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移民促進は間違い?

移民に関する議論は以前からたくさん書いてきた。

よくある議論は移民受け入れは企業にとって大きなプラスだが日本人労働者にとってはマイナスだというものだという反対論。

世界経済が一体化する中で、移民を受け入れなくては企業の製造部門やバックオフィス部門は海外に移転して行ってしまう可能性がある。だから移民受け入れがなければ企業にとってマイナスなだけではない。たとえば工場が出て行ってしまえばその地域にある商店や関連企業も打撃を受ける。(もちろん企業が海外にそういった部門を移転しなければ国際的な競争に負ける可能性は高いし、あるいは割高なサービスを日本人に提供することになり価格は維持できても需要の減少に直面するだろう)

また、日本人労働者も移民が来ることで労働市場での競争が活発になり労働者としての能力・スキルのアップが見込まれる。また、当然移民が増えても日系企業の管理職(あるいはもっと小さいチーム単位でのリーダーなど)は日本語が流暢に話せて日本のビジネス習慣を分かっている日本人が突く可能性が圧倒的に高いだろうから、管理職的な仕事の増加によって日本人労働者にプラスの効果もあるだろう。

もちろん、問題点は移民を受け入れるといっても今の現状でも日本は高スキルの人材を中心に移民の受け入れを拒んでいるわけではない。ブラジル人などの工場労働者もかなり受け入れている(リーマンショックの影響で結構帰ってしまったみたいだが)。重要なのは企業が日本でもっとビジネスをしたい。優秀で勤勉な労働者が日本にいって働きたい、お金を稼ぎたいと思うかどうかだろう。その点は忘れてはいけないわけで、移民あお○○万人受け入れますと国会議員が騒いだところでビジネスフレンドリーな政策をしっかりと取らないと不良外国人ばかりが増えるという結果になるだろう。

もちろん、欧州で起こっているように大量の安易な移民受け入れが社会的なコストになっている面は忘れてはいけない。

まあ、それはそれとして今日はMarginal Revolutionに出ていたこんな研究結果を紹介する。

The labor market effects of immigration and emig

Here is a new paper by Frédéric Docquier, Çaglar Ozden & Giovanni Peri, forthcoming in Economic Journal:

In this paper, we quantify the labor market effects of migration flows in OECD countries during the 1990′s based on a new global database on the bilateral stock of migrants, by education level. We simulate various outcomes using an aggregate model of labor markets, parameterized by a range of estimates from the literature. We find that immigration had a positive effect on the wages of less educated natives and it increased or left unchanged the average native wages. Emigration, instead, had a negative effect on the wages of less educated native workers and increased inequality within countries.

A gated version of the paper is here , ungated versions are here .

- See more at: http://marginalrevolution.com/marginalrevolution/2013/10/the-labor-market-effects-of-immigration-and-emigration-from-oecd-countries.html#sthash.fHdH5VFX.dpuf>In this paper, we quantify the labor market effects of
Here is a new paper by Frédéric Docquier, Çaglar Ozden & Giovanni Peri, forthcoming in Economic Journal:

In this paper, we quantify the labor market effects of migration flows in OECD countries during the 1990′s based on a new global database on the bilateral stock of migrants, by education level. We simulate various outcomes using an aggregate model of labor markets, parameterized by a range of estimates from the literature. We find that immigration had a positive effect on the wages of less educated natives and it increased or left unchanged the average native wages. Emigration, instead, had a negative effect on the wages of less educated native workers and increased inequality within countries.

1990年代のOECD諸国の移民の労働市場への影響を調べた。移民(入ってくる方)は教育レベルの低い自国民の労働者の所得ににプラスの効果をもたらす一方で平均的な賃金の自国の労働者にはマイナスかあまり影響がなかった。一方で移民(出ていく方)は賃金の低い自国の労働者にマイナスの影響を及ぼし格差を拡大させた。


ということらしい。まあ、先進国だと海外に出ていくのはより所得の高い/より教育レベルの高い労働者である可能性が高そうだから、彼らがいなくなることで国内の需要が減少することは容易に想像ができる。その結果としてサービス業などの産業にマイナスの影響があるのかもしれない。

いずれにしてもいつも言っているが、経済的な意味では移民はプラスだ。上記の研究だと予想やイメージに反して低賃金労働者にとって移民の流入はプラスに働くらしい。

移民に関する議論はいつもあいまいでいまいち根拠を示さずに移民なんて受け入れたら大変なことになるだとか移民をもっと受け入れなければ経済/財政は立ち行かないという極端な議論になりやすいと思う。

そもそも、移民受け入れってなんなのか?日本が移民を受け入れますといえば大挙して移民が押し寄せるのか?真面目に働く移民と不良日本人とどちらの権利が大切にされるべきなのか?もっとそれぞれの言葉の定義は想定する事態を明確にして議論がなされるべきなのだろうと思う。ってことで僕ももっと勉強しないとなと日々思っている次第である。

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