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A/Bテストとリーンスタートアップともやもやした理系の話

アンカテさんの以下のエントリーを読んで、そういえばGREEのA/Bテストがすごく注目された時期があったことを思い出した。

プログラム的には、二つのバージョンを並行稼動することはちょっと工夫がいるが、特別な無理難題ということではない。

Webサイトを運営する上では、これが常識になりつつあるが、それを早い段階から徹底してやっていたのがグリーなのだと思う。

A/Bテストを導入した会社が口を揃えて言うのは、「当初の予想と実際の顧客の行動には驚くほどの違いがある」ということだそうだ。顧客のことをよく知っているつもりでも、A/Bテストによる確認は不可欠と言えるのかもしれない。

これには、「消費者の行動がネットに乗る割合が増えてきた」というシーズ的な側面と、「価値観が多様化して他人が何を考えてるか知るのが前より一段と難しくなった」というニーズ的な側面の両方があるだろう。


僕の記憶が確かなら、2011年のCEDECでGREEが大量のセッションを持ち、自分たちのビジネスモデルに関する多くのコツを惜しげも無く披露した。そこで公開された大量の資料を通じて、さらに多くのソーシャルゲームが複製され、結果的に2012年にソーシャルゲームはこの世の春的な状況となった。

この年、一緒にリーンスタートアップという概念が注目された。発売日は2012/4/12だが、一部のベンチャー企業はこの本の日本語版が出る前に、英語版を読むことが必須とされていたり、実際に多くのスタートアップでもこの本の概念が実際に採用されていた。リーンスタートアップという概念は僕がこれまで読んだ本の中でも抜群の出来で、この本を読んだ時に衝撃が走ったことを思っている。その時に書いたエントリーがこれ。

パッチサイズを小さくした継続的デプロイメント、その結果をどのように取得し、どのように分析して、この本の中で「学び」と呼ばれている、自分たちがやったことがどの程度正しいことなのかを常に評価するサイクルにつなげるか、という部分に適合できるように極めて慎重に組織や会社を設計しようとしています。


上のエントリーでも書いたが、リーンスタートアップとは、簡単に言うとシリコンバレーでいままでいくつかの企業が実践し成功してきた起業プロセスのエッセンスをまとめた本で、リーンという概念自体はトヨタ生産方式からもってきている。実際に本番環境にデプロイされる変更点(これをパッチサイズという)を可能な限り小さくし、その変更点ごとに自分たちが行った施策がどのような効果があったかを分析する。その「学び」を積み重ねることで、市場にとって価値のあるプロダクトを作っていくというプロセス。A/Bテストがひとつの方法論だったのに対して、リーンスタートアップはひとつのプロセスだった。

この2つを考えてみると、いろいろモヤモヤしてくる。今月のクーリエ・ジャポンで、現在の社会は想像しているよりもずっと「理系的な職業」からの影響を受けているという特集が組まれていた。このクーリエ・ジャポンの中で一般化されている理系的な要素というのは、科学というプロセスを信奉する科学者ではなく、現象を測定可能にして、そこからコントロール可能にするプロセスを一般化するスキルを理系と読んでいるように見えた。そこからビッグデータという概念などが紹介され、世の中の様々な事象に理系として取り組む話が紹介されていた。

リンク先を見る COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2013年 11月号 [雑誌]

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さて、世の中に偏在するA/Bテスト、リーンスタートアップ、そしてアプローチとして大きくくくられた理系という概念、全てに共通するのはこれらがこれまでコントロールできない、取り組みことが難しいとされていた問題・概念・事象に対するアプローチの仕方である、という点だ。スマートフォンなどのデバイス的な進化がそろそろ行き詰まりそうな気配がでてきているなかで、この分野に関してはますます進化・発展している。たぶんほとんどの人はこの分野の発展に気づいてもいない。この10年間でインターネットやスマートフォンという革新的な進化があったが、次の10年間の進化はアプローチ側にくると思う。それは一般ユーザーには決してわかりやすい未来ではないが、確実に実現される未来だ。

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