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「まあ、これが負けか」〜63連勝で止まった白鵬の日本語力

まあ、これが負けか」(白鵬)。

「桟敷まで派手に転がされた白鴎は静かな笑みをたたえていた。土俵に戻って一礼すると口からフーッと息を吐き出した」(毎日新聞)。

連勝記録が「63」で止まり、支度部屋に引き揚げた白鵬は、報道陣のインタビューに答えていた。

朝青龍もそうだったが、かれらの日本語のうまさに舌を巻く。
なによりも、白鵬の場合は、とくに日本人の心の琴線に触れる言葉が自然に口を突いて出てくる。

「率直な気持ちをと問われ、『もうちょっと行きたかったなあ』という気持ち」。

それは、当然だろう。「もうちょっと」と言うあたりに、いつかは敗れる時がくるに違いない「その時」に向けた覚悟を感じる。

そして、次の言葉。
相撲の流れの中で、少しスキがあった

こんな言葉、よっぽどの精進というものがなければ出てくるものではないと思う。

短い表現に心を込めるところに技法のある日本語の特性を見事に生かし切っている。

その道にきちんと生きる人であることを示しているのだろう。

スキという意味を問われ、
今まで、63の白星があった。もう一つ伸ばしてやる、そういうところにスキがあった」

双葉山の記録に届かなかったことについては、

「(自分の力は)こんなもんじゃないかなと」と、いさぎよい。

朝日新聞にはこんな記述があった。「福岡入りした直後、白鵬は『(69連勝を)超えるかどうかまできてしまい、果たして(超えて)良いのかという考えもある』と揺れる思いを口にした」

これが負けか」というのは、土俵を落ちたときに思ったことだという。

これを思ったとき、

相撲で尊ばれる三要素「心・技・体」にまた一歩近づいたに違いない。

白鵬という一人の外国人力士の活躍に、大勢の日本人が期待を寄せ、その記録が止まったことを心から落胆している人々の姿がうれしい。

かれの母国・モンゴルの人の心にも届いているはずだ。

※(注)特に注釈しなかった白鵬の言葉などかぎかっこ内の文章は、おもに毎日新聞に掲載された言葉をベースにしました。

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