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政務調査費あれこれ

えっ? 熊野市議会の政務調査費がひとり年間240万円もあるの?
松阪市議会は30万円なのに、人口や財政規模等ではるかに小さい熊野市議会議員の政務調査費がそんなに多いわけがなく、新聞社が、一ケタ、間違ったのだろうと思った。

三重県の地元紙・伊勢新聞に「熊本市議 ブログで」が見出しになって記事が載っていたものだから、てっきり、三重県の「熊野市議」と早とちりしてしまった。 
正しくは、九州は熊本市の話でした。

2010/08/24 06:28 【共同通信】
住民監査「テロに等しい」 政調費問題で熊本市議
 熊本市議40人の政務調査費の使途に不適切な点があったとして、地元の市民団体「政務調査費を透明にする会」が行った住民監査請求について、監査対象の一人とされた下川寛市議(50)がブログに「私たちの一部ではテロに等しいように感じている」と書き込んでいたことが24日、分かった。

地方自治法に基づく監査請求を「テロ」と表現された同会の金津紀代代表(72)は「ブログを見てびっくりした。市政への市民参画の流れから外れている」と批判。

下川市議は「反発も予想して書いた。抗議に来られれば、公開討論なども考えている」と説明し、監査請求によって「(監査委員への)説明のため議員活動の時間が割かれる上、議員全体が悪いイメージを持たれかねない」と主張している。熊本市は市議1人当たり年間240万円の政務調査費を支給。「透明にする会」は6月、2008年度分について、高額のパソコンやデジタルカメラの購入などを問題視して市監査委員に監査を請求、今月2日に「明らかに市政と関連が認められない支出とは言えない」として退けられた。


政務調査費は、議員の議会活動上の調査や研究、研修等々や、それに伴う旅費などに支給される公費だ。その金額は、所属する議会の自治体によって、非常に大きな格差がある。一般に政令都市や中核市など、人口規模が大きいほど、議員ひとりあたりに支給される額も大きくなる傾向にある。

年間240万円(1か月20万円)も交付される熊本市は、人口66万人。
しかし、議員個々の議会活動に関わる調査・研究に要する経費が、自治体規模の大小によって違いがあるとは思えない。自治体の規模が大きかろうと、人口が大きかろうと、議員ひとりあたりの仕事の質、量にそれほど変わりはないはずだ。

政務調査費が全国で最も高額な議会の一つは、あの有名な名古屋市議会(正式呼称は、国会に対応して、名古屋市会というらしい)で、議員ひとりに1か月、50万円(年間で600万円)も交付されている。

しかも、必要が生じた都度請求するのではなく、毎月10日に銀行口座に入るとのことだ。ということは、特別な調査や研究に要した費用ではなく、きわめて日常的な調査や研究に毎月50万円もかかっているということになる。

松阪市議会では、ひとりあたりの政務調査費の交付額が、1か月に2万5千円、年間で30万円。名古屋市の1か月分の6割でしかない。年間比較すると、30万円対600万円。松阪市議会議員の政務調査費は、名古屋市議会議員のなんと5%という驚異的な格差はいったいなんなのだろう。

松阪市議会議員は、名古屋市議会議員の5%しか働いていないかということになるのか。いや、決してそんなはずはない。逆を言うと、名古屋市議会議員は、政務調査費を使った調査・研究のために、松阪市議会議員の20倍も働いているのだろうか。そんなに高額の政務調査費があっても、余りすぎて困ってしまうのではないかと思う。

純粋に、議会での発言や審議に必要な調査に用いる金額をということであれば、松阪市議会の交付月額2万5千円で十分である。これまでに、足りないかな思ったのは、一度だけ。中部国際空港と松阪港を結ぶ航路の船会社に市が赤字分を補助するというので、経営実態を調査するために信用調査機関に調査委託をしたときぐらい。それは例外なケース。

まっとうに調査だけなら、とても使い切れない多額の政務調査費が、政令指定都市や中核市、都道府県議会の議員にはジャブジャブと交付されている。
だから、パソコンやデジカメ、テレビなど汎用性の高い機材の購入費や、ボクシング観戦など、市民感覚から言うととんでもないことに政務調査費が充てられている。

なお、読売新聞、(2010年8月24日09時00分)の長崎県議会議員の政務調査費(ボクシング観戦)の記事には、次のような続きがあった。

西川克己議員(62)(清風会)は3万3600円の旅行かばんを購入し、半額の1万6800円を計上した。「視察などで使うために買った。少し高いなとは思ったが、もう少し安い物でもよかったかもしれない」と弁明。野本三雄議員(72)(自民)は万年筆(1万円)を買い、半額を政調費で負担。「家族が買った領収書が紛れたのだと思う。政務調査とは無関係なので修正したい」とした。

馬込彰議員(57)(自民)は、高機能携帯電話のiPhoneや携帯型デジタル音楽再生機「iPod(アイポッド)」の使い方を紹介する雑誌など7冊(計9086円)を政調費で購入した。馬込議員は1年半ほど前に私費でiPhoneを買ったといい、「最新の端末の機能を知ることは、政策のヒントにもなる。人によって見方が異なるかもしれないが、正当な目的を持って購入した」と語った。

このほか、陣内八郎議員(61)(改革21)は、代行運転の利用が突出して多く、計47回分の約13万円を支出した。業界団体との会合の後、居酒屋などでの懇親会に参加し、酒を飲んで代行運転で帰宅していたという。

陣内議員は「懇親会費は自腹だが、酒を飲みながら話をするのも調査活動の一環なので、帰りの交通費だけは請求した」と説明。「酒席を断ると、調査活動に協力してもらえない事態も考えられる」と主張している。


酒を飲んで、いろんな人のお話を聞いたら、政務調査になってしまうのですね。

○名古屋市会政務調査費の交付に関する条例
平成13年3月6日

(趣旨)
第1条 この条例は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第100条第14項及び第15項の規定に基づき、名古屋市会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として、議会における会派に対し、政務調査費を交付することに関し必要な事項を定めるものとする。
(交付対象)
第2条 政務調査費は、名古屋市会における会派(所属議員が1人の場合を含む。以下「会派」という。)に対して交付する。
(交付額及び交付の方法)
第3条 政務調査費は、月額500,000円に当該会派の所属議員の数を乗じて得た額を会派に対し交付する。
2 前項の所属議員の数は、月の初日における各会派の所属議員数による。
3 月の途中において、議員の任期満了、辞職、失職、死亡若しくは除名、議員の所属会派からの脱会若しくは除名又は議会の解散があった場合におけるこれらの事由が生じた日の属する月の政務調査費の交付については、これらの事由が生じなかったものとみなす。会派が解散した場合も同様とする。

4 各会派の所属議員数の計算については、同一議員について重複して行うことができない。
5 政務調査費は、毎月10日に交付する。ただし、10日が、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日、日曜日又は土曜日(以下「休日等」という。)であるときは、その直前の休日等でない日とする。
(使途基準)
第4条 政務調査費は、議長が定める使途基準に従って使用するものとし、市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充ててはならない。
(収支報告書等)
第5条 政務調査費の交付を受けた会派の代表者は、政務調査費に係る収入及び支出の報告書(以下「収支報告書」という。)を、別記様式により議長に提出しなければならない。この場合において、当該会派の代表者は、当該支出に係る領収書その他の当該支出の事実を証する書類(以下「領収書等」という。)の写しを添付しなければならない。

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