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障害児の就学先、保護者の意向をより前面に ‐ 斎藤剛史

障害のある子どもの就学問題は、保護者や関係者にとって大きな問題です。文部科学省は、学校教育法施行令を改正し、2013(平成25)年9月から障害のある子どもの就学先の決定について、原則として保護者の意向を尊重するよう改めました。実際には来春の入学者から適用されます。障害児の就学先の決定方法は、どのように変わるのでしょうか。

従来、就学認定基準により障害があると判定された子どもは、原則として特別支援学校に就学することになっていました。そして、一般の小・中学校と特別支援学校のどちらに就学するかを判定するのが市町村教育委員会の「就学指導委員会」です。しかし、一般の学校への入学を希望する保護者も多く、就学先をめぐって保護者と就学指導委員会との間でさまざまな争いも起こりました。このため文科省は2002(平成14)年4月、障害のある子どもは特別支援学校に就学するという原則を維持しながらも、受け入れ態勢が整っているなど「特別の事情」のある場合は、「認定就学者」として一般の小・中学校に入学できることを制度上、明確化しました。

それに続く今回の改正は、障害の有無にかかわらず子どもたちが一緒に学ぶという「インクルーシブ教育」の世界的な流れに従って、中央教育審議会が2012(平成24)年7月に出した報告を具体化するためのものです。まず、障害のある子どもは特別支援学校に就学するという原則を改め、子ども一人ひとりの障害の状況など総合的な観点から就学先を決定するという趣旨に変更します。これによって一般の学校における「認定就学者」の制度は廃止され、代わりに特別支援学校に就学する子どもが「認定特別支援学校就学者」となります。

関係者などの間では、「実質的に現状と変わらない」との指摘もありますが、障害児は例外的に受け入れているにすぎないという「一般の学校現場の意識や対応が変わるきっかけとなる」と評価する声もあります。また、文科省は制度改正の通知の中で、実施時期が不明確なことからトラブルの原因ともなっていた保護者や医師など専門家への意見聴取を、「認定特別支援学校就学者に当たるかどうかを判断する前に十分な時間的余裕をもって行うもの」と明記。さらに、保護者の意見については、「可能な限りその意向を尊重しなければならない」と強調しています。

ただ、関係者の間では、制度改正に対して「不十分」との批判も少なくないようです。一つは、「認定特別支援学校就学者」の就学先が特別支援学校のままであるのは、インクルーシブ教育の理念に反するという意見。もう一つは、就学先の最終決定者を現行通り市町村教委としたため、保護者の権利が侵害されると批判する意見です。このほか、保護者の意向をどれだけ尊重するかで、市町村教委の意識の違いにより対応に格差が出ると懸念する声もあります。いずれにしろ、就学先決定においてどれほど保護者の意向が尊重されるようになるのか、制度改正に対する市町村教委の対応が注目されるところです。

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