的基盤に乗って都市部で制したことから、その後、参議院選挙で民主が常勝する民主党王国・三重をつくる流れにあるが、鈴木氏はその流れの破壊者ということになったことが違っている。
このことが見えてくるのは、民主党の支持層と思われていた有権者は、その時代時代の選挙に吹いている風を選挙行動に表し、その結果を出す、いわゆる浮動票層が多くを占めるようになったこと。都市部ではない地域の南部を中心とした有権者は、大きな変化をもたらすことはなさそうに見える候補者を選ぼうとしている。それは16年前には自民が推薦する候補であったとし、今回は民主党系の松田氏だった。
今回の選挙結果には、政権党となった民主党への評価も反映しているのだろうが、もはや、民主対自民、自民対民主という政党対決の構図だけでは、勝利の方程式は読み解けない。いったい地方選挙にどれほど政党は意味をなしているのか。有権者が今回、鈴木氏に期待したものは鈴木氏の改革への取り組みであって、自民党などの政党に対してのものではないはず。
もし、民主への期待を失い、代わりに自民党に期待して鈴木氏ということであれば、労組票や浮動票の多い北部の都市で民主推薦の松田氏が敗れたことは説明できても、自民推薦の鈴木氏が自民党の支持基盤である県南部の郡部で勝てないことの説明にはならない。
今回の選挙結果に表れたのは、労組などの組織型選挙にあって候補者本人のリーダーとしての資質が見えなかった松田氏と、推薦した政党はどうあれ若い政治的リーダーのシンボルに映った鈴木氏の差ではなかったか。
鈴木氏の得票数は379,472票、対する松田氏の得票数は369,105票で、その差わずかに1万367票。この結果は、いまから16年前の1995年(平成7年)の三重県知事選で、衆議院議員から知事選に転じた北川正恭氏が初当選した時の次点候補との票差(1万2815票)以上に接戦となった点が類似するなど、いくつかの点で重なり合う。
しかし、異なるのは、北川氏が民主党系で、当時の政権与党だった自・社推薦の前・副知事に競り勝ったのに対し、今回は自民などが推す候補が政権党の民主推薦の候補にまさったという点だ。そこにあるのは、時代を鏡のようにうつす有権者心理が選挙結果に結びついているという点だ。
16年前の北川氏と、鈴木氏が共通しているのは、ともに県北部の鈴鹿市を地盤としていること。北川氏が鈴鹿市出身の衆議院議員、鈴木氏は鈴鹿市を選挙区として自民党から衆議院選に立候補したが民主党現職に敗れている。
また、どちらも、市町村ごとの得票で相手候補に勝ったのは、人口が多く、産業基盤のしっかりしている北部に偏っていることだ。北川氏は県南部の市の多くと町村で、鈴木氏はほとんどの町で相手候補を下回った。
北川氏、鈴木氏は、労働組合や浮動票の多い都市部で勝ち、保守票の厚い田舎で敗れたことになる。
二人の政治的立ち位置でみれば、北川氏はかつて決別した自民党と、民主党的基盤から戦う側、鈴木氏は自民党に推されて民主党と戦う立場に違いがある。
北川氏は民主党的基盤に乗って都市部で制したことから、その後、参議院選挙で民主が常勝する民主党王国・三重をつくる流れにあるが、鈴木氏はその流れの破壊者ということになったことが違っている。
このことが見えてくるのは、民主党の支持層と思われていた有権者は、その時代時代の選挙に吹いている風を選挙行動に表し、その結果を出す、いわゆる浮動票層が多くを占めるようになったこと。都市部ではない地域の南部を中心とした有権者は、大きな変化をもたらすことはなさそうに見える候補者を選ぼうとしている。それは16年前には自民が推薦する候補であったとし、今回は民主党系の松田氏だった。
今回の選挙結果には、政権党となった民主党への評価も反映しているのだろうが、もはや、民主対自民、自民対民主という政党対決の構図だけでは、勝利の方程式は読み解けない。いったい地方選挙にどれほど政党は意味をなしているのか。有権者が今回、鈴木氏に期待したものは鈴木氏の改革への取り組みであって、自民党などの政党に対してのものではないはず。
もし、民主への期待を失い、代わりに自民党に期待して鈴木氏ということであれば、労組票や浮動票の多い北部の都市で民主推薦の松田氏が敗れたことは説明できても、自民推薦の鈴木氏が自民党の支持基盤である県南部の郡部で勝てないことの説明にはならない。
今回の選挙結果に表れたのは、労組などの組織型選挙にあって候補者本人のリーダーとしての資質が見えなかった松田氏と、推薦した政党はどうあれ若い政治的リーダーのシンボルに映った鈴木氏の差ではなかったか。



