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柏崎刈羽原発の再稼働申請を条件付きで承認した知事の真意とは

 新潟県にある東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に反対していた泉田裕彦新潟県知事が、態度を軟化させ、東京電力が原子力規制委員会に再稼働を申請することを認めたとするニュースが方々で大々的に報じられている。

 確かに泉田知事は26日、再稼働の申請を条件付きで認めたことを発表している。

 しかし、それに際し知事はコメントを発表しているが、それを見る限り「知事が態度を軟化」させたという事実は全く存在しない。強い地震にも耐えられる原子炉と一体化したフィルターベントの設置や、実現可能な避難計画の作成などを再稼働の条件として強く求めていた泉田知事は、その点については全く譲っていない。知事は、そもそも原子力規制委員会が定めた規制基準は地元にとって十分に安全な基準ではないが、東電の社長と会談した結果、柏崎刈羽原発はその最低限の安全基準をもクリアできているか自信が持てないとのことだったので、第三者のチェックを入れることが必要だと考えて、申請を認めたと説明している。

 知事は反対意見を軟化させ、再稼働に一歩近ける意味で申請を認めたのではなく、もはや同原発を東電だけに任せておくことが危険と考えて、第三者からのチェックを入れる目的で原子力規制委員会への申請を認めたに過ぎないのだ。再稼働に一歩近づくどころか、むしろ再稼働が遠のいたと受け止めるべきだろう。

 現に泉田知事は、東京電力に対して、上記の2条件を満たすことや、原子力規制委員会が再稼働にお墨付きを与えても、新潟県の承認を得ずに再稼働はしないとの条件を付けた上で、規制委への申請を認めている。今回の規制委への再稼働申請と実際の再稼働とは、全く別の問題だということだ。

 にもかかわらず、報道上では「知事が申請を認めた」「再稼働に向けて一歩前進」などの記事が乱れ飛び、東京電力に融資をしている三井住友銀行を主幹事とする銀行団も、再稼働にメドが立ったとして、10月末に返済期限を迎える800億円の東電向け融資について、借り換えに応じ、融資を継続する方向で最終調整に入ったという。

 世の中に対して知事の真意は正確に伝わっているだろうか。「再稼働に向けて一歩前進」が既成事実化される恐れはないのか。ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

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