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「祝い事」と「不祥事」

 日本橋うなぎや老舗「大江戸」の御主人湧井恭行氏が、旭日双光章の栄に浴した。料理業界に対する貢献が認められての春の叙勲である。

 10月12日、中央区のロイヤルパークホテルでの祝賀会は250人の客で盛会であった。

 大勢の来賓を代表して私が挨拶に立った。元通産大臣、自民党都連最高顧問との紹介の後、湧井さんが私の後援会長であることも添えられた。以下挨拶概要。

 「湧井さんは私の政治活動をあらゆる角度から支えてくれた恩人。昨年引退にあたり、自分の後継者として自民党政経塾塾生の辻清人君を送り出したが、その時も懸命に応援してくれた。(挨拶が無い辻君の為にあえて紹介、大拍手)

 自分が大臣時代、外国要人をもてなすため「大江戸」に案内したが、中でも印象に残っているのがWTO事務局長のパスカル・ラミー氏だ。彼は老舗での宴ですっかりご機嫌になって大変な感激振りであった。帰った後、役人が書いた彼の経歴と人柄欄に「人間嫌い、宴会嫌い」とあって驚いた。

 人間嫌い、宴会嫌いの彼がどうしてそんなに喜んだのか、それは200年を超える老舗の、日本料理に見る「日本の食文化」への感動と、なによりも女将さんの「オ・モ・テ・ナ・シ」のお陰であった。

 湧井さんの功績から叙勲は当然で嬉しいが、もっと嬉しいのは、自分の事のように喜んで祝賀会を開いてくれた橋本敬氏はじめ発起人並びに参加者の友情だ。これは湧井さんの宝だ。

 叙勲は終着駅ではない。これからさらに努力して欲しいとの国の願いだ。夫婦そろって健康に留意し、更に元気で頑張って欲しい」。

 大勢の応援者が次々と私に声を掛けてくれる。こんなに皆に囲まれ喜ばれる光景は久しい。思えば現職時代、いつも挨拶したらすぐに次の会へと急いで、こんな風にゆっくり座っていることはほとんど無かった。

 湧井さんを祝う素敵な雰囲気の中で、ホテルの料理も堪能し、最後まで席を立たなかった。せっかく引退したのだから、これからはこんな風に暮らしたいものだと、ほのぼのとした思いであった。

不祥事

 不祥事の反対語は無い。せいぜい「祝い事」かと、今回は「祝い事」と「不祥事」のタイトルに選んだ。

 近頃、頭にくるのはJR北海道の相次ぐ不祥事である。10月10日、函館線ほしみ駅で快速電車が230mもオーバーランした。列車火災、脱線事故、267カ所にも及ぶレールの異常放置・・・、一体どこまで続く泥沼なのか。

 人命にかかわるのだから絶対に看過できない不祥事である。

 マスコミや評論家は相変わらず、杜撰な経営体質を責め、民営化に伴う採用抑制による現場の衰退、赤字体質の企業経営の圧迫があると解説する。

 然し、東日本、東海、西日本、四国、九州各社も、民営化後は人員削減をはじめとする必死の経営努力を重ねている。管内全域にわたる安全管理の不祥事やサボタージュと言った異常な問題が目立つのはここだけである。

 脆弱な財務基準と言うが、四国、九州も同じ条件だがここまでの不祥事は起こしていない。

 そこには誰も触れられない労働組合との根深い闇があると私は見ている。

 ここには北鉄労(北海道旅客鉄道労働組合)と10年前に出来たJR北労組(JR北海道労働組合)がある。

 問題は北鉄労だが、この上部団体はJR総連だ。かつて中核派など他のセクトと陰惨な内ゲバなどのテロ行為を繰り広げた極左暴力集団革マル派が中心で、国会でもしばしば問題として取り上げられてきた。

 7000人の全職員の内、管理職を除く84%が加入する組織だが、一度入るとあらゆる妨害が激しくて決して抜け出すことは出来ないと言う。

 如何に勝手な振る舞いであったか、例えば、長年にわたってアルコール中毒検査まで拒否してきたことで伺える。安全を守るべき鉄道の最低限のモラルはアル中検査だが、人権侵害など理由に拒否し、やっと義務化したのは去年のことだ。こうした組合の傲慢さを野放しにした企業の、ある種怖さからくる「なれ合い体質」を一掃しない限り、不祥事は無くならない。

 相次ぐ不祥事に、ついに中島尚俊社長は自殺したが、遺書に、「お客の安全を最優先することを考える社員になって欲しい」と書いてあった。

 一般論だけで誤魔化し、こうした労働組合の「深い闇」に見ぬふりをするマスコミ、評論家に猛省を促したい。

 何よりも大事なことは、みんなが発言し世論を作り上げることだ。マスコミや評論家を揺り動かし、正常な状態を作り出すことが急務だ。

 国会でも繰り返し取り上げるべきではないか。議員の奮起を促したいものである。

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