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知ってる? 米国のヨセミテ国立公園や国立スミソニアン博物館が閉鎖

米国がまたまたピンチ!なんてクライアント皆さんは知っている?

今年の9月18日に歴史的高値を更新した米国株式市場(NYダウ最高値更新)が、「リーマンショックの再来」などとまたまたメディアで叫ばれている。

金融業界では『テール・リスク』などと呼ばれ、発生する可能性はきわめて低いが(たとえば0,5%以下)、万一発生するととんでもない大暴落(たとえば世界恐慌やリーマンショックのような大暴落)を誘発するリスクのことを指す。まさに今、米国ではこのリスクに直面していると言われている。

10月1日より米国内の政府機関のほとんどが機能停止状態に陥っている。命に係るような『国防』『治安』『医療』などの公的機関を除き、ほぼ公共のサービスが全面停止状態になっている。ヨセミテ国立公園もスミソニアン博物館も10月1日より閉鎖されている。

なぜ、こうした事態に陥っているのだろう?
民主的な先進国であれば、どこの国でも政府は無秩序、無制限にお金を支出できるわけではない。毎年、毎年、議会(日本では国会)でしっかりと議論されて『年間予算』を決めて執行されている。その予算(暫定予算)が今、米国では決まらないのである。

なぜ、決まらないのかと言うと・・・
昨年までの日本のように米国では現在、上院が民主党、下院が共和党で多数が占められており議会が『ねじれている』(オバマ大統領は民主党)。

オバマ大統領は悲願である『医療保険改革法(オバマケアなどと呼ばれている)』を成立させ、10月より施行されるところまでこぎつけてきたのだが、対立する共和党がそれを骨抜きの制度にしてしまおうと躍起になっている(法律は成立しているのだが、共和党は医療保険制度改革につぎ込む予算を削減して、そのものをつぶそうとしている)。

医療保険制度改革の是非で、議会が混乱しており、そのための予算が組めないのである。

そもそも米国では国(政府)が、民間あるいは個人に物申す、手を差し伸べることに国民の多くは嫌悪感を持っている。「自分たちのことは自分たちで決めて責任を持ちたい。国家(政府)にとやかく口を出されたくない!」という文化・慣習が根付いている。

特に共和党は『小さな政府(政府の役割は出来る限り小さくして、民間に多くを任す考え方)』を目指している。一方、オバマ大統領が率いる民主党は共和党よりも『大きな政府』を標榜している。

今回、オバマ大統領は日本では当たり前の国民全員が加入する医療保険制度(日本で言うところの健康保険、国民健康保険)を米国内に根付かせようとしている。

オバマ大統領の悲願となる一つの大きな政策である。これに共和党の保守強硬派(「ティー・パーティ」と呼ばれる派閥)が猛烈に反対しているのである。

2014年末に米国では議会の中間選挙が実施されるのだが、前回2010年の選挙ではこのティー・パーティが大躍進して共和党の議員の多くが、ティー・パーティ系の議員で構成されている。だから話がこじれて非常にややこしい問題となっているのである。

民主党選出のオバマ大統領は悲願の国民皆保険につながる医療保険制度を実施したい。一方、小さな政府を目指す共和党ティー・パーティ系の議員はなんとしてもそれを阻止したい。

来年、中間選挙があるものだから、どちらも引くに引けないのでる。その結果、暫定予算(国家予算)が9月末期日までに決められず、政府機能の多くが麻痺してしまっている。

さらに、10月17日には連邦債務の上限引き上げ問題の期日がやってくる。米国では国の借金の上限を決めて運営されている。借金は今年の5月で上限に到達しており(上限は1640兆円)、現状、何とかやりくりして今日ここまで来ている。

ところが10月中旬にはお財布の中身は空っぽになるといわれていて、借金できる上限を引き上げないことには、これ以上、米国債は新規発行できないことになる(「国債」とは国の借金、借用証書のことを言う)。

そうすると、現状すでに発行されている米国債の利払い(利子の支払)も満期償還金も支払えない事態に陥ることになる。米国債は世界中の国々が保有している。その額、なんと!500兆円以上の金額となる。

中国、日本においてはおのおの100兆円規模でこの米国債を保有している。それが万一、債務不履行となれば、≪えらい、こっちゃ≫と言うことになる。世界中が震撼したあのリーマンショックの比ではない、と言われる所以である。

議会がねじれて、暫定予算(国家予算)も組めない中で、国家債務の上限の引き上げという難問に、今、米国は直面している。

だからオバマ大統領は外交政策の柱にしていたアジア戦略における大舞台であった先頃開催されていたTPPの首脳会議にも、ASEANの会合にも参加せず(国際的な会合に米国大統領が参加しなかったため、米国の威信は地に落ちた、とまで言われている)、国内問題に頭を抱えている。

米国債の債務不履行となれば大問題であることに変らないが、2011年夏、この問題(債務上限の引き上げ)で米国債は最上級のAAAからAAに格下げされた。また、2012年末には『財政の崖』などと呼ばれ、幾度と無くこの問題は浮上している。

根本的解決がなされない中で毎回、債務が上限に到達すると、この問題が叫ばれて金融市場は悲鳴を上げている。いわば日常茶飯事的な出来ことでもあるのである。

日本も人ごとではない。なぜならば、米国と並ぶほどの借金1000兆円を抱えている。決して対岸の火事ではないのである。

ただし、クライアントの皆さんは『長期』投資を実践されているまじめな投資家です。

先進国の国債の債務不履行は大問題ではあるけれど、『大暴落するぞ~!』などとギャンブラーのごとき日常茶飯事的な出来事にくれぐれも一喜一憂しないでいただきたい!と切に願います。

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